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イルミネーションやライトアップはドラマを生む。ゼロからの提案、具現化もお任せを

イルミネーションやライトアップで光を操る照明コンサルタント

兼子慎平

兼子慎平 かねこしんぺい
兼子慎平 かねこしんぺい

#chapter1

光や音、映像などを組み合わせ、感動や驚きにあふれた特別な体験を創造

 光と影を織りなし、空間に多彩な表情を生み出すのは「ラセンス」の代表で、照明コンサルタントの兼子慎平さん。東京都の区立新宿中央公園や、長野県にある国営アルプスあづみの公園のイルミネーションを手掛けるほか、駅や橋、商業施設、ホテルなど各地のランドマークを彩っています。

 「人々を楽しませたい、感動させたい、驚かせたいといったお客さまの要望に基づき、屋内外を問わず照明による演出を施します。特に光の色、強弱、動きなどを制御するシステムの構築を得意とし、音楽や映像と組み合わせることも可能です」

 近年はイルミネーションやライトアップの会場にQRコードのパネルを設置し、来場者がスマートフォンで読み込んでライティングを操作する参加型の仕掛けも人気とか。二人でボタンを同時に押すとハートの輝きで相性占いがでるもの、人が通過したり、手をたたいたりすると変化が起こるなどサプライズも用意できます。

 「お客さまからは『テーマが定まらずアイデアが欲しい』『企画は決まったけれど実現可能か』『エリア内を回遊させたい』など、さまざま相談を受けます。『周りの自然と調和させて幻想的に』『建物の規模に合わせて壮大に』といった、漠然としたコンセプトからでも遠慮なくお問い合わせください。お客さまの世界観を具現化いたします」

 あくまでもその土地や空間について深く知っているのはクライアントであり、意見を尊重した上で「自分たちに何ができるか」を考える兼子さん。スモーク・花火マシン、レーザー、噴水・シャボン玉なども駆使して特別な体験を創造します。

#chapter2

照明との出合いは大学の演劇サークル。光の効果や役割の奥深さを知り本業に

 兼子さんが照明に出合ったのは大学生の頃。所属していた演劇サークルで舞台照明を担当したことがきっかけです。

 「先輩だけでなく学外のプロにも登場人物の照らし方や場面ごとの演出方法を教わり、光の効果や役割を知って奥深さにはまりました。当時は“演劇論”を熱く語る仲間と毎日のように飲み歩き、濃密な時間を過ごしていましたね」

 大学卒業後は大手広告代理店に入社。法人営業として主に企業のPR活動に従事します。

 「業界の華やかさに引かれて就職しました。当初は新人研修や雑用が中心でしたが、銀行の新しいサービスを周知する各種媒体の制作にも携わりました。社内調整や映像制作会社との連絡役を任され、『広告の世界で働いている』と実感できました」

 しかし学生時代の“熱狂”が忘れられず、間もなく照明のフリーランスとして独立。国内有数のテーマパークで電飾工事に関わったり、電気設備会社の協力を得て茨城県の名勝「袋田の滝」の洞窟をライトアップしたり頭角を現します。さらに都内の短大に招かれ、非常勤講師として舞台照明の歴史やトレンドを教えるなど多方面で活躍するように。

 「照明の仕事は皆さんが私の目の前で喜んだり、驚いたり、ダイレクトに反応を得られるのが醍醐味ですね。また、どんなに詳細なデザイン案を作成しても最初はなかなか仕上がりをイメージできませんが、お客さまの思い通りに、あるいは想像以上に完成した時の達成感がモチベーションにつながっています」

兼子慎平 かねこしんぺい

#chapter3

空間を照らし、にぎわいを呼ぶ光の力で町おこしや村おこしもサポート

 新宿中央公園のイルミネーションは4年連続、国営アルプスあづみの公園は10年連続で引き受けるなど、実績が評価されて継続的な依頼も増加。翌日の天気を照明の色で伝える石垣島のサザンゲートブリッジの演出や、韓国国内で2番目に長いつり橋のライトアップ演出をするなど仕事の幅を広げています。

 「例えば公園は、親子連れのみならず、おじいさんやおばあさんとお孫さんの来園も多いです。普段は離れて暮らす家族が、光を眺めながら『来年もまた来ようね』なんて言葉を交わしている姿を見かけると胸が熱くなります」

 国営アルプスあづみの公園は10年も担当していることから「ロマンチックな雰囲気の中でプロポーズに成功しました。今では子どもも生まれ、一緒に楽しんでいます」といったエピソードを聞くことも。

 「イルミネーションやライトアップは何万人もの方が目にします。光の中で数々のドラマが生まれるのは感慨深く、人生のワンシーンを演出する私どもの思いを共有できる仲間が加わってくれたらうれしいです。少数精鋭体制で、舞台照明などの業務も任せたいですね」

 今後の目標は「より広大なスペースを照らすこと」。仕事のスケール感を味わうことでやりがいも高まるため、土地活用に悩む自治体の村おこしや町おこしもサポートしていきたいと考えています。

 「課題解決力は高いと自負しています。暗い広場を明るくする、さみしい駅前をにぎやかにするなど照明が力になれることも多々あるので、ぜひ一緒にチャレンジしましょう」

(取材年月:2024年7月)

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専門家プロフィール

兼子慎平

イルミネーションやライトアップで光を操る照明コンサルタント

兼子慎平プロ

照明コンサルタント

株式会社ラセンス

公園等のさまざまな公共施設の他、国内外のランドマークや商業施設のイルミネーションなどを手掛ける。明るく照らすだけでなく、色や動きを制御し、映像や音などと組み合わせられるのが強み。

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