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理学療法士によるリハビリに特化したデイサービスで身体・認知機能の向上を目指す

リハビリに特化したデイサービスで高齢者を支えるプロ

ストローター智恵美

ストローター智恵美 すたろーたーちえみ
ストローター智恵美 すたろーたーちえみ

#chapter1

個別、小集団リハビリを行うデイサービスと、ケアプランを作成する居宅介護支援事業を展開

 「心配しないで幸せにいきましょう」を合言葉に、慣れ親しんだ地域、わが家での暮らしをサポートするのは、「サンライズグループ」代表のストローター智恵美さん。うるま市石川で、リハビリテーションに特化した「シニアデイサービスセンター」を開いています。

 「『シニア』にはコミュニティの中で尊敬される年長者という意味があり、人生の先輩でもある利用者さんに敬意を持って接したいという思いを込めています。お体の状態やご自宅での生活動作も踏まえ、理学療法士が一人一人に適したプログラムを組みますので、クリニックのようなマンツーマンのリハビリを介護保険で受けられます」

 ウオーターベッドや電子治療器といった各種機器で体をほぐしたり痛みを緩和したりする物理療法と、天井からつるしたレッドコードという器具を用いて関節の柔軟性や立位バランスを高めるエクササイズなどの運動療法を実施。5人以下のグループで行う小集団体操や脳トレも交え、無理なく体と頭を使い、周囲の人と触れ合いながら心身の活性化を図ります。

 「自然に恵まれた環境を生かし、屋外歩行訓練も取り入れています。最初は車いすで通っていた方が、歩行器になり、その後つえをついて歩けるようになったケースもあります」

 ストローターさんの元では、居宅介護支援事業も運営。ケアマネージャーが、利用者の現状に応じたケアプランを作成し、各種手続きもフォローします。

 「日常生活に不自由を感じている方や、家族の介護で困っている方はご相談ください。最初は通所を嫌がる方も少なくないですが、ご本人の意思を尊重しながら少しずつ慣れていけるようお手伝いします」

#chapter2

理学療法士として国内外の病院に勤務。高齢者問題を肌で感じ、施設設立を決意

 ストローターさんが医療職に興味を抱いたのは、看護師をしていた母の影響が大きいと言います。

 「母はハンセン病の国立療養所で働いていて、よく遊びに行っていたんです。患者さんへの差別もあった時代でしたが、私自身は特に偏見を持つこともありませんでした。子どもの頃から、互いに助け合うのは当たり前という価値観の中で過ごし、沖縄の言葉でいう『ゆいまーる』の精神が自然と育まれたと思います」

 病気やケガで身体にハンディキャップを持つ人の一助になりたいと、1987年に理学療法士の資格を取得し、県立病院でキャリアをスタート。当時は有資格者が少なかったこともあり、0歳から100歳まで、年齢も疾患もさまざまな患者の機能回復に携わりました。

 結婚を機に日本を離れ、アメリカの病院で約2年間理学療法士のアシスタントを務めた経験もあり、帰国後は再び病院に入職し、リハビリ職に従事。現職につながるきっかけは、1998年に介護老人保健施設へ転職したことでした。

 「当時、施設で常勤理学療法士は私1人で、約100人の入所者を対応し、非常勤の理学療法士と2人で1日約30人の通所者も対応していたんです。リハビリを必要としている人が多いことを痛感し、身体機能や認知機能の向上を目指し、健康寿命を延ばせるようなシステムを作らなくてはと考えるようになりました」

 ストローターさんは、オーストラリアの大学の通信教育で、高齢者ケアについて改めて勉強し、スクーリングで現地にも赴きました。高齢者の自立支援は世界的な課題だと感じ、施設を自ら立ち上げることを決意しました。

ストローター智恵美 すたろーたーちえみ

#chapter3

三線などの楽器演奏やクラフト制作といったレクリエーションで楽しく交流を

 2014年に開業して以来、利用者と家族の目線に立ったケアを届けてきたストローターさん。施設では、趣味活動と社会参加にも力を入れています。カラオケや、沖縄音楽に欠かせない三線などの楽器演奏、クラフト制作に取り組んだり、スタッフと一緒にヒラヤチー(沖 縄風お好み焼き)などのおやつ作りをしたり、100歳の利用者がレクリエーションを仕切ることもあるそうです。

 「車社会の沖縄では運転ができなくなると、引きこもりがちになります。縁側で涼んでいるとご近所さんが集まり、井戸端会議が始まるといったかつての日常も、エアコンなしでは暮らせなくなり、様変わりしました。いろんな人と交流を深めるためにもここに来て、楽しい時間を過ごしてほしいですね」

 健やかな日々を送ってほしいという願いは、ともに働くスタッフにも向けられています。

 「無理をせず、長く仕事を続けられるような働き方をしてほしいと常々伝えています。出産を経て復職した人や、70歳を過ぎても現役の看護師として活躍している人もいるんですよ。利用者さんもスタッフも、一つの大きな家族のようなもの。みんなが元気で、自分らしく過ごせるよう、環境を整えていきたいと考えています」

 今後は、入所やショートステイができる施設の建設も構想中。「多くの方から要望をいただいており、実現に向けて動いているところです」と語ります。

 住み慣れたここ石川で最後まで暮らせるよう、ストローターさんは幼いころから培ってきたゆいまーる精神で、高齢者とその家族を支えます。

(取材年月:2024年8月)

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専門家プロフィール

ストローター智恵美

リハビリに特化したデイサービスで高齢者を支えるプロ

ストローター智恵美プロ

理学療法士

合同会社サンライズグループ

リハビリ、趣味活動、社会参加を軸にしたデイサービスを運営。クリニックなみのリハビリ器具を備え、理学療法士が一人一人に適したプログラムを組み、機能回復および維持をサポートします。居宅介護支援事業も併設。

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