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生産技術の現場を熟知し、ものづくり企業の未来につながる支援を提供

ものづくり現場の経験豊富な生産技術コンサルタント

熊田茂雄

熊田茂雄 くまたしげお
熊田茂雄 くまたしげお

#chapter1

40年以上の生産技術経験から、技術的方向性を見極めた改善策を提案

 中小のものづくり企業に向けて、生産技術コンサルティングを提供する「PEC-KUMATA 生産技術コンサルタント」代表の熊田茂雄さん。自動車部品メーカーで40年以上にわたり、生産技術や工場管理に携わり、現在は生産技術コンサルタントとして活動しています。大手から中堅、中小までさまざまな規模の企業での経験から、実情に応じた施策を提案します。

 「生産技術は、生産ラインを確立し、全体を見て量産化を推進するものづくりの中心的存在です。〝不良が出る〟〝コスト管理がうまくいかない〟など、顕在化している悩みだけに対処しても、本質的な解決に至らないケースは多いです。企業の強みと弱みを知り、技術的な方向性を見極めて体質改善を提案します」

 熊田さんは生産現場を実際に訪れ、工数や工場レイアウト、過去に蓄積されたデータなど、さまざまな情報を収集。あわせて技術担当者へのヒアリングも行い、現況を表や図で「可視化」します。
 「ベストな策を導くため、あらゆる面から分析します。経営者と従業員の双方に、課題を共有し、納得いただいてから進めることを心掛けています」

 重視しているのは、技術や企業の将来性を見据えたサポートです。
 「自社の技術や製品に詳しくても、顧客ニーズや時代の要請が把握できていない中小企業は多いので、第三者の視点から将来性や応用可能性についても検証します。ロボットやAI画像処理・IoTなど先端技術を導入することも大事ですが、他の分野の技術と組み合わせたり、精度をさらに高めたり、持ち味を生かした新たなチャレンジも後押しします」

#chapter2

工程設計や工場管理の豊富な知見に基づき、品質改善や生産性向上を導く

 熊田さんが習得してきた加工技術は多岐にわたります。中でも組み立て加工(アッセンブリー加工)や金属部品加工、成型部品加工などに強く、洗浄処理や製品のもれをチェックするリーク検査、各種性能検査などにも精通しています。

 「生産技術部門で工程設計を長年担当し、さまざまな加工技術に対して、〝どんな設備を投入すべきか〟〝自動化度合いをどうすべきか〟などさまざまな工程を構築してきました。その中で生まれる品質改善やコスト管理、生産性向上などの課題に対しても、現場に応じた解決の道筋を描けます」

 品質改善では「品質は工程で作り込む」の考え方に基づき、さまざまな手法を実践。例えば、情報分析やデータ解析を行う「QCの七つ道具」や、ヒューマンエラーに対するPFMEA(工程FMEA)などを用います。
 「製品の性能は、各種部品を加工し、組み合わせた完成形を評価します。工法はさまざまでも、工程ごとに一定の品質を保たなければ、最終的な製品の品質も確保できません。各工程で不良を出さない条件やチェック体制を整えます」

 また、生産性向上でも経験知を発揮。設備やラインの稼働率の向上や自動化及び、人が介在する工程のスキル管理のほか、工場管理経験を生かし、物流やレイアウトなどの改善にも対応できます。

 顧問先から「毎日来てほしいくらい」との声が寄せられたことも。
 「お役に立てていると実感でき、うれしくなりました。元来、何でも徹底してやらないと気がすまないので、その緻密さを評価いただくことは多いかもしれません」

熊田茂雄 くまたしげお

#chapter3

中小企業の販路開拓につなげるビジネスマッチングの支援実績も

 熊田さんは、ものづくりへの興味から、大学卒業後、愛知県内の大手自動車部品メーカーに入社しました。
 「当初は、設計や研究を志望しましたが、生産技術部門に配属され、工程設計を担当しました。部品の仕入れから市場への送り出しまで一連の加工プロセスに関わり、リレー、センサー関連の手組ラインや全自動ラインの工程設計に携わりました」

 出向先のグループ企業では生産技術管理や工場管理に従事し、ISO審査をはじめ各種監査への対応経験も豊富です。定年退職後、生産技術コンサルタントとして、企業のサポートをスタートさせました。

 2022年から約2年間、名古屋市新事業支援センターで販路開拓のコーディネーターとしても活動。ビジネスマッチング企業と連携し、相手企業の選定や技術紹介シートの作成、面談などを支援しています。
 「これまで40社ほどを担当し、航空/宇宙、医療/精密機器、電気/半導体など幅広い業界の知見が広がりました。マッチング成立には、展示会やプレゼンでの訴求力を高めることが重要と実感し、そのようなサポートにも力を入れたいと考えています」

 現在も、EVやロボット、IoTなどの先端技術が集まる展示会に積極的に参加しているそう。
 「技術者として現役であり続けたいという思いは強いですね。顧客ニーズや社会の流れに取り残されないためには、常に新たな技術に目を向ける必要があります。変化が激しい時代に製造業が生き残っていくために貢献します」

(取材年月:2024年4月)

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ものづくり現場の経験豊富な生産技術コンサルタント

熊田茂雄プロ

生産技術コンサルタント

PEC-KUMATA 生産技術コンサルタント

工程設計や工場管理に40年以上従事した現場経験をもとに、生産技術コンサルティングを提供。品質改善や生産性向上などQCD課題の改善策とあわせて、先端技術や異分野を取り入れた技術方向性もアドバイスします。

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