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「組織を強くする管理職」をいかに育てるか

経営者と従業員をつなぐ人材を育成するプロ

岡本陽

岡本陽プロ
岡本陽プロ

#chapter1

マネジャーとしての自覚を促す

 企業にとって人材は生命線。社員育成は組織の永遠の課題です。中小企業診断士の国家資格を持つIMソリューションズの岡本陽社長は、IT関連会社の営業マン、プロジェクトマネジャーを経て、営業をアウトソーシングで請け負うベンチャー企業で社員教育やマネジメントに携わった豊富な経験を生かし、2014年4月に独立、16年7月にIMソリューションズを設立。営業マン、管理職、経営者の視点を持ち合わせた中小企業向けの人材育成支援を得意としています。
 「企業の成長には管理職の教育は欠かせません。組織を強くするには、経営者と従業員をつなぐ管理職の『振る舞い』が鍵」と岡本さんは断言します。
 「部下が自立しない、手がかかりすぎる、といった悩みをよく聞きますが、営業マンとして必要な基本的動作を上司が教えていないことは意外と多いんです」。部下とのコミュニケーションが取れない管理職が増えていることも要因の一つに挙げます。
 管理職は本来「マネジャー」ですが、従業員数が少ない中小企業では、業務効率化を進める中、管理職自らが「プレーヤー」となって立ち回らないといけないケースも少なくありません。いわゆるプレイングマネジャーです。しかし、往々にしてプレイングマネジャーは自分の成績を出すのに必死。「一見働いているように見えますが、それで仕事をした気になっている人は多い。自分で数字を出すのは部下を働かせるよりも楽ですから」とずばり。
 「ベテランが動けば短期的な成果は上がりますが、それを超える才能は育ちません。次世代は小粒な人材となり、組織は強くなりません」。岡本さんは、管理職にマネジャーとしての自覚を促します。
 「管理職の真の評価とは、自分の部下をいかに動かし、稼がせることができるかです」

#chapter2

個々に応じた研修プログラムを用意

 「今ある人材をいかに戦力に育てていくか。訓練次第で誰でも能力を身に付けることはできます」と岡本さん。では実際に、部下とどう接すればいいのでしょうか?
 「まずは自分からあいさつし、声を掛けることです。大事なのは相手の反応をきちんと読み取ること」。
 次に、相手が置かれている状況を把握することです。「介護や育児を抱えている人かどうかや、趣味を大事にしたい人かどうかなど、働き方への価値観は人それぞれ。ワークライフバランスで業務の中身や選択肢も変わってきますから」。
 一方、部下の話を聞くだけでなく、上司としての役割や使命を部下にきちんと伝えることが重要と説きます。
 「和気あいあいとしていることと規律とは別もの。組織の目標を達成するための役割分担があるという意識付けを明確にしましょう」
 岡本さんの研修はまず、経営者や人事担当者へのヒアリングから始まります。社として何を指導したいか、何を変えたいのか。企業側のニーズを細かくくみ取り、個々に応じたプログラムを作成します。「企業それぞれに必ず強みはあり、抱える悩みも個性の数ほどあります。ケース・バイ・ケースで、オリジナルの研修を組み立てます」。
 継続的に取り組む研修もあれば、社員の個別面談にも対応可能。ステージに応じた体系的な研修を用意できます。たとえば、中堅を対象にしたリーダー研修では単なる講義ではなく、実際的な社内の課題を抽出し、解決に向けたアイデアを現場に反映させるプログラムを実施。
 ユニークなものでは課長の評価制度を作成した例なども。実践的な研修で、組織での自分たちの役割を再認識してもらう狙いがあります。

岡本陽プロ

#chapter3

コミュニケーション能力を鍛える

こうした幅広いニーズに応えられるのは岡本さんの豊富な経験と、長年蓄積してきた人材育成管理のノウハウあってこそです。
 岡本さんは大学卒業後、情報システム会社に就職。システム運営管理者や営業、プロダクトマネジャーなど仕事の基本を学びました。その後、営業のアウトソーシングを請け負うベンチャー企業に転職して愛媛県内の拠点開設事業に携わり、営業担当者の指導育成や社員教育を担当。管理職として複数のチームをまとめる傍ら、採用面接の面接官なども担当してきました。
 実動部隊である営業マンを育てるとともに、営業マンを管理するマネジャーを育成する「管理者教育」を実施。岡本さんは人事権を持つラインマネジャーとして3カ月に一度、全社員の面談を続けてきたと言います。
 「人が成長するためには、その人をよく見ていないといけません。モチベーションが上がっているか、やる気になっているか」。そのためにも、きちんとしたコミュニケーションを取れるようになる必要があると力を込めます。
 「企業が継続して発展していくには、従業員の生き方の分、多様な働き方があると認めることが大事。経営者、管理職、従業員がそれぞれの役割を理解し、振る舞うことができるよう、できる限りのお手伝いをさせていだたきたいですね」。
(2017年2月取材)

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岡本陽

経営者と従業員をつなぐ人材を育成するプロ

岡本陽プロ

経営コンサルタント

IMソリューションズ株式会社

会社の利益を残す仕組を作るコンサルティングと利益を出すための行動を教える研修を行います。他の管理職研修と異なるのは「利益を出すための“行動“を教える研修」であり、利益を意識した人材の教育を行います。

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