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店舗や企業の顔として自覚を持ち、荷物を届けることが使命

荷物とともに笑顔も届ける軽貨物運送のプロ

伊原雄士

伊原雄士 いはらゆうじ
伊原雄士 いはらゆうじ

#chapter1

宅配をはじめ、スポット・チャーター便、企業専属便などのサービスを展開

 「お荷物と一緒に笑顔を届ける。それが、われわれの使命です」と力強く話すのは、軽貨物運送業を営む「Cruz(クルーズ)」代表の伊原雄士さん。埼玉県春日部市に本拠を構え、県内の東部・中央地域を中心に事業を展開しています。

 通信販売会社や運送業者から用命を受け、個人宅への宅配に従事。各種事業者に向けて、単発や一定期間利用できるスポット・チャーター便、クライアントのドライバーとなって稼働する企業専属便、一定のスケジュールで動く定期便も用意しています。

 「配送は接客業だと思っています。インターネットによる購買が一般化した今、ショップスタッフと接する機会がほとんどない方は珍しくありません。しかし、商品を手渡しする配達員は依然としてお客さまと直接関わる存在です。お店、企業の顔として自覚を持ち、職務に臨んでいます」

 エンドユーザーへの丁寧な姿勢は元請けからも好評で、依頼は年々増加。現在は、年間150万個前後の荷物を請け負っているそうです。

 伊原さんいわく、笑顔を大事にしていると、自然とコミュニケーションが増えていき、配送もしやすくなるそうで、独立した当初から一貫して心掛けていることです。

 「私がまだ現場に出ていた頃、私の配達車を見つけるたびに声を掛けてくださるご年配の女性がいました。その方が暮らすエリアの担当が終了し、『今日でおしまいなんです』とごあいさつしたところ、『寂しくなるね』と涙を流して別れを惜しんでくださいました。方々に赴き大変ではありますが、人間味あふれる出会いがあるのも醍醐味です」

#chapter2

雑貨店の店長から軽貨物運送業で独立。配達員の頑張りに報いる体制を整備

 伊原さんは1982年生まれ、千葉県松戸市出身です。20代の半ばに、当時、新潟県で建設業に携わっていた父親に誘われ職人の道へ。その後、雑貨を取り扱う会社に店舗スタッフとして入社します。

 「最初は新潟のお店に勤めていましたが、私の出身が千葉県だと知った上司が関東への転勤を打診してくれ、茨木に異動になりました」

 そこから5年間で計7店舗の店長を務めましたが、2016年に勤務先が身売りしたのを機に退職。個人事業主として独立することにしました。

 「就職も考えたのですが、学歴もスキルもない状態だったため、好条件の転職先を探すのは現実的ではありませんでした。また、雇われて誰かの指示を受けるのではなく、自分の裁量で物事を進めていきたいという気持ちもありました。未経験からでも始められるビジネスを探す中で、たどり着いたのが軽貨物運送業です」

 当初は、他の運送会社の業務委託社員として毎日トラックを運転していた伊原さん。目の前に積み上がった荷物を届けるために懸命に働きました。ルートを工夫するなど手際がよくなる一方で、「配達員への報酬が少ない」という疑問を抱くようになります。

 「朝から晩まで拘束時間が長いですし、暑い日も寒い日も関係なく、荷物は必ずお客さまの元に運ばなければなりません。重責を担っているにもかかわらず、得られる金額は十分ではありませんでした。自分がお任せする立場になったら、配達員の頑張りにできるだけ報いる体制を整えたいと心に決めたのです」

伊原雄士 いはらゆうじ

#chapter3

支えてくれる仲間とともに、地域に質の良いサービスを提供していきたい

 元請けになるべく営業活動に力を入れるとともに、良い条件を提示して人材を募集してきた伊原さん。現在、70人を超える業務委託社員が在籍しています。

 「新規メンバーには、まずベテランの教育係のもとで付きっ切りの指導を受けてもらいます。求めるレベルは高いですが、その分待遇は業界でも手厚いと自負しています。私が現場出身だからこそ、利益を削ってでも事業を支えてくれる皆さんに還元したいのです。そのおかげか、ドライバーは初めてという人も多いですが、1年以内に辞める方は全体の5%以下です」

 コロナ禍によってECサイトの需要が高まる中、メンバーへの配慮で各方面からのニーズにも安定的に対応。順調に成長を続け、2021年に法人化を果たしました。社名の「Cruz」には、競合がひしめく市場に例えられるオーシャン(海洋)を「旅していく」という意味と、仲間である「クルー」、アルファベットを締めくくる「Z」、すなわち最後まで面倒を見るという意味が込められています。

 「サービスの質は絶対に落としたくないため、対象エリアを広げていくつもりはありません。地域に根差して、現状の県東部を主軸にもっと案件をお受けしていきたいですね」と意気込む伊原さん。さらには自動車のレンタルと販売事業にも乗り出す方針です。

 「配達用の車両は知人に借りていますが、メンバーの数も増えてきましたので自社で始めた方が効率的です。充実した仕組みで、より一層仕事にまい進していきます」

(取材年月:2023年10月)

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伊原雄士

荷物とともに笑顔も届ける軽貨物運送のプロ

伊原雄士プロ

軽貨物運送事業

株式会社Cruz

埼玉県の東部地域および中央地域で軽貨物運送事業を展開。人を介さないECサイトでの購買が一般化するなか「配送業は接客と同じ」と考え、配達員の教育に注力し、荷物とともに笑顔を届けることを心掛ける。

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