福祉の現場を元気にする情報発信とデジタルのプロ
進藤祐治
Mybestpro Interview
福祉の現場を元気にする情報発信とデジタルのプロ
進藤祐治
#chapter1
インターネットの普及により、さまざまな情報を誰もが気軽に発信することができるようになりました。ホームページ(HP)や交流サイト(SNS)による情報発信が当たり前のようになり、実際、ネット上にはさまざまな情報が発信されています。
しかし、ネットでの情報発信が、果たしてうまく行っているでしょうか。「始めてはみたものの内容が貧弱」「更新されていない」といった状況になっていないでしょうか。特に、介護や保育など「福祉」の分野は、仕事や職場の魅力を積極的に発信する必要がある一方、忙しい現場では「HPやSNSまでとても手が回らない」ということになりがちです。
そうした時に心強い味方になってくれるのが、山形市で「シンドウ編集事務所」を営む進藤祐治さん。「情報のチカラで福祉をゲンキに」をキャッチフレーズに、デジタルによる福祉の現場の情報発信に取り組んでいます。
「デジタル技術に携わってきた経験を生かし、デジタルで福祉の現場を活気づけたい。『困っている』『分からない』ところを解決できるよう、現場の人たちと一緒に頑張っていきたい」との志を胸に、県内各地の現場を精力的に回って取材を行い、情報発信を行っています。デジタルツールの使い方に関しても、豊富な知識を基に分かりやすくアドバイスしてくれます。
「福祉の現場における『デジタル・ヘルパー』」として、存在感を高めています。
#chapter2
福祉の職場は、人と人とが触れ合う「アナログ」な職場です。施設などで働く人たちは日々、利用者一人一人に向き合い、明るい雰囲気の中で生き生きと仕事をしています。一方、慢性的な人材不足が続いていることも事実で、職場のイメージアップが課題です。
また、利用者や家族の側から見れば「必要な情報に触れられない」という課題があります。進藤さんも、事前の情報が不十分なまま施設に入所した知人が、後になって「自分に合わない」と言い出したーという経験があるそうです。
「福祉の人材不足や情報発信の必要性を行政機関の方に伺い、デジタルの分野で福祉の現場をお手伝いすることを思い付きました。最初の仕事は、行政機関が主催する職場見学会に同行し、その様子をSNSで発信することでした」。起業した頃のことをこのように振り返ります。さまざまな施設に足を運ぶうち、ホームページやSNSの作成、動画や記事などのコンテンツ作成といった依頼が入るようになりました。
「最初の頃は施設の方々とうまくコミュニケーションができず、場を和ませようと愛犬を連れて取材に行ったこともあります。利用者や職員の方から喜んでもらい、長いお付き合いが続いています」。穏やかな話し口と優しい表情で丁寧に取材する姿が、多くの人に受け入れられています。
さまざまな福祉施設から声が掛かるようになり、作成したコンテンツも好評です。「役に立っていることが実感でき、クリエイターとしてやりがいを感じています」とのことです。
#chapter3
大学の工学部を卒業し、プログラマー、システムエンジニアとして長年デジタル技術と向き合ってきた進藤さん。「山形の地で、チャレンジの風土や雰囲気づくりに貢献できるような事業がしたい」と、早期退職して古里で起業する道を選びました。
「官公庁関連の事業に長く携わってきたこともあり、福祉分野の制度や行政サイドの仕事の進め方などは多少知っていました。そこで事業計画書を作り、県庁や山形市役所に持って行ったところ、福祉関係の方を紹介していただき、そこから事業が動き始めました」と振り返ります。
軌道に乗りつつあったところを襲ったのが、新型コロナウイルス感染症の世界的流行。施設に足を運んでの取材などは困難になった一方、現場のデジタル化が急速に進みました。テレビ会議、オンラインイベントの開催、といった場面で、デジタルに精通した進藤さんへの依頼が増え、コンテンツ部門の落ち込みをカバーしたといいます。「私自身、オンライン関連のノウハウを積み重ねることができ、対応できる幅が広がった」のだとか。デジタル化に関する研修会で講師を務めるなど、「デジタル・ヘルパー」としての活動の幅が広がっています
「福祉の現場もこれから、デジタル化がどんどん進みます。頼りがいのある存在になれるよう、私自身もチャレンジを続けていきたいですね」
(取材年月:2023年10月)
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福祉の現場を元気にする情報発信とデジタルのプロ
進藤祐治プロ
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システム開発会社での勤務経験を生かし、デジタルを生かした情報発信やコンテンツ制作、技術導入に関するアドバイスなどを行っています。ご要望に応じ最適なソリューションを提案いたします。
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