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低コストにして個別対応のシステム導入で、地方企業の脱アナログをサポート

初期費用ゼロの独自システムで企業の業務負担軽減を支援するプロ

宮地寛将

宮地寛将 みやじひろゆき
宮地寛将 みやじひろゆき

#chapter1

顧客管理や給与計算など、業務負担の軽減や人手不足の解消はITにお任せ

 都内の大手システム会社に20年以上勤め、知見を故郷の山陰地方に還元するべく「ふらっと」を立ち上げた宮地寛将さん。企業の業務負担をITで軽減するためコンサルティングをしています。

 「都会よりも深刻な人口減少に直面しても、生産性を維持しなければなりませんよね。ここで助けになるのがシステムであり、私はお客さまごとに独自の仕組みを構築して課題解決につなげています」

 「オーダーメードなのに初期費用はゼロ」「月額数万円のサブスクリプション方式」などが特長で、個人の事業主や店舗も導入しやすいとのこと。

 「すでに『幼稚園の園務効率化』『生花販売店の請求書作成業務の効率化』『整体院の電子カルテ化による顧客対応の質向上』などの実績があります。また、約100人が複数拠点に分かれ24時間・365日体制で勤務する介護事業者を支援したこともあります。各拠点で勤怠管理の書類形式が異なり手作業で集計していたので、勤務パターンを70ほどに分け、データ化して自動管理を実現しました」

 市販のシステムはあるものの、汎用性を優先しているため真の課題解決に結びつきにくく、種類も多くて選びきれないのが難点。また導入後「システムが主役になり社内の働き方を変える事態になった」「不要な機能が搭載されコストもかかる」といった不満も生じやすいと言います。

 「実務に即してカスタマイズするため、当方は経営者も現場担当者も交えて打ち合わせ、テストを重ねて導入後も寄り添い続けます。島根や山口、広島を中心に、全国の地方企業をサポートしたいですね」

#chapter2

大手システム会社で培った知見を基に地方と都市部の格差解消を目指す

 宮地さんは高校で未確認飛行物体(UFO)などに興味を持ち、周囲への説得力を高めようと物理の学習に注力。卒業後は大学の物理学科に進みます。

 「グライダー部に所属しパイロットを夢見るようになりましたが、ハングリー精神に引かれ独立系最大手のIT企業に就職しました。メガバンクを主要顧客に、プロジェクトマネージャーなどの立場で数々のシステム案件に携わりました」

 昼夜も休日も問わず働く中、自身は家族との時間を犠牲にし、メンタルに不調をきたす部下も現れ仕事に疑問を持つように。

 「東日本大震災後、宮城県の女川町とインドを視察したことが転機になりました。前者では復興を目指す人々の生命力を目の当たりにし、後者ではカースト制を背景に自分の娘や息子と同世代の子が物乞いする姿を見て『このままではいけない』と思うようになりました」

 「ITの仕事に人間味を持たせたい」「生育環境の違いを知識力でカバーできないか」「情報リテラシーをはじめ日本にもある地方と都市部の格差を解消したい」などと思案。都会には企業や教育・研究が集まり、地方は人材を送り込むだけの役割になっていることにも危機を募らせ、「ふらっと」を設立します。

 「社名には『ITで人々を笑顔に』『エンジニアに働きやすい場を作る』『全ての人が平等な世界を目指す』との思いを込めました。さらに世界展開する異業種交流会の地元支部に所属し、ビジネスの輪を広げました。会の仲間も増えた今、彼らと協業できるのも私の強みです」

宮地寛将 みやじひろゆき

#chapter3

システム導入で事業継承もスムーズに。「テクノロジーで地方に新たな可能性を」

 宮地さんが手掛ける個別対応のシステムは、事業承継にも貢献。前社長が数十年にわたり営んできた会社を継ぐにあたり、次期社長が新たなツールで業務改革を試みるも社内に浸透しないケースはよくあること。対して、現場の声をくみ上げて構築する自身の手法であれば、ベテラン従業員の“アレルギー反応”も軽減できると話します。

 「仕事の基本は変えず集計や入力作業を自動化し、クリック一つで瞬時に片付くよう設定します。今までのお客さまも平均で70%前後の業務効率化を達成していますね。建設業や宿泊業、教育業など多様な業界で職場環境を変革できるのがこの仕事の醍醐味であり、導入後も形骸化しないよう見守ります」

 加えて宮地さんは父親から不動産事業を継ぎ、山林開発や古い物件のリノベーションにも注力。ドローンビジネスも始め、土木建築も含めた業界のイメージを刷新し、若手人材の確保に努めています。

 「あとは空き地などを活用して簡易トイレや給水タンクを収納しておく『みんなの防災倉庫』というプロジェクトにも携わっています。私は非常時にのみ誰もが開錠できるフローを考案しました。支援企業は外壁に社名やロゴを載せられるので、社会的意義を感じた方はご連絡ください」

 山陰地方で成功事例を増やし、全国に広げることが目標。ドローンのレースやショーも企画し、都会から離れて暮らす人々にさまざまな先進テクノロジーに触れてもらうことで、自らの可能性に気付いてほしいと続けます。

(取材年月:2024年12月)

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宮地寛将

初期費用ゼロの独自システムで企業の業務負担軽減を支援するプロ

宮地寛将プロ

ITコンサルタント

ふらっと株式会社

独立系最大手のシステムインテグレーターに20年以上勤め、ノウハウを故郷の中小企業に役立てようと起業。顧客ごとにオーダーメードかつ月額数万円のシステムを構築し、運用面でも支援する。

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