片付けから不用品買い取り、リサイクルまで手掛ける専門家濵畑巧

片付けから不用品買い取り、リサイクルまで手掛ける専門家

濵畑巧

個人からの片付け依頼のほか、事務所や飲食店、倉庫など法人にも対応

　藤井寺市を縦断する国道170号線沿いに立つ大型倉庫。その一角に本拠を構え、清掃や遺品・生前整理、不用品の買い取りを手掛けるのは、濵畑巧さんが代表を務める「匠家」です。近畿一円を対象に、個人客をはじめ、事務所、飲食店、倉庫業者など法人案件も請け負っています。

　「片付けっておもしろいですよ。いらない物を一掃することで室内がきれいになるのはもとより、気持ちまですっきりします。お客さまも『部屋がこんなに広かったとは』と驚かれますし、『荷物があふれていた時に比べ、心も晴れやかになった』と言ってくださいます」

　濵畑さんのもとでは、まだ使える品物はインターネットや提携しているリサイクルショップで販売。少し壊れている程度なら、修理したりリメイクしたりして売り出すことも。「製品の状態にもよりますが、木製のタンスをイスやテーブルに作り変えるといったことも可能です。当方は、出張料も含めて見積もりは無料ですので、気軽にお問い合わせください」

　ただ、危険性や有害性があるなど、法律上、扱えないものもあるそうです。「全て回収してほしいというご要望もいただくので、お客さまにご理解いただくのが難しいところですね」

　時には対応できない内容もあることから、濵畑さんが大事にしているのがサービスの質です。「自分にできることで、期待値のちょっと上を行くサービスをモットーにしています。当社の場合、不用品の販売を前提にしていますから、お客さまに適切に還元することで満足度を高めていけたら」と語ります。

練習に励んだプロボクサーの道を病気で断念するも、その経験が今に生きる

　1978年、藤井寺市に隣接する八尾市で生まれた濵畑さん。中学生の頃からボクシングを始め、高校卒業後はプロを目指して練習に明け暮れました。しかし、胃の病気を患い、手術を機にボクサーの道を断念。22歳で、寝具大手メーカーに営業職として入社します。

　「自分で事業を立ち上げることを視野に入れていたので、お客さまに提案して売り上げを作る営業は商いの基本であり、興味を持っていたんです。当時はコミュニケーション力に自信がなかったので、そのスキルを身に付ける目的もありました」

　同社で4年間、飛び込み営業などに携わったあと転職。古紙問屋に11年にわたって勤め、満を持して独立を果たします。当初は物販を主体にしていましたが、仕入れ値がかさむことから、引き取りや買い取りまで業容を広げることにしました。

　「ボクシングで厳しいトレーニングを重ねた経験が、今に生きていると感じることは多々あります。大変なことやつらいことがあっても、あの時に比べたら大したことはないと思いますからね」と笑顔を見せます。

　「それに、スポーツでもビジネスでも成功している人は似ています。単にやらされている人が、自ら進んでやる人、さらには好きで楽しんでやっている人に勝ることはないという点です。現職でも覚えなければならないことはたくさんありましたが、前向きに取り組むことを心掛けてきました」

　常にポジティブな姿勢で臨む濵畑さんの趣味は食べ歩き。客先に訪れた際、その街のおいしい店を紹介してもらい、足を運ぶのが楽しみだとか。

不用品の海外輸出も視野に入れ、必要とする人のもとへ品物を届けたい

　匠家には年間を通じて片付けなどの依頼が絶えず、リピーターも多いそうです。「お客さまのご自宅にお邪魔するわけですから、身だしなみを整えることはもちろん、ご家を汚したり、傷つけたりしないよう、細心の注意を払っています。聞けば、そういう態度を気に入ってくださっているようです。私どもとしては、当たり前のことを当たり前に行うだけです。その当たり前のレベルを、どんどん引き上げていきたいですね」

　顧客との信頼関係をコツコツと築いてきた濱畑さんには、今後、力を入れていきたいことが二つあります。まずは、回収品の海外輸出です。購入者の中には海外出身の人が少なくないそうで、買ったものは母国に送っているとのこと。現地で展開することで、ニーズに応えたいと言います。

　「当方に商品を託してくださる方も、もともと愛着があったわけですから、新しい持ち主にも大切に使ってもらうことを願っています。日本にはものがあふれていますが、他の国に目を向ければ、たとえ新品でなくても必要とする方がいるはずですから、そんな方に届けることが私どもの役目だと考えています」

　もう一つは人材育成です。「社員を雇用して成長を後押ししたいですね。いつか巣立っていっても構いません。私はお客さまに喜んでほしいという思いで仕事をしており、同じ志の人が増えたら、その分多くの人を幸せにできますので」と濵畑さん。ボクシングで鍛えた忍耐力と向上心を胸に、今日も汗を流します。

（取材年月：2022年10月）

近畿一円で片付けや不用品の買い取りサービスを展開。回収した品は修理・リメイクして販売

個人からの片付け依頼のほか、事務所や飲食店、倉庫など法人にも対応

練習に励んだプロボクサーの道を病気で断念するも、その経験が今に生きる

不用品の海外輸出も視野に入れ、必要とする人のもとへ品物を届けたい

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