安心・快適に暮らせる住まいづくりとリフォームのプロ
三井寺浩樹
Mybestpro Interview
安心・快適に暮らせる住まいづくりとリフォームのプロ
三井寺浩樹
#chapter1
家は家族が快適に過ごす場。そして地震などの災害が起きた時には、生命と財産を守る重要な役割を果たします。東日本大震災以降、住宅の「安全・安心」に対する関心が高まっています。
「安全、かつ快適な住まい」を追求してきた「シロニシ工務店」のチーフ、三井寺浩樹さんが「これだ!」と強く感じ、県内で最初に取り扱いを始めたのが「AIR断震システム」です。地震を感知した瞬間、住宅の基礎の部分に高圧空気を送り込み、家を浮上させます。浮いた状態の家には振動が伝わらないため、家自体が壊れたり家具が倒れるなどの被害を防ぐことができます。
住宅自体を丈夫にして耐震性を高めた「耐震住宅」でも、家自体が地震と同様に揺れることは避けられません。「断震」は、「振動自体を断つ」という点が「耐震」と異なります。
4月17日夜、宮城県沖を震源とする地震が発生し、山形市では震度3を記録しました。「AIR断震システム」を装備した三井寺さんの自宅は、システムが作動し、家の中では揺れを感じなかったといいます。「空気の出る音がして、家が浮き上がった後に緊急地震速報が鳴った。地震どころか、浮き上がったことも全然感じなかった。有効性をあらためて実感することができた」と、その時の様子を振り返ります。
「災害が少ない」といわれる山形県。東日本大震災をはじめ、過去のさまざまな震災の際も、比較的被害が少なかったため、そのように思われているところがあります。しかし、日本自体が地震の多発地帯にある国ですし、山形県内にも活断層が走っています。「いつ何が起きるか分からない中、住まいの安全を確保するための選択肢として、このシステムを提案していきたい」と意欲を見せています。
#chapter2
「AIR断震システム」は、空気圧で浮くことのできる基礎部分、圧縮空気をためておくエアータンク、空気を圧縮するコンプレッサー、地震を感知してシステムを作動させるコントローラーで構成されています。
通常時は地震センサーが揺れを監視する一方、タンクに圧縮空気をためておいて、地震発生に備えます。地震センサーが揺れを感知すると、タンクの圧縮空気を瞬時に放出し、家を浮かせます。揺れがおさまると、空気が抜けて、家は元の位置に戻ります。
余震が来ても大丈夫。エアータンクの容量は、家を数回浮かび上がらせるだけの能力があります。コンプレッサーには蓄電池が装備されており、停電の時でも運転を続けることができます。
阪神大震災では、家屋の倒壊や、家具が倒れて下敷きになるなどで多くの犠牲者が出ました。その教訓を踏まえ、「地震でも壊れない家」として開発されたシステムです。東日本大震災の際にも、このシステムの有効性が実証されたといいます。新築の場合、ほとんどの工法の住宅と組み合わせることができます。
ことし1月に完成した三井寺さんの自宅で、実際にシステムを作動させてもらいました、「プシュッ!」という空気の音がした瞬間、家全体が2センチほど浮かび上がりました。素早い反応もポイントの一つです。
「自分で設計して施工して、実際に生活しているから、良さも不具合もよく分かる。常に改善しながら、『生活の場』として実際に見てもらっています」。自宅が仕事場とモデルルームを兼ねているのです。
#chapter3
三井寺さん宅の建物は、防臭・防音効果のある炭化コルクを床や壁に使う「ジョイ・コス住宅システム」を採用しています。構造自体が地震などに強い上、省エネ性能も高く、さらに「空気がきれいで快適」なのが特徴。シロニシ工務店で売り込みに力を入れている工法です。
親子2代で家づくりをしているシロニシ工務店。長いお付き合いのお客さまも多く、ちょっとした不具合を直してほしいと依頼が来ることもあります。そんな時にも対処できるよう、給・排水や電気などの工事ができる資格も取得しました。住まいのことなら何でも気軽に相談できる、頼れる「住まいのお医者さん」を目指しています。
「家は生命と財産を守るとりでであり、一生に一度建てられるかどうかの大切なもの。安心して末永く住んでもらいたいし、不具合が出たらすぐ直してあげたい。一つ一つ、間違いのない仕事をやっていきたい」と語っていました。
(取材年月:2013年4月)
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Profile
安心・快適に暮らせる住まいづくりとリフォームのプロ
三井寺浩樹プロ
建築家
株式会社 シロニシ工務店
地震から家族を守る「AIR断震システム」を県内で初めて取り扱い。高い断熱性と空気のきれいさが特徴の「ジョイ・コス住宅システム」との組み合わせで、どんな時にも安心・快適に暮らせる住宅を実現しました。
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