出張買い取りと金の相場に詳しい査定の専門家可知見聞

出張買い取りと金の相場に詳しい査定の専門家

可知見聞

暮らしを軽くし、使われなくなった品の活躍を次へつなぐ出張買い取りサービス

　東京都内では、引っ越しやリモートワークの普及などにより生活環境が変化し、使われなくなる品物が増えています。一方で、不要となった物の中には、引き続き活用できる品も多くあります。その価値を見直し、次につなげる動きが広がっています。

　銀座に営業所を置く「マンクンカンクン」は、そうした品物を必要とする人に届けるため、全国で出張買い取りを行っています。冷蔵庫や洗濯機などの家電製品、ソファやベッドなどの家具、古着、古本、骨董品、さらにピアノのような重量物まで幅広く対象とし、査定・出張費は無料です。支払いは現金で行うため、その場で整理を進めたいという人にも利用されています。
　
　代表の可知見聞さんは、「品物には、所有されてきた時間や思いがあります。そのため、搬出の際は扱いに注意し、お客さまの状況に配慮しながら作業しています」と話します。搬出後には簡易的な清掃にも対応し、買い取った品はリユースできる形で適切な流通先へつないでいます。

　査定対象には、指輪やネックレスなどの貴金属も含まれます。とりわけ金については、約10年にわたり相場を見続けてきた経験があり、価格変動が大きい品も丁寧に評価。「買い取った金の延べ棒の価値が短期間で上がり、驚いたこともあります」と振り返り、日々の相場を確認しながら納得感のある査定を心掛けています。

　「東京だけでなく、店舗が少ない地域や離島からのご依頼にも対応しています。売却を見送られた場合でも費用は発生しませんので、整理や片付けに迷われた際には、まずは査定だけでもご相談いただければと思います」

18歳でプロデビュー、26歳で出張買い取り業へ。独立し事業を拡大

　可知さんは1990年、東京都練馬区の出身。幼い頃は野球に親しみ、中学生になるとキックボクシングや総合格闘技へと興味を広げました。その努力が実を結び、18歳でプロとしてデビュー。23歳まで試合に臨み続けました。

　「勝ち負けがつく競技だからこそ、粘り強さと集中力が必要でした。その経験は今の仕事でも、品物の価値を見極めたり、搬出作業を安全に行ったりするうえで生かされています」

　引退後は26歳で出張買い取りを扱う企業に就職。実務を学び、現場での対応力を磨いていきました。2017年には独立し、地元練馬区を中心に事業を開始。「地域の皆さまから少しずつ声を掛けていただき、ブランド品をはじめとした大切な品をお預かりする機会が増えていきました」と可知さんは振り返ります。

　2020年5月には屋号を「買取MAX」に変更。コロナ禍により在宅時間が増えたことで、住まいを見直す人が増え、時計やアクセサリー、バッグなど、幅広い依頼が寄せられました。そして2022年には、当時交際していた女性の転勤を機に、新潟県の佐渡へ拠点を広げる決断をします。

　「ご近所のご高齢のご夫婦から『ピアノを引き取ってほしい』という依頼をいただきました。離島では搬出や輸送にかかる負担が大きいため、当方を頼ってくださったのだと思います」

　ほどなくして法人化を果たし、「マンクンカンクン」を設立。新たなスタートを切りました。
　「社名は、実家で飼っていた猫の名前なんです。印象に残りやすく、お客さまにも覚えていただきやすいとお声を頂戴しています」

全国対応の体制構築と、地域を支える仕組みづくり

　可知さんが一人で立ち上げた事業は、現在ではおよそ50人のスタッフを抱える規模へと成長。さらに、全国で出張買い取りの体制を整えるため「新日本リサイクル評議会」を組織し、ネットワークの拡充を進めています。

　「離島や地方では高齢化が進んでおり、大型家電や家具の処分が負担になることもあります。どこへでも伺える体制を整え、困りごとに寄り添いたいですね」と可知さん。事業では、引っ越しや生前・遺品整理もサポート。不用品を買い取り、必要とする人へと届けることで、資源が循環していく仕組みを構築しています。

　また、各地に拠点を設けることで地域の雇用にも貢献。スポーツ経験者を中心に、体力と意欲のある人材を積極的に迎え入れており、新卒採用も推進。若い世代が活躍できる環境づくりを進めています。また、売上の一部を児童養護施設へ寄付するなど、社会とのつながりを意識した活動も継続しています。

　「以前、厳しい環境で働き、行き場を失っていた若い方を採用したことがあります。その方が施設で育ったと知り、親元を離れて暮らす子どもたちへ、少しでも力になりたいと思うようになりました」

　そんな可知さんは、事業を通じて地域社会に貢献していきたいと語ります。
　「物に囲まれて窮屈に過ごすのではなく、空間を整えて気持ちよく暮らしていただきたい。捨てるのではなくリユースという選択肢を提案することで、心にも余白が生まれればと思っています」

（取材年月：2025年11月）

暮らしの変化で不用となったものを丁寧に取り扱い、全国対応の出張買い取りで新たな持ち主へ

暮らしを軽くし、使われなくなった品の活躍を次へつなぐ出張買い取りサービス

18歳でプロデビュー、26歳で出張買い取り業へ。独立し事業を拡大

全国対応の体制構築と、地域を支える仕組みづくり

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