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セルフイメージアップから、まちの景観デザインまで。色と香りで「心地いい」を提案。

色と香り・癒やしのコーディネートのプロ

高須佳美

色と香りのコーディネートのプロ、高須佳美(たかすよしみ)さん
色づかいは、心づかい。自分のため、相手のために色を楽しむ。

#chapter1

色づかいは、心づかい。自分のため、相手のために色を楽しむ。

 扉を開けた瞬間、心地よく包まれるアロマ。素敵な笑顔で迎えてくれたのは「オフィスアルモニ」の高須佳美さん。色と香りのスペシャリストです。

 企業の人材育成で話題の「カラーコンサルティング」。そもそも、色とは?「実は、第一印象の89%が視覚を占めます。外見、つまり色はそれだけ人の心理に及ぼす力が大きいのです。自分が好きな色と似合う色は違います。カラーコンサルティングでは、髪や肌、瞳の色、個性を分析し、心身の核となる色=パーソナルカラーを見つけます」と高須さん。

 「色づかいとは、心づかいだと思うんです。自分に似合う色の服やメイクカラーを取り入れることで、自分はもちろん、相手にも心地よく感じてもらう。魅力がアップすれば自然と自信がつき、コミュニケーション能力も上がる。お客様は営業や受付、接客業の方から、芸能人、主婦の方まで様々。色を用いて『清潔感』『パワフル』『上品』などのセルフイメージを演出できます。あなたらしさや魅力アップのツールに、ぜひ色を活用してほしいですね」

 色彩のアドバイザーとして、公共施設や景観デザインにも携わる高須さん。「橋や電車、公園のベンチの色。何気なく眺めている町並みや景色にも、色彩心理が活用されています。例えば、老人ホームの手すりや階段は安全を確保するためビビッドな色が多く、心を落ち着かせる寝室にはブルー系を使うなど。今は“騒色”の時代。自分や街をどう心地よく演出するか、その要が色なんです」

#chapter2

自分を演出したり、気持ちを優しくしたり。ひとを幸せにする香りがある。

 高須さんのもう一つの顔が、アロマコーディネーター。香りの本場フランスで研鑽を積んだ高須さんは、国内の有名な香水や化粧品、富山県のチューリップを活かした香水、高岡市の「万葉の香り」など、香りのプロデュースを多数手がけてきました。自らが立ち上げたブランド「アルモニ・アロマフレグランス」も国内外で人気を集めています。

 高須さんの創る香りは、身近な暮らしにも使われています。病院の待合室にはリラックスする森の香り、美容院やエステサロンには癒しの香り、老人ホームでは認知症に効果的な香りなどを提案しています。2020年、2021年コロナ禍の心身のストレスケアを目的としたメディカルアロマ「RYO」「YOU」「SACRA」の開発が話題となり、マスクに付ける香りは多くの医療従事者や福祉施設、教育機関などでも活用されています。

 東日本大震災の被災地では自社の香り「翠喜すいき」が環境アロマとして多くの人のストレスケアに貢献しました。「美しい富山の香りシリーズ」では五箇山和紙を活用した「香りのちり華」が実用新案、商標登録認可となりました。また、上市町健康文化振興財団のアルプスの湯セラピールームに香りのリラクゼーション空間をプロデュースするなど地域活性化にも寄与しています。

 色と香りでトータルに心身を癒す「ハーモニーセラピー」を国内で初めて確立し、市町村の健康アドバイザーとしても活動しています。気分が優れない時や何となく元気がない時など色や香りを使って心身のバランスを整え、人間本来の自然治癒を高めていくハーモニーセラピー。「心のままに、色を使ってカラーセラピーや香りを楽しむことで自閉症のお子さんの症状が良くなったり、コロナ禍での鬱症状に改善が見られたり。潜在意識に働きかける色と香りにはとても大きな可能性を感じますね」

「くゆら織」では、自由な素材を想いのままに織りこんでいる

#chapter3

見えない部分こそが、人生を輝かせる。「くゆら織」が教えてくれた、生きるということ。

 そんな高須さんがライフワークとしている表現活動が「くゆら織」。「『くゆる』は、香りが心地よい調和感を生み出すという意味。そんな調和を織物で表現したいと思ったんです。織りこむのは、桜の枝やガラス、金属、ビニール、植物糸、新聞紙、赤ちゃんの頃の着物、江戸時代の古布、オートクチュールのドレス糸と、とにかく自由。四季の移ろいや私自身の心の移ろい、それを想いのままに織りこんでいます」。繊細で大胆、時には胸を締めつけられるような儚さも感じる織。既成概念にとらわれない作風は人を引き付け、海外でも受賞を重ねています。

 魅力のひとつは、普通は見せない経糸を敢えて見せていること。「織物は経糸と緯糸の交差で成り立ちますが、表に色として見えるのは緯糸の存在だけ。私はこの見えない経糸こそ大事にしたい。輝いている人が、実は陰で凄まじい努力や忍耐をしたり、裏で支えてくれる人がいるから自分の幸せがあったり。見える部分と見えない部分が日々織りなされて人生になる。織って、生きることそのものだなと」。カラフルでハーモニックな作品は、ジャンルを超えて毎日を全うする高須さんの生き方に通じます。

 最近では、QOL(クオリティオブライフ)活動としてサロンセミナー「くゆら倶楽部」を開催。日本人の美意識や季節感を大切にし、色や香り、食、美容健康、五感の癒し、花、トレンドな体験や製作を通しセンスアップや自身の魅力の再発見をします。高須さんは癒やしのスペシャリスト、作家としてこれからも心地いい空間を創り出します。

(2021年1月 更新)

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専門家プロフィール

高須佳美

色と香り・癒やしのコーディネートのプロ

高須佳美プロ

カラーコーディネーター

色と香りの総合企画 オフィスアルモニ

カラーコーディネーターとして講演セミナー、景観色彩アドバイザー、イメージコンサルタント。アロマセラピストとして南仏で調香を学び香りの商品開発。五感の癒しのスペシャリスト。くゆら織士。

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