相続で人の心と未来をつなぐサービスマインドの行政書士山口里美

相続で人の心と未来をつなぐサービスマインドの行政書士

山口里美

全国各地で法務サービスを提供　相続、法人設立、許認可、在留手続きなどに対応

　行政書士が取り扱う業務は多岐にわたり、官公署へ提出する書類の作成や申請代行で、私たちの暮らしやビジネスをサポートしています。山口里美さんが代表を務める「行政書士法人みらいリレーション」は「人と人とをつなぐ」「事業を次世代につなぐ」「外国の方と日本をつなぐ」をコンセプトに相続・認知症対策、相続発生後の各種手続き、法人関連業務、許認可申請、外国籍の人の在留・帰化申請の5つの領域に特化し、全国ネットでリーガルサービスを提供しています。

　同法人は、東京駅から徒歩3分の立地にあり、大阪、名古屋、岡山、福岡に拠点を構えています。その上、さらに多くの地域の関連士業事務所などと連携体制を構築しており、全国の案件に対応しています。Web相談が好評で、最近は相続の相談をオンラインで行う顧客も多いそうです。

　山口さんには、司法書士として28年、法人化して25年、行政書士として22年の実績があり、これまで数多くの相続相談を受任してきました。その山口さんが率いる同法人は、企業からの信頼も厚く、相続関連業務では、金融機関や不動産メーカー、保険会社といった企業との取引実績も豊富です。

　一方、法人関連業務では、会社の設立、清算から助成金・補助金の申請などもサポート。許認可申請では、建設業・宅建業・医療法人が得意分野だそうです。数年前からニューヨーク在住のシニア層に向けてのセミナー講師を担当していて、「海外から日本へ戻って来る人の架け橋にもなりたい」と山口さんは話します。

強みはワンストップのサービス提供体制とDXへの取り組み

　例えば、離婚で離れて暮らしている親と子が話し合いを持つ、全国各地に散らばっている相続人が遺産分割協議をするなど、関係者どうしの距離や縁が遠くなればなるほど合意形成が難しくなる傾向があるといいます。

　そのような場合でも、「みらいリレーションなら、全国のネットワークをいかして、最寄りの拠点の、あるいは連携事務所のメンバーが、それぞれのお顔が見える距離でお話を伺うことができますので、安心してお任せいただけます。ご依頼者は最寄りの拠点とワンストップのやり取りで大丈夫です」と山口さんは胸をはります。実際に、九州に住む親と都心に住む子どもたちをWeb相談でつなぎ、最終的に公正証書遺言の手続きを済ませた事例などがあるそうです。

　業界の中では早い時点からDX（デジタル技術の活用による改革）に取り組んできたことも同法人の強みです。「そうすることで、他社との差別化にもなりますし、私たちの特長である拠点や連携事務所の多さをさらに強化することができます。実は、グループ法人では、いろいろなシステムを構築しながら業務を進めていて、今後は、外部企業でもそのシステムを活用いただけるよう精度を高めていきたいと考えています」と山口さんは説明します。それは、文字通り、士業のみらい図を現実のものにする挑戦といえるかもしれません。

多様なリレーションで人を幸せにする組織をめざす

　法律家として「わかりやすい説明」をモットーに掲げる山口さん。「法律業は“先生業”ではなく“サービス業”」を理念とし、サービス精神に重きを置いてきた山口さんの説明はわかりやすいと定評があり、さまざまな企業からセミナー講師の依頼が後をたちません。コロナ禍前の2019年はなんと年間70回のセミナーを行っていたとのこと。

　セミナーの題材になることも多い山口さんの著書「大切な人に想いをつなぐリレーションノート」は、一般的にはエンディングノートと呼ばれるものです。しかし、エンディングではなくリレーションとするだけで、書く人の気持ちが前向きに変わるといいます。これも、山口さんならではのサービス精神の魔法といえるでしょう。
　そんな山口さんのスピリッツの結晶が、グループ法人の一般社団法人日本リレーションサポート協会です。創設のきっかけとなったのは相続業務の依頼者からの、「相続した家を売りたい」「介護施設を紹介してほしい」といった、士業では対応しきれない相談ごとだそうです。「そのような相談に応えられる組織があれば、相談者の不安を早く取り去ることができるのではないか」と、またサービス精神が発動。同協会は、相談者の困りごとに応える事業者と相談者を「つなぐ」業務を行っています。

　事業、財産、家、土地、墓所、その他誰かに引き継がなければならないもの、引き継いでほしいもの。それらをリレーションしたいという想いはあっても何からはじめたらいいか、どこに頼んでいいかわからないと悩んでいる人は、まずは、山口さんに相談してみてはいかがでしょう。人それぞれのリレーションの糸口が見つかるはずです。

（取材年月：2021年9月）