廃棄物処理費の削減と環境経営を支援する熱分解処理装置の専門家
藤田悦雄
Mybestpro Interview
廃棄物処理費の削減と環境経営を支援する熱分解処理装置の専門家
藤田悦雄
#chapter1
「廃棄物の処分でかかるコストを抑えたい、焼却で発生する二酸化炭素を減らしたいとお考えであれば、当方にご相談ください」と話すのは、「ジャパンイノベーションズ」の代表・藤田悦雄さん。省エネルギー関連の機器を取り扱い、熱分解装置「RETEC-X」の普及に力を入れています。
「利点は、燃やすのではなく、装置内の熱源のみを利用して、食品残渣や家畜の排せつ物、木材、プラスチック類、紙類などの有機物を最大300分の1に減容できること。化石燃料を使用しない自燃運転なので、人体に影響を及ぼすダイオキシンのような、有害物質の排出も基準値以下に抑制できます」
軽トラック程度の大きさで、医療・研究機関、製造・食品工場、船舶・基地、自治体など自社処理を要する施設、離島・遠隔地といった輸送困難地域で設置可能。藤田さんのもとでは、運用を効率化するシステムもセットで提供しています。
「ゴミの投入量や稼働状況を自動で記録し、パソコン・スマートフォンで遠隔監視できるので、特定の担当者の勘に頼らずとも運用できます。導入によって誰かが現場当番になり、過度な負担を強いたり、本来の業務を圧迫したりするようでは本末転倒ですから」
「RETEC-X」は処理物の内容により、農業用肥料や土壌改良剤、断熱材にリサイクルできるセラミック灰に変換できるのも特徴。環境経営の推進にも寄与できると提言します。
「システムに蓄積されるデータは、CO2削減量のエビデンスとなります。転記や集計の手間を省き、客観的な数値を算出することで、環境保全に向けた取り組みに透明性を持たせることができます」
#chapter2
藤田さんは1960年に母親の実家がある福島県須賀川市で生まれ、東京都港区で育ちました。大学卒業後は芸能プロダクションに所属し、芸能人の付き人を経験。牛乳販売店の長男として家業も切り盛りした後、ハード・ソフトウエアといったコンピューターの開発会社や食品加工業者などで営業職として従事。顧客や市場のニーズに合わせた提案力を養いました。
「独立したのは2010年、50歳のときです。当時、浄水器などを手掛ける企業に勤務し、水質改善事業部の部長を務めていました。事業を統括する知見も蓄え、勤め先の製品と省エネ関連機器を販売する会社として『ジャパンイノベーションズ』を立ち上げました」
常に新しい価値を創造する決意を社名に込め、起業。志をもってスタートを切りますが、消費エネルギーを節約し、環境に配慮する意識が薄い時期で、苦労も多かったと振り返ります。
「商談で伺っても『省エネに興味がない』『必要性を感じられない』と、にべもなく対応される日もありましたが、地道に活動しました。環境問題への関心が世界的に高まるにつれ、徐々に依頼が舞い込むようになりました」
手応えを得た藤田さんは、2023年から「RETEC-X」を扱うように。地球温暖化の要因となる温室効果ガスと、燃料費を低減できることに意義を見いだします。
「メーカー側に私どもの要望を細かく伝え、製品に反映してもらっています。コンパクトで、スイッチひとつで稼働する利便性などを享受してほしいですね」
#chapter3
大手コンビニチェーンから大ロットで注文が入るなど、藤田さんは、着実に熱分解装置の有用性が広がっていることを実感。求められる分野は広く、2027年には、南極観測の昭和基地へ納入も。物資・燃料などの補給が夏場の1回に限られる状況下で、ゴミを焼却することなく処分し、環境負荷を軽減する対策として採用されます。
「各方面から引き合いがありますが、現状の課題は製造コストです。廃棄物の処理費用を節減できるとはいえ、装置の導入には相応の金額が必要で、初期投資額を見て導入に二の足を踏む企業も少なくありません。日本のものづくりの技を生かした『メード・イン・ジャパン』を強みにしながら、海外生産も視野に入れています」
ノウハウを共有することで完成度を確保することを構想。候補の一つがスリランカだと言います。
「島国で親日的な国民性があり、日本人と考え方が似ていると感じます。日本の大手耕運機メーカーの製造拠点があるなど、技術面の高さも期待しています」
地球にやさしい持続可能な仕組みを目指す藤田さんは、資源を再利用して循環させるアップサイクルを提唱。セラミック灰を活用するほか、一部のテーマパークでは、廃棄物から作った洗浄剤で設備を清掃する試みが始まっています。
「富士山の山小屋で生じているゴミの下山運搬など、私たちが力になれる現場はたくさんあります。一つ一つの課題に向き合い、解決に導くことが、私なりの社会貢献だと思っています」
(取材年月:2026年3月)
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Profile
廃棄物処理費の削減と環境経営を支援する熱分解処理装置の専門家
藤田悦雄プロ
省エネルギー機器販売業
株式会社ジャパンイノベーションズ
熱分解処理装置「RETEC-X」は、燃料不要の自燃運転で有機物を最大300分の1に減容。廃棄物処理費用の削減や二酸化炭素の排出抑制に寄与します。処理後のセラミック灰は土壌改良剤や洗浄剤へ再利用可能。
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