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伝統的な瓦屋根の施工を手掛け、風格と美しさ、耐久性を兼ね備えた住まいに

30年の経験を持つ瓦屋根工事のプロ

坂田浩二

坂田浩二 さかたこうじ

#chapter1

約30年の実績を持つ瓦葺き職人が、新築、葺き替え、修繕工事などに対応

 伝統的な日本家屋の象徴ともいえる瓦。風格と重厚感を醸し、滑らかな曲線を描いて見た目が美しいうえ、粘土を高温で焼き締めるため耐久性が高く、厚みのある構造で断熱性や遮音性も備えています。近年、日本では洋風建築が主流となりつつありますが、瓦屋根は今も職人の手で受け継がれ、街の風景やいにしえから続く歴史を支えています。

 富山県高岡市を拠点にする「坂田瓦工業」の代表・坂田浩二さんは、地域密着で事業を展開。瓦葺き職人として約30年の実績を持ち、少数精鋭を率いて新築や葺き替え、修繕工事などを手掛けています。

 「屋根は雨風、雪から住まいを保護し、美観にも関わる重要な存在です。わが家という財産に携わる上で、お客さまに対して誠実であることを何よりも大事にしています」

 用命を受けると客先に赴き、打ち合わせを通じて要望を聞き取ります。修復であれば劣化具合なども踏まえてプランを提案。着工前、施工中、完工後の写真を撮影して顧客へ共有し、その都度状況を細かく説明していると言います。

 「お客さまは屋根がどうなっているか見えませんから、ご心配でしょう。新規、リフォームを問わず、何にどれだけの費用がかかるのか、なぜその工事が必要なのかをできるだけ分かりやすくご説明しています」

 坂田さんはスピード感も重視。例えば雨漏りは時間の経過とともにダメージが広がるため、できる限り都合をつけ、即日対応を心掛けています。

 「これまで数多くの雨漏りを修理してきました。豊富な経験値から、雨水が浸入する原因を素早く特定し、適切な処置を講じてみせます」

#chapter2

満足のいく仕上がりを目指し、不具合を発見するため屋根の定期検診も実施

 坂田さんは1971年に高岡市で生まれました。10代の頃から住宅関係の現場で働き始め、24歳のとき瓦工事に従事する知人に誘われたことが現職に就くきっかけとなります。

 「夏は暑く、冬は寒い環境下ではありますが、瓦をきれいに葺いたときの達成感は格別でしたね。高い場所にのぼるのも爽快で、すぐに熱中するようになりました」

 さまざまな現場に出向き、一人前の職人になるべく修行を積んだ坂田さん。これまで培った技術をもとに、2007年に独立を決意します。

 「当時勤めていた勤務先が規模を縮小すると発表したんです。かねてより独り立ちしたいと思っていたので、好機だと捉え、自分の力でやっていこうと『坂田瓦工業』を立ち上げたのです」

 一人親方として新たな一歩を踏み出すにあたり、当初は不安もありましたが、坂田さんの人柄や実力を知る仲間が案件をどんどん紹介してくれたそうです。現在は、信頼のおける2人の従業員とともに、3人体制で職務にまい進。マイホームを建てたり、増改築したり、傷んだ屋根をリニューアルする個人客や工務店などから依頼があります。

 「同じ現場は二度とありませんので、どれだけ経験を積もうが常に謙虚な姿勢で仕事と向き合っています。丁寧に工程を重ね、お客さまにご満足いただける仕上がりを目指しています」

 2022年から台風などによる強風対策として、瓦を留め付ける緊結方法が法律で強化。坂田さんのもとでは、不具合を早急に発見するため屋根の定期検診も実施しています。

#chapter3

多様化するニーズや住まいのデザインに合わせ、板金屋根の工事にも注力

 業務を終えた際の最終点検・清掃を徹底し、気になることがあれば駆け付けるアフターフォローにも注力。一つ一つの縁を大切にしながら信頼関係を築いてきた坂田さん。日々、依頼が舞い込みますが、昨今は住宅の仕様について変化を感じているとか。

 「最近では家を建てる際、瓦を採用する住宅が大きく減っています。私の感覚だと、2018年頃の富山では新築の6~7割はまだ瓦屋根でしたが、今では1割にも満たない気がします」

 地域の気候風土になじむ和瓦や平板瓦、洋瓦などを用い、風情ある佇まいをかなえてきた坂田さん。多様化する住宅のデザインに合わせて、今後はガルバリウムという金属製の板金屋根の工事にも力を入れていきたいと展望を語ります。

 「皆さまの住まいを彩り、手入れにより末永くお守りすることが私たちの役割です。培ってきた技術で、時代のニーズに柔軟に応えていきたいと考えています」

 坂田さんは富山県瓦工事業協同組合の一員としても活動。同組合の高岡支部長を務め、地区の業者を束ねています。2015年には、国の重要有形・無形民俗文化財に指定され、ユネスコ無形文化遺産にも登録されている「高岡御車山祭」の山車を展示する高岡御車山会館の新築工事に、高岡支部総出で取り組みました。

 「切磋琢磨し、情報交換をしながらともに成長してきた頼れる同業者たちとの共同作業です。お近くを訪れた際にはぜひご覧いただきたいと思います」

(取材年月:2025年4月)

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坂田浩二

30年の経験を持つ瓦屋根工事のプロ

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瓦工事職人

坂田瓦工業

瓦工事の職人として30年の経験を持つ。豊富なノウハウと技術力を元に、新築から葺き替え、修繕まで幅広く対応。正確で丁寧な作業はもちろん、スピード感のある施工を行う。

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