メーカーや年式を問わず対応するパソコンサポートのプロ北山豊

メーカーや年式を問わず対応するパソコンサポートのプロ

北山豊

解決しなければ、評価されません

　黒石市の住宅街の中で「あおもりパソコンサポートステーション」の大きな看板が目立っています。「パソコントラブル、まずは駆けつけますよ！」と頼もしく話すアイピーコンフィグ株式会社の北山豊さん。インターネットがつながらない、プリンターが動かない、パソコンに記号や文字が表示される。こうした現象は、得てして急いでいるときに発生します。原因が想定できれば、また想定できるスキルがあればそれなりの対応が可能でしょう。「これはプロバイダーに聞いてみよう」や「ネットワークの障害だから管理者に連絡」といった行動に移れるのは、スキルがあればの話です。

　しかし、現実はどうでしょうか。パソコンやインターネットは使えるけど、仕組みや構造などはわからないという方がほとんどだと思います。そうした時、購入した家電量販店やパソコンショップのほかに、アイピーコンフィグ株式会社へ相談という選択肢があります。北山さんは、メーカーサポートが切れていても、生産が終了したメーカーのパソコンでも対応してくれます。年式の古いソフトの不具合にもチャレンジします。サポートの終了や取り扱いメーカー以外だからということを「できない」理由にするのではなく、お客様が抱える問題を解決し、現状復帰できるかどうかが大切だと言います。「なんとか動くモンですよ。ただ、いつまで大丈夫という保障はできないので、その次の対策にも相談に乗ります」と心強いコメントを頂きました。

　驚いたのは「自作のパソコンが持ち込まれることがあります」ということです。相当のスキルがあり、自ら組み上げたパソコンを他人に任せるというのは、オーナーにとっても信頼を置けるからこそでしょう。北山さんの技術力の高さがうかがえます。

クリックマン見参！パソコンサポートステーションで県内を網羅

　昨年度で終了しましたが、ITの普及を目指した青森県の事業を受託してから「業務への責任感が、より一層増しました」と話す北山さん。

　スタッフも増やし、中南黒・弘前エリアの普及事業に取り組みました。その中でアイピーコンフィグ株式会社のキャラクター、「クリックマン」が誕生しました。パソコンに入り込み、いたずらを繰り返す悪役「ウイルサー」。それを左右クリックの一撃を加えて解決する「クリックマン」。わかりやすいキャラクター設定が、事業への理解を深めることへの成功につながったようです。
徐々にではありますが、顧客も増加傾向にあるそうで、これもクリックマンがもたらした成果なのでしょうか、北山さんのポロシャツの胸で誇らしげでした。

　同業者（パソコン修理・レスキュー）のネットワークを構築することにも努め、情報を共有しているため、ヘルプ要請をするお客様の元へ最も近く最善のメンバーを派遣することができます。例えば、野辺地町に住む方から、北山さんに連絡が入ったとします。当然、少しでも早い対応を要望されます。まずは、状況をある程度把握し野辺地町近隣の仲間へ連絡、最短で動けるメンバーがレスキューに向かうという構図が成立します。現在は個人のお客様が中心ですが、今後は事業所や店舗などへも客層を広げていきたいと話します。勇者「クリックマン」はパソコンサポートステーションメンバー全員の心の中にいるようです。

まずは駆けつける、大きい体ですがフットワークは軽く

　インターネット関連のメンテナンスでは「電話でのお問い合わせにはお答えできません」という対応も多く、電話での問い合わせができたとしても、受付時間が過ぎると無機質な留守番電話受付が流れることが多いようです。しかし、トラブルは時間や都合を選びません。前述にあるように、急いでいるときに限って不具合が発生します。そして、その原因を追究しようとし対応を講じていては時間が過ぎるばかりです。

　北山さんは連絡を受けたら、まず出向くことを優先。パソコンやインターネットの場合、どうしても専門用語でなければ説明しづらい、理解できない場合が多く、状況を確認する問いかけにも不明瞭な答えが返ってきます。その時間があれば、現象だけを聞き考えられる状況を想定して、まずは駆けつける準備に取りかかります。

　これまでも、メーカーやプロバイダーの技術スタッフとして修理に向かうことがあり、そのルールにそって「修理ができない」という対応をしたことが悔やまれているそうです。もっとフレキシブルな処置ができれば、そのお客様はきっと満足してくれたと考えます。

　事務所には使われていないノートパソコンが重なり、中には既に生産していないメーカーのものもあります。パッキンされたハードディスが整然と並び、机の上にはむき出しの筐体があります。そして、向こうにはスティーブ・ジョブズのポスターが貼られています。気まぐれで、無機質なパソコンを再生させる北山さん。修理というよりは、患者さんを大切に思い治療するお医者さん、という印象を受けました。

（取材年月：2013年7月）

扱うものはデジタルですが、対応はアナログです

解決しなければ、評価されません

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まずは駆けつける、大きい体ですがフットワークは軽く

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