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一級建築士の資格を持ち業界を熟知した行政書士が、建設業の申請、更新などをサポート

一級建築士の資格を持ち建設業関連に特化した行政書士

犬童秀元

犬童秀元 いぬどうひでもと

#chapter1

顧客や社会からの信用が高まるなど、実務以外のメリットもある建設業の許可申請

 請負金額500万円以上の工事を請け負う際に求められるのが建設業許可。申請に際しては多岐にわたる書類をそろえ、作成には手間が掛かります。登録後も決算変更届を毎年提出しなければならず、5年に1度の更新があるなど、煩雑な事務がネックとなっています。

 建設業者が苦戦する作業を一手に引き受けるのが、千葉県柏市で「犬童秀元行政書士事務所」を開く犬童秀元さんです。

 「建設業許可が下りると案件の幅が広がるだけでなく、顧客や社会からの信用が高まるなど実務面以外でもメリットがあります。『うちは小さな工事しかしないから』という事業者でも、ぜひ一度取得を検討してみてはいかがでしょうか」

 行政書士と一級建築士の資格を持ち、設計事務所や建設会社で長く勤めていた犬童さん。役所での手続き経験が豊富であるとともに、建設業界の現状を熟知しているのが強みです。職務で心掛けているのは、顧客の立場に立つことだと言います。

 「会社員をしていた頃は建設業の社長さんとお付き合いし、経営の不安や困り事についてざっくばらんにお伺いしていました。大工さんや左官屋さんから、下請けの悩みなんかを聞くことも多かったですね。皆さんの苦労が分かるからこそ、血の通ったサポートができると自負しています」

 行政手続きの電子化が進むものの、犬童さんは申請の煩わしさは変わらないと指摘します。
 「審査が無事に完了して『やっと許可が取れた』と、お客さまの安堵の表情を見るのがやりがいです。皆さんの負担を和らげ、本業に専念して躍進していただければと願っております」

#chapter2

建設業許可に必要な資料やクリアするべき要件を分かりやすく説明

 建設業許可を取るには、決算報告書といった財務諸表のほか、10年以上の実務実績があることを明示する過去の請負契約書などを用意します。加えて、経営業務の管理責任者や専任の技術者がいること、社会保険に加入していること、500万円以上の自己資本を持っていることなど、各種要件を満たし、それを証明する書類も求められます。

 「当方では、必要な資料やクリアするべき要件を分かりやすく説明しますので、あれこれ調べる労力はいりません」と犬童さん。

 近年の傾向として、労働者を雇用せずに自分自身で事業を行う「一人親方」が取得する例も増えていると話します。
 「許可証を要する規模の大きい工事を、一人親方が受託するケースはあまり多くありません。しかし金融機関の融資を受ける際に、財務的に健全であることを示す材料になり、評価が上がることも期待できます」

 他に、風俗営業や産業廃棄物処理業、運送業の許可も手掛けます。
 「風俗営業の申請では図面が必要なので、一級建築士としての知識と技術を生かすことができます。許認可業務の中でも建設業は最も難しく、これができれば一通り対応できるようになると言われています」

 犬童さんは、販路開拓や生産性向上を後押しする小規模事業者持続化補助金や、設備投資などに使える補助金・助成金の活用もフォロー。活動エリアは千葉県東葛地域が中心ですが「電子申請がさらに普及すれば、オンラインで遠方からの依頼にも応じられるのでは」と可能性を探っています。

#chapter3

大学時代に取得した行政書士の資格を活用し、建築・建設業界に恩返し

 若い頃から建築に興味があった犬童さんは、大学に通う傍ら、従兄弟が経営する建築事務所でアルバイト。卒業後も手伝いを続け、従兄弟の勧めにより一級建築士の資格を取ります。
 数社で研さんを積んで大手ハウスメーカーに入り、営業設計や現場監督などに従事。定年退職まで建築業一筋を貫きます。

 「前職では、お客さまと打ち合わせをして住んでいる家屋の図面を起こし、リフォームの提案をしていました。いくら設計の能力があっても、お客さまの信頼を得られないと契約は取れませんので、接客の技術が磨かれました」

 退職が近づくにつれ、お世話になった業界に恩返しできることはないかという気持ちが強くなり、セカンドキャリアを模索。そこで注目したのが、大学時代に取得した行政書士でした。

 「大学時代の経済学の講義で、先生から『いつか必ず役立つ資格だから取っておけ』と勧められました。自分が身につけた専門性が、『建設業登録をして現場を増やしたい、事業を拡大したい』という人たちの一助になるのではと思い立ったのです」

 当時の勤務先から、引き続き働いてほしいという誘いを受けたものの意思は変わらず、2023年7月に事務所を開設しました。

 万全のコンディションで臨んでこそ、顧客の力になれると強調する犬童さん。週末は趣味のボウリングで健康管理をしています。
 「一人でも多くの事業者を支援することで、建設業界に少しでも貢献できればと考えています。最低でも80歳までは仕事を続けたいですね」

(取材年月:2023年12月)

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犬童秀元

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犬童秀元プロ

行政書士

犬童秀元 行政書士事務所

行政書士と一級建築士の資格を保有。設計事務所などでの豊富な業務経験から、建設業者や職人たちの苦労を熟知。顧客の立場に立ったサポートを行います。図面が求められる風俗営業の申請などにも役対応。

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