顧客とともに、経営力・組織力を高める行政書士
小和田康文
Mybestpro Interview
顧客とともに、経営力・組織力を高める行政書士
小和田康文
#chapter1
法律に基づく書類作成や手続きの代行、相談対応などを通して、個人・法人の両面で支援を行っている行政書士の小和田康文さん。個人を対象とした「ライフパートナー行政書士事務所」と法人向けの「こわだコンサルティング事務所」を運営し、近年は活躍の場を北海道から故郷・東京都町田市に移して、法人支援に注力しています。
「法律の専門知識に加え、会社員時代に人事・総務・経理の実務に携わった経験から、総合的かつ現実的なサポートが可能です。また内閣府で公益法人の審査に携わった他、衆議院選挙への立候補、NPO法人の理事就任など、多様な経験を重ねてきました。現在は複数の中小企業で理事や顧問として活動し、今後は関東圏を中心に、より多くの企業と関わっていけたらと思っています」
札幌では薬局経営会社の取締役を務め、新規の飲食店立ち上げにも参画。IPO(新規上場)の支援や、有価証券報告書・決算書などの外部開示資料の作成も得意としています。
「行政書士として、役所提出用の書類作成はもちろん、法科大学院で学んだ知見を生かし、企業のコンプライアンスや内部統制の整備にも対応できます。経営者が従業員に伝えづらい改善点も代弁するので、“社長の右腕”としてぜひ頼りにしていただきたいですね。人事・法務の専門人材が不足する企業も多く見受けられますが、外部専門家に相談することで、健全な経営体制の維持につながるのではないでしょうか」
#chapter2
小和田さんは町田市立の小学校と中学校を経て立教大学経済学部経営学科に進学。大学卒業後は橋梁や水門などの社会インフラを設計・建設する会社に入り、人事や経理といったバックオフィス業務を中心に担当します。
「約10年間勤務するなかで、労災に遭った従業員のご家族と会社との間に立ち、調整役として難しい立場に置かれたことがありました。その時から企業と人権の在り方を強く意識するようになり、思い切って退職して弁護士を志すことにしました。千葉大学大学院の専門法務研究科に進み、法務を学びましたが、司法試験には残念ながら合格できませんでした。ただ、労働法やジェンダーに関する知識を深めることができました」
その後、すでに取得していた行政書士の資格を生かし、内閣府で公益認定等委員会事務局の審査監督調査官に。主に公益法人の財務や人事体制の分析などに携わり、現在のコンサル業務の基盤を築くことになりました。
2012年には北海道3区で衆院選に出馬。議席獲得には至りませんでしたが、「やり直しができる社会の実現」を訴える中で、人との信頼関係を築くには誠実さが何よりも重要だと実感したと語ります。
「選挙に複数回挑戦した経験から得た粘り強さも、自分の特徴だと感じています。その後は北海道でライフパートナー行政書士事務所とこわだコンサルティング事務所を設立し、母の介護を機に2023年に町田に戻ってきました。これまで十分に親孝行ができなかったので、今後は彼女の支えになるのも大切な目標です」
#chapter3
小和田さんが仕事に生きがいを感じるのは、自らの貢献が顧客の経営力の強化につながったと実感できた時。そして、企業ごとに状況が異なり、従業員とも一期一会の関係性にある中で、偶然の出会いを経て一緒に「より良い姿」を目指せることも、事業コンサルティングならではの魅力だと話します。
「ある若手社長が病気を患い、お母さまが後を継いだケースもありました。会計や体制づくりに関する助言を続けながら精神的な支えにもなり、社内の混乱を防いで深く感謝されたことが心に残っています。私は人付き合いが好きで、年上の経営者からも、社会人になりたてのスタートアップ代表からも悩みを伺い伴走支援しています。“真面目を絵に描いたような男”と言われることもありますが、堅実な姿勢として評価いただけているのなら光栄です」
経営者の孤独感を和らげ、従業員も一丸になった組織を世に送り出すことを自身の使命とする小和田さん。同時に、コンプライアンス遵守の時代を迎えた今、社長やメンバーのたった一つの言動が企業活動に影響を及ぼす可能性もあるとし、注意を促します。
「人手不足や業績不振を理由にバックヤード業務に注力できない現状も分かりますが、放置すれば会社の持続的な成長が難しくなるでしょう。なお、2026年1月からは行政書士法が改正され、私たち有資格者にサポートできる範囲が明確化される予定です。皆さまとの縁がますます広がっていくのを楽しみにしています」
(取材年月:2025年7月)
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Profile
顧客とともに、経営力・組織力を高める行政書士
小和田康文プロ
行政書士
ライフパートナー行政書士事務所 こわだコンサルティング事務所
行政書士としての法的な知見に加え、企業における人事や経理の実務経験を生かした事業コンサルティングが特長。内閣府での審査業務や衆院選への出馬など多彩な経歴を持ち、経営課題を解決に導く
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