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創業60年余りの実績を持つクリーニング会社として、高品質なサービスを追求

アパレルのノウハウを駆使する高品質クリーニングのプロ

宮城信孝

宮城信孝 みやぎのぶたか

#chapter1

衣服の性質や構造に関する知識を業務に反映。全国からの依頼に対応できる宅配クリーニングも展開

 「クリーニングは衣類のメンテナンス業です。できるだけ元の形に戻すことが大事だと肝に銘じています」

 そう話すのは、六十余年の歴史を持つクリーニング会社「いすい」代表の宮城信孝さん。紳士服のデザイナーとして培ったノウハウを生かし、高品質なサービスを追求しています。

 「当方では、高級アパレルメーカーが最終成形に使用するのと同じドイツ製のプレス機を導入しています。立体的に仕上げるため、美しいシルエットを保ち、体に優しくフィットするのが特長です」

 化学溶剤を用いず、生地へのダメージが少ない水洗いでスーツやダウンジャケットの汚れを落とすほか、オイルコーティングしてあるコートのオイル抜き加工にも対応。

 衣服の性質や構造に関する深い知見をもとに実績を重ねてきた宮城さんが、特に力を入れているのが「プラスキューブ」という屋号で展開する宅配事業です。

 「セレクトショップを運営している友人から、『数十万円以上する高価なアイテムのケアを、どこに頼んだらよいか分からない。駄目になってしまわないか心配』と、洋服に強いこだわりを持つ方が少なくないと聞きました。クリーニングの質には自信がありますから、当社でならお力になれると考えたのです」

 2017年にネットショップとして開業してから業績は好調で、右肩上がりで売り上げが伸びているそう。「全国から依頼を請け負っていますが、関東のお客さまが多いですね。中には仕上がりに感動して、お菓子やお手紙を送ってくださる方もいます。大変ありがたいことで、励みになっています」

#chapter2

デザイナーとして大阪で活動。子どもの誕生を機にアパレルからクリーニング業へ

 1959年、徳島市で生まれた宮城さん。高校卒業後は大阪モード学園に入学し、衣服を仕立てる洋裁やファッションについて学びますが、音楽関係の道を志し中退。大阪でサラリーマンをしていたところ、友人に請われて25歳でアパレルの世界に入ります。

 「勤め先はアトリエ系の小さなブランドで、私は主に若い男性向けの洋服をデザインすることになりました。もともとデザイナーになる気はなかったものの、始めたら面白くて、結局10年以上続けていましたね」

 充実した日々を送るも、実家を継いだ兄からは「会社を大きくしたいので仕事を手伝ってほしい」という声が頻繁に届きます。「ただ、当時は収入も安定していましたし、今の環境を手放すのはもったいないなと迷いがありました」

 自身のキャリアと、父が手塩にかけて育てたクリーニング店について思案していたある日、カジュアル衣料のユニクロなどを手掛ける、現ファーストリテイリング会長兼社長の柳井正さんと面談することに。まだ社名が小郡商事だった頃で、社員を探していた柳井さんに取引先を通じて紹介され、1時間くらい話をしたそうです。

 「とにかく『すごい人』という印象を受けましたね。柳井さんが話してくれた、これからアパレル業界に訪れるであろう変化は、あまり自分が望むものではないなと感じました。ちょうど子どもを授かったタイミングでもありましたので、自然豊かなところで子育てをするのもよいかと思い、徳島に帰ることにしました」

#chapter3

「進取の精神」を持ち、クリーニング業界の一歩先へ挑戦する

 36歳のときに帰郷した宮城さんは、家業で営業分野を担います。「会社は当時、販促関連の業務を全くと言っていいほどしていませんでしたから。きちんと利益を上げ、お客さまに還元していけるよう経営体質を強化することにしました。併せて、お客さまに選んでもらえる事業者になるべく、アパレル業界で得た知識をフルに活用し、クリーニングの品質向上を目指しました」

 意欲的に活動し、2019年、兄に代わって代表に就任しますが、翌年にコロナ禍に見舞われます。「家庭で洗濯できる衣類が増えるなど、業界の市場規模は、私が当社に来たときから縮小傾向にありました。さらに、感染拡大を防ぐためにテレワークが推奨されたり、結婚式などのイベントが減ったり。ビジネス用やフォーマルな装いをする機会が減った結果、一層の打撃を受けたのです」

 厳しい状況ではありましたが、「進取の精神を持ち、クリーニング業の一歩先へ挑戦する」という自社の理念が支えになったとか。「改善していきたいことはいっぱいありますし、革新的で新しいことにチャレンジしていきたい」と語る宮城さんにとって頼もしい存在が、息子である友輔さん。2017年に入社し、会社をサポートしてくれていると言います。

 「家業に入って以来、ほとんど休みなく働いてきました。どのくらい先になるかは分かりませんが、いずれは息子に社長を譲りたいですね。経営のバトンを渡した後は、趣味のゴルフやスキーを存分に楽しむつもりです」と笑顔を見せます。

(取材年月:2022年12月)

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宮城信孝

アパレルのノウハウを駆使する高品質クリーニングのプロ

宮城信孝プロ

クリーニング業

株式会社いすい/プラスクリーニング

元デザイナーとして衣類への深い知識を有しています。それを生かし、できるだけ新品に近い状態にする高品質クリーニングを提供。最近では、県外からの依頼にも応えられるよう宅配サービスにも力を入れています。

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