PROFESSIONAL
STORIES

Mybestpro Interview

調査・測量で土地の境界を明確化、正確な登記で財産を守るお手伝いを

依頼者の不動産を明確にする筆界(境界)のプロ

三上大介

三上大介 みかみだいすけ
三上大介 みかみだいすけ

#chapter1

土地家屋調査士として公平な立場で境界立会いを進め、双方が納得できる結果を目指す

 「ご自身の土地を守り、子や孫に譲り渡していくためにも、争いごとや心配ごとの種は早めに摘んでおくことをおすすめします」

 そう語るのは「土地家屋調査士三上大介事務所」の代表、三上大介さん。青森県八戸市を拠点に、土地や建物の調査・測量を手掛け、依頼者の求めに応じて不動産に関する表示登記の申請手続きを代理しています。

 「私どもの業務の一つに境界立会いがあります。これは、土地の筆界(境界)を明確にして所有者同士が確認するために行うものです。依頼者さまとお隣さんが不仲でもめている場合もあるのですが、第三者として公平な立場で進めることで、合意をいただいております」と胸を張ります。

 「測量は重要ですが、結果だけをゴリ押しはしません。法務局や自治体に保管されている資料、歴史的背景などを総合的に判断して、双方から納得が得られるよう、丁寧に説明することを心掛けています」

 三上さんは同業者仲間とドローンの会社を立ち上げており、計測に使えるよう操縦技術を習得しています。
 「現地に線が引いてあるわけではないので、筆界は目に見えません。しかし、上空から撮影した写真に線を引くことで見える化できます。土地の状況を把握する際に有用ですので、積極的に取り入れていくつもりです」

 今後は3Dデータの活用も考えているとか。「建物やブロック塀の位置、道路の幅などを立体的に再現できるので、現地に来られないオーナーさまなどにも具体性をもって現況を伝えることができます。新しいテクノロジーも導入して分かりやすさを追求しています」

#chapter2

開業10日で東日本大震災に遭うも人と人とのつながりを大切に、地元で実績を積む

 東京の大学に進学し、卒業後はプログラマーとして働いていた三上さんは、自身の母親の病気がきっかけで故郷にUターン。八戸に営業所がある会社に勤務していましたが、転勤の可能性がありました。
 「司法書士をしている高校の同級生に相談したところ、『独立して自分で事業を営めば地元にいられるし、司法書士と土地家屋調査士は連携する場面が多いので、資格を取ってもらえれば相談もしやすいし助かる』と言われて。そのとき初めて現職について知りました」

 そこから一念発起。土地家屋調査士の事務所に勤めて実務に就きながら勉強を重ね、2010年12月に試験に合格しました。翌2011年3月1日に開業。しかし、その10日後に東日本大震災が発生しました。
 「いきなり出ばなをくじかれました。幸い大きな被害はなかったものの、物流が止まり、注文していた測量機や資材は2~3カ月届きませんでした」

 開店休業のような状態の中、心の支えになったのは、同級生の言葉だったとか。「『開業したら、仕事があろうがなかろうが、がんばって継続していくことが大事だよ』と言われたので、とにかくやり続けようという思いで事務所の整理などしていました」

 司法書士をしている高校の先輩や、金融関係の知り合いに声を掛けるなど関係各所にアプローチして顧客開拓にも励み、コツコツと実績を積みました。
 「紹介してくれた周囲のためにも、一つ一つ確実に対応することで信頼を築き、次の案件へとつなげてきました。人と人とのご縁に感謝しながら、誠実に取り組んでいます」

#chapter3

相続に際しても扱いが難しい不動産という財産を整え、次世代への継承をサポート

 遺産に不動産が含まれることは多く、利活用に際しては権利者全員の同意が求められるなど扱いが難しい側面があります。
 問題解決の窓口として、2022年には、保険代理店を営んでいる知人が主導して「相続トータルサポート八戸」を始動。三上さんのほか、司法書士、公認会計士がメンバーとして参画しています。
 相続や遺言について理解を深めてもらうため、「八戸笑顔の相続の学校」と題してセミナーを開催。今後は自ら講師を務め、土地分割などをテーマに取り上げることを検討しているそうです。

 「一筋縄でいかないケースもありますが、代々受け継いできたなど、不動産というお客さまの大切な財産を整え、お役に立てることがやりがいです」

 土地を売ろうとしても境界線が曖昧なままではニーズは見込めませんが、はっきりさせることで買い手は安心して購入できるので価値が上がります。土地家屋調査士が作成した測量図や杭は、所有の範囲を明示し、トラブルなく次世代へバトンタッチしていくために欠かせない役割を果たしているのです。

 「個人のお客さまだけではなく、役所からの業務にも携わっております。法務局に備えつけられている地図を整備するという大きな事業があって、それに関わっていると、社会貢献できていると感じます」

 各方面からの要望に応え、忙しく過ごす三上さん。「一代で終わるのはもったいないので、規模を拡大して従業員を増やし、いずれ事業承継できるような会社になれば」と展望を描きます。

(取材年月:2023年8月)

リンクをコピーしました

Profile

専門家プロフィール

三上大介

依頼者の不動産を明確にする筆界(境界)のプロ

三上大介プロ

土地家屋調査士

土地家屋調査士三上大介事務所

土地や建物の調査・測量によって筆界(境界)を明らかにし、不動産の価値を高めて次世代への継承をサポート。ドローンで空撮した資料を活用して筆界を見える化するなど、分かりやすい説明を心掛けています。

\ 詳しいプロフィールやコラムをチェック /

掲載専門家について

マイベストプロ青森に掲載されている専門家は、新聞社・放送局の広告審査基準に基づいた一定の基準を満たした方たちです。 審査基準は、業界における専門的な知識・技術を有していること、プロフェッショナルとして活動していること、適切な資格や許認可を取得していること、消費者に安心してご利用いただけるよう一定の信頼性・実績を有していること、 プロとしての倫理観・社会的責任を理解し、適切な行動ができることとし、人となり、仕事への考え方、取り組み方などをお聞きした上で、基準を満たした方のみを掲載しています。 インタビュー記事は、株式会社ファーストブランド・マイベストプロ事務局、または青森放送が取材しています。[→審査基準

MYBESTPRO