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50代、60代の起業・独立支援により年齢にとらわれないエイジレス社会を目指す

50歳以上の起業・独立支援を行うブランディングアドバイザー

河本扶美子

個人事業主・中小企業経営者のためのブランディングアドバイザー 河本扶美子さん
河本扶美子さん ブランディングセミナー

#chapter1

雇われるのではなく、自らを資本にした働き方を選ぶ人が増加傾向に

 「日本では少子高齢化が進み、近い将来、総人口を占める50歳以上の割合が半数を超えると言われています。つまり、2人に1人が50歳以上ということです。若年層の労働力が減少するいま、50代、60代は社会や経済を支える人材として期待されています。実際に働く意欲のある人が多く、60代後半の半分近くが仕事に就いています。70代では約3割、80代でも1割です。まさに生涯現役社会の到来です」

 そう話すのは、起業・独立サポートやパラレルキャリア支援などを手がける「ファーストブランド」の代表・河本扶美子さん。

 独立開業を目指す人の相談に応じるほか、個人事業主・中小企業経営者に向けてWebを活用したブランディングや顧客開拓のマーケティングのコンサルティングを行っています。

 「この30年で、60歳以上の起業家は約5倍、50代の起業希望者は約2倍に増えています。再就職したり雇用延長を申し出たり、会社勤めを延長するのではなく、自分で事業を立ち上げた人、そして独立を視野に入れている人が多いということです」

 実務で得た知見をもとに講師になる、技術を生かして工房を作る、資格を取って専門家になる、趣味の教室を開くなど。いずれも、現実味のないことのように感じるかもしれませんが、「決して特別なことではない」と河本さんは言います。

 「私は、これまでたくさんの起業家にお会いしてきました。ビジネスの内容は多岐にわたり、さまざまなサービスが生まれています。これからは、組織にこだわることなく、自分を資本にして働く『個の時代』になると思います」

#chapter2

50歳以上を対象にしたプロジェクト「プロ50+(プロフィフティプラス)」を発足

 一人で会社を興し、現在は経営者として、またブランディングアドバイザーとして活動する河本さんが事業運営の指針を教えてくれました。

 「私は30代で起業しましたが、当時はやりたいことを理解してもらえずつらい思いをしました。でも、銀行や外資系航空会社に勤めていたころ、ひるむことなく自らをアピールし、キャリアアップを果たす同僚の姿から、自分をブランド化することの重要性を痛感していました。その後もあきらめずに自分の意志と姿勢を貫いた結果、今の私があります。過去の経験から、自己・自社の価値を創造・発信するブランディングは事業の要になると考えます」と河本さん。

 自分の能力やスキルを整理して得意分野を明らかにし、強みとして打ち出すことで顧客に求められる存在になる。これらブランディングの手法を用い起業・独立支援を行うなか、中高年の就労問題に着目。2017年から、50歳以上のためのプロジェクトも発足させています。

 「年齢にとらわれることなく、自由にキャリアを構築する『エイジレス社会』の実現を目的としています。『自分らしく働く』という道を選び、自分のペースで歩みを進めるみなさんを応援するための企画です」と河本さん。

 「対象はいわゆる『シニア世代』です。でも、この言葉がしっくりこないんです。50代で一線を退く人は少ないし、60代に入っても老後という感覚はありません。人生が100年あるのであれば50歳は道半ば。ひとつのターニングポイントとしてさらに飛躍してほしい。そんな思いで『プロ50+(プロフィフティプラス)』と命名しました」と笑顔を見せます。

河本扶美子さん ブランディングセミナー

#chapter3

仕事の実績だけでなく、人生そのものの経験値を生かせるのが50歳からの起業」

 「プロ50+」では定年前、定年を迎えた人の起業・独立をサポートするべくコンサルティングを実施。まず人生の棚卸しからスタートすると言います。

 「面談では、プライベートについてもお伺いします。50代、60代ともなれば、職能に加え、これまで、そしてこれからの生き方を踏まえた上で事業の方向性を考える必要があるからです。なお、起業を実現するのは、絵に描いたような成功事例や輝かしい経歴だけではありません。失敗談や苦労話に共感する人が集まったり、巻き返しを図る過程で学んだことがビジネスのヒントになったりします」

 50代、60代、そして70代は仕事、そして生きることそのものの経験値が豊富です。「達成感も挫折感も味わった今だからこそ、できることがある」と河本さん。

 ヒアリングを通じて事業のテーマやターゲットを策定し、顧客にアピールするためのプロフィール作成をアドバイスしたり、Webなどを通じた情報発信のノウハウをレクチャーするほか、講師業を目指す人のためのセミナー講師養成講座も用意しています。

 「私どもの取り組みに賛同してくださる企業や自治体が増え、講演などに登壇する機会が多くなりました。近年は行政による創業相談の窓口も開設され、協力させていただく場も広がっています」

 知識や技術、そして人間性が強みになる「50歳からの起業」で、新たなキャリアを開拓してみませんか?

(取材年月:2020年2月)

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専門家プロフィール

河本扶美子

50歳以上の起業・独立支援を行うブランディングアドバイザー

河本扶美子プロ

経営コンサルタント

株式会社ファーストブランド

2人に1人は50歳以上の日本。より多くの人に年齢や定年という枠に囚われず自律したキャリアを目指してほしい。10年間多くの50代以上の創業に携わったノウハウをベースに50歳以上の起業のお手伝いをします。

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