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専門医協力のもと、一人一人に合った補聴器を提案

専門医の協力のもとオーダーメードの補聴器を販売するプロ

田中敬三

田中敬三 たなかけいぞう
田中敬三 たなかけいぞう

#chapter1

「見えない補聴器」を中心に展開。医師による無料相談会や耳型採取も実施

 「補聴器は管理医療機器ですから、専門医協力のもと、お客さまに合うものを提案することが大切。私どもの強みは医師とのチームプレーです」

 笑顔で語るのは、認定補聴器専門店「エース補聴器センター」の代表、田中敬三さん。この道三十余年のベテランで、認定補聴器技能者でもあります。
 「当店では、補聴器に詳しい耳鼻科医師を招いての無料相談会を定期的に実施しています。私が販売店に勤務していた頃、病院でも同様の会を開いていました。その時に知り合い、今は親子二代にわたって交流する先生方が協力してくださっています」

 相談会では専門医が耳の状態や聴力などを診断します。「持っている機種が聞こえづらい」と初めて来店した人の耳の中を見たら、耳あかが鼓膜を覆っていたとか。
 「先生が掃除すると聴力が上がったんです。耳型は耳をきれいにしてから取るべきだと改めて思いました」

 主軸商品は、「見えない補聴器」といわれる最小クラスの製品。鼓膜近くまで深く挿入するため耳をふさいだような〝こもり〟が軽減され、自分の声が自然に聞こえるのが特長です。
 「高性能である上、外から見えにくいので幅広い層にご活用いただけます。デリケートな部分の型取りですが、うちは耳の構造を熟知した医師が行います」

 また、使用にあたっては練習が必要だと言います。「つけたらすぐ聞こえると思われがちですが、補聴器を通した言葉は裸耳とは聞こえが違います。使い続けて慣れていただくためにも、ご購入後も無料で調整します」

#chapter2

本人の聞こえやすさに焦点を当て、本人や家族が納得できるよう丁寧に説明

 1952年に愛媛県松山市で生まれた田中さん。愛媛大学教育学部付属の小・中学校に通い、松山商科大学(現・松山大学)へ進学します。

 卒業後は、和洋菓子の製造・販売を手掛ける地元の会社に就職。その後メガネメーカーへ転職し、補聴器を扱うように。知識や技術を身に付けるなどキャリアを重ね5年ほどたったとき、光学レンズメーカーの補聴器事業の立ち上げに誘われます。そこで、「運命の出会い」をします。

 「それまで、仕事をすることが好きじゃありませんでした。でも、当時の社長の考え方に触れる中で変わりました。公私ともにいろいろな『教え』をいただきましたね」

 当時の社長が口にしていたのは、「やるべきことをしっかりやっていれば、結果は後からついてくる」ということ。独立を決めた際、「地道にコツコツと取り組めばいい。万が一失敗しても命までは取られない。そこからまた這い上がればいい」とエールを送ってくれたそうです。

 「補聴器を扱うにあたっては、その方の耳が聞こえやすくなることだけを考えなさい。売ってやろうという姿勢は、お客さんに分かるよ、とも言われました。それは今も私の商売の指針です」

 田中さんは初来店の人には原則、販売しません。「いずれの製品も安価ではない。ご高齢の方が一人でお見えになった場合は『ご家族にも相談してからまた来てください』と伝えています。ご家族といらしたら、みなさんにわかりやすく説明しています」

田中敬三 たなかけいぞう

#chapter3

補聴器を幅広い層へ届けるべく、柔軟な発想で活用法を伝えていきたい

 田中さんは多趣味です。子どもの頃は釣り、中学時代にはコンサートで興味をひかれたドラムを開始。大学時代はスキー、会社員時代にゴルフ、アユの友釣りを始めました。
 「アユはいい香りがするから夢中になってトーナメントにも出ていました」。アユ釣りの竿を購入するため、1日2箱吸っていたタバコ代を貯金。5年で5本ほど手に入れました。

 「音楽やスポーツも含め全て継続していて、がんばって働いた後なんかは特に熱が入ります。お客さんとの会話のきっかけにもなりますしね」

 仕事と趣味を楽しむことは、座右の銘である「ゆとりを持って」にもつながっています。
 「当時の社長が『竿がしなるから釣りができる。しなりとは竿のあそび、ゆとりの部分。ゆとりを持ったら仕事は楽しくなる』と。この言葉は常に心にあります」

 田中さんの柔軟な心はアイデアを生み、健康上の事情などから来店が難しい人や新規の人のために補聴器調整車を導入。新たな補聴器の活用法も構想しています。
 「学生の英語学習に使えないかなと。補聴器は高音を大きくできるので、『th』や『s』の発音が聞き取りやすくなるかもしれません」

 社会の高齢化が進む一方で、補聴器の売り上げはずっと横ばいと言われています。
 「タブレットで操作するのもありますし40、50代がターゲットとなれば。補聴器は簡単には売れません。というのも、簡単に売ると必ずしっぺ返しが来るので。これからもお客さまが納得されるものをご提案していきたいですね」

(取材年月:2022年7月)

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田中敬三

専門医の協力のもとオーダーメードの補聴器を販売するプロ

田中敬三プロ

補聴器販売

エース補聴器センター

耳鼻科医師を招いての無料相談会で耳の状態や聴力診断、耳の型取りなどを実施し、それぞれに合った補聴器を提案・販売。定期的に無料メンテナンスを行い、「聞こえ」をサポートするアフターサービスも充実

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