マーケティング施策の仕組み化を得意とするコンサルタント荒井和也

マーケティング施策の仕組み化を得意とするコンサルタント

荒井和也

7つのプロセスで集客活動を支援。成果を左右するのは「ストーリーの設定」

　中小企業のマーケティング施策を仕組み化し、経営者が手間をかけないよう支援する「Essential Value（エッセンシャルバリュー）」の代表・荒井和也さん。これまで300社以上を支援し、成功や成長を実現してきました。社名には『本質的な価値を創造する』という思いが込められています。

　「コンサルティング・マーケティング・クリエイティブの3事業を展開し、課題を見極めて解決の方向性を定め、商品やサービスが売れる仕掛けを設計し、その実行に必要な制作物まで担う、こうした一連の業務をワンストップで提供できるのが当社の強みです」

　顧客に共通する悩みは「販促の知見を共有したいがマニュアルも時間も無い」「社長がプロモーションに追われ経営に集中できない」「お客さんに安いからで選ばれてしまう」など。そこで荒井さんは「理念策定」「ブランディング」「商品開発」「セールス」「集客」「広告」「リピート対策」という7つのプロセスを一気通貫で推進する手法を提供しています。

　「特に重視しているのは、商品やサービスのオリジナルストーリーを設定することです。理念を明確にしなければ施策は表面的になり、成果も継続性も望めません。だからこそ私は理念の策定から携わり、さらに理念を理解した上でクリエイティブまで手掛けることで、戦略と実行がぶれることなく進められると評価いただいています」

　これまでに「WEB制作会社の年商が約8倍になった」「リフォーム会社のWEB経由の売上が10倍になった」といった実績も。また、自身のノウハウを共有する講演活動にも積極的に取り組んでいます。

ネットとリアルのマーケティングを経験。多様な手法を体系化し独立へ

　荒井さんは高校時代にボクシングを始めます。当初は同部のある高校を志望したものの、学力が足りず担任から進路の変更を勧められますが、奮起して勉強に励み推薦枠を得ます。

　「毎日、電車で1時間以上かけて通学しました。大学でもボクシングを続け、ストイックさや上下関係の大切さを学びました。バイクの免許を取得してツーリングも楽しんでおり、卒業後は愛用していたエンジンオイルを扱う会社に就職したんです」

　ルートセールスに従事しながら新規に約90社を開拓。やがて「商圏にとらわれず自分の力を試したい」と、ホームページの制作会社に転職します。

　「当時はまだ自社サイトを持つ企業が少なく、私の営業力で売り込むのにチャンスだと考えました。順調に案件を増やす一方、制作陣の組織化が追いつかず反響を出せずに苦心しました。この経験から『ホームページは作るものではなく使うもの』と意識が変わり、WEBマーケティング会社へ進むきっかけとなりました」

　その後2010年には広告代理店に移り、鉄道会社のウォーキングイベントや企画乗車券を担当。ネットとリアルのマーケティングを経験したことが、現在の仕事の基盤となっています。

　「多様な手法を体系的に組むことで、商品やサービスが売り込まなくても選ばれていく感覚をつかみました。2014年に独立してWEB広告の運用を代行すると、同じような商材、訴求内容、企業規模にもかかわらず、お客さまの反響に差があることに気付きました。分析するとやはりストーリーの有無が成果を分けていました。だからこそ、私は理念の策定に強くこだわっています」

顧客の強みに気付かせることが醍醐味。神社参拝を通じ事業も「異なるがゆえに事成る」の精神で

　荒井さんが仕事に大きなやりがいを感じるのは、顧客が自らの強みに気付き、再びその価値を認識する瞬間を見届けること。「なぜこの魅力をアピールしないのですか」「自分たちには当たり前なので強みになるとは思わなかった」といった対話を重ねるなかで、新しい気付きが生まれ、成果へと結び付いていく、その過程こそが冥利に尽きると語ります。

　「デジタルに苦手意識を持つお客さまがWEBマーケティングの面白さに目覚め、手作業を自動化して属人化から脱却していく姿を見るのも、とてもうれしいですね。担当した整体院ではブランディングを支援し、3年にわたり新規の患者数を目標以上に伸ばしました。商業書籍の添削にも関わり、10冊を超える出版を実現。知名度の向上に貢献しました」

　今後の目標は自社の規模を拡大し、雇用を創出すること。そして、経営方針にも通じるライフワークとして、神社参拝を続けていきたいと話します。

　「これまでに各地域で最も社格が高いとされる一宮神社を中心に、180社以上を巡ってきました。古神道に触れる機会も多く、中でも『部分と全体は同じ』という概念を気に入っています。ビジネスでも互いの違いを認め、得意分野を生かして足りない部分を補い合う『異なるがゆえに事成る』という価値観が大切だと思います。お客さまと共に成長しながら、未来に向けて大きな“和”を築いていくことが私の理想です」

（取材年月：2025年8月）

社長が経営に集中できるようマーケティングを仕組み化。理念策定から携わる姿勢が信条

7つのプロセスで集客活動を支援。成果を左右するのは「ストーリーの設定」

ネットとリアルのマーケティングを経験。多様な手法を体系化し独立へ

顧客の強みに気付かせることが醍醐味。神社参拝を通じ事業も「異なるがゆえに事成る」の精神で

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