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高速・高精度なAI議事録作成で、会議を次のステージへ

AI音声認識技術を軸に新しい働き方の仕組みをつくるエンジニア

相川直視

相川直視 あいかわなおよし
相川直視 あいかわなおよし

#chapter1

日本語に特化した高速・高精度の文字起こし・議事録作成ツールを独自開発

 DX化の進展に伴い、デジタル技術を活用して会議を効率化したいという企業は増えています。「Rimo」代表で、エンジニアの相川直視さんは、自社開発のAI議事録サービス「Rimo Voice」を通じて、このニーズに応えています。

 「Rimo Voice」は、日本語に特化したAIエンジンを搭載し、1時間の音声データを約5分で文字化する高速・高精度が特徴です。また、Zoomなどオンライン会議アプリとの連携や、話者分離、共同編集など、使いやすい機能が充実。さらに、ISO/IEC27001とISO/IEC27017を取得し、高いセキュリティーも備えています。

 現在、大手企業を中心に、約17万のアカウント利用があります。
 「機密性が高い経営会議で使っているとお聞きするとうれしいですね。記録係はメモをとることに集中しがちですが、AIに任せることで議論に参加でき、会議時間の生産性が高まります」

 強みは、常に先端技術を取り入れ、アップデートし続けている点です。2024年10月に、アメリカのアンソロピック社による先端AI「Claude 3.5 Sonnet(new)」に対応。翌月には「Rimo議事録Bot」として、オンライン会議にBot(ロボットの略)が参加し、録画や議事録作成、文書管理を自動化できる機能を追加しました。
 「私を含めエンジニアが迅速に対応できる体制があります。『Claude 3.5 Sonnet』についても、社内検証で高い性能が確認できたため、アンソロピック社のリリース当日に実装しました。お客さまは弊社のサービスを使うだけで世界の先端技術を活用できます」

#chapter2

音声認識技術に特化し、「はたらくを未来に」する仕組みづくりを

 相川さんは、大学で、人の話し言葉や書き言葉をコンピューターが解析・生成する自然言語処理(NLP)や情報検索などを研究。卒業後Googleに入社し、検索システムやNLPの開発に携わりました。その後、採用プラットフォームを展開するウォンテッドリーに4人目のメンバーとして参画。名刺管理アプリの開発責任者を務め、上場も経験しました。

 転機は、コロナ禍でリモートワークが普及したことでした。
 「リモートワークが推進される中、課題の一つとなるのが 会議やミーティングではないかと考え、議事録作成の負担軽減に着目しました」

 2019年に「Rimo」を創業。当初は、相川さん一人で開発に着手し、オフィスもなく全メンバーが副業としてプロジェクトに参加。翌年「Rimo Voice」をリリースしました。
 「開発時は、手間のかかるインタビュー音声の文字起こしなど、ライティングでの活用を想定していました。最初は、個人のライターのお客さまが中心で、新聞記者の両親にも実際に使ってもらいました。そこから徐々に法人のお客さまが増えてきました」

 企業理念として掲げるのは、「はたらくを未来に」です。
 「エンジニアとして、技術を通して社会に変化を起こせたらいいなという思いがあります。仕事をしている時間は、人生でとても長いですよね。会議をはじめ、社内のコミュニケーションの領域を軸に、時代の変化に合わせた新しい働き方に取り組む企業の成長に貢献できる仕組みをつくっていきたいですね」と力を込めます。

相川直視 あいかわなおよし

#chapter3

インタビューの自動化や対話型など、構想中の新サービスも

 相川さんは、今後もさまざまなサービスを構想中です。その一つが、2024年からアメリカで提供しているAI自動記事生成ツール「Rimo」を日本語に応用した、AI音声インタビュアー「Rimo Interviewer」の国内展開の計画です。

 「Rimo Interviewer」は、目的や対象者を入力すると、質問の構成案を提案し、インタビューや記事作成を実行します。
 「海外版は執筆に役立つツールとして提供していますが、一次面接やユーザー調査、また営業練習としてのロールプレイングなど幅広く活用できます。今後はテキストを音声に変換する音声合成を用いた対話型システムにも力を入れていきます」

 主軸のAI議事録サービスでも、効率化の次のステップとして、Botによる会議のアシストや、議事録を人事評価に取り入れるなど、さらなる研究開発に取り組む考えです。
 「AIが過去の会議データをふまえて、新たな議題や議論を深める視点などをリアルタイムに音声で示すことも技術的に可能です。また、議事録から個々の発言を分析し、AIによる公平な評価を実現するようなアイデアも前々から温めています。会議の質を向上し、企業の成長戦略に役立つ場づくりをお手伝いしたいですね」

 「AIを活用してやってみたいことがあれば、カスタマイズや新たな開発も可能です。ぜひ気軽に相談いただきたいですね」と話す相川さん。進化を続けるサービスを通じて、企業の生産性向上につながる新たな働き方の可能性を広げます。

(取材年月:2024年12月)

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相川直視

AI音声認識技術を軸に新しい働き方の仕組みをつくるエンジニア

相川直視プロ

AI音声認識技術エンジニア

Rimo合同会社

日本語に特化した高速・高精度のAI議事録サービス「Rimo Voice」により、会議の効率化や生産性向上をサポート。音声認識に特化した技術体制により、先端技術を取り入れたアップデートや機能開発に注力。

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