投資や副業、節約など、お金にまつわる正しい知識を伝えるプロ森奈都美

投資や副業、節約など、お金にまつわる正しい知識を伝えるプロ

森奈都美

投資や副業に関する講座を開催。基礎からしっかり稼ぎ方や増やし方を学ぶ

　「人生は一度きり。お金を理由にして、夢や理想をあきらめてほしくないんです」。そう話すのは、お金についてみんなで学べるコミュニティ「プラカフェ」を運営する森奈都美さんです。那覇市内にあるオフィスでは、投資や副業、節約に関する講座を定期的に開催。約900人の会員が自分のペースで、お金を稼いだり、増やしたりするためのノウハウを身に付けています。

　会員は大学生から会社員、定年退職をした人までさまざま。「家事の合間にできる仕事で家計を支えたい」「老後資金を準備したい」など、それぞれの目的を持って集まってきます。

　「海外では子どものうちから資産形成などのマネー教育が行われますが、日本では誰も教えてくれません。ほとんどの人が会社員として働いてお給料をもらうだけで、それ以外の方法を知らないんです。一人でも多くの人に、いろんなお金の作り方があることに気づいてもらいたいですね」と森さん。

　月10回程度開かれる勉強会の中で特に人気なのが、フリマアプリを利用した物販やアフィリエイト（インターネット広告）など、スマートフォン一つで取り組める副業の講座です。「特別なスキルや資格はいりませんし、独学でもできますが、継続的に収入を得るにはきちんとした知識が欠かせません。プラカフェではどのような仕組みでお金が入ってくるのか、理論的に伝えています」。副業を始めてからもスタッフが会員一人一人を丁寧にサポートしてくれるので、途中で挫折することなく続けることができます。

お金は夢や理想を形にするためのツール　稼ぐことが目的ではない

　投資に関する講座では少額から始められるFX（外国為替取引）を中心に、口座の開き方から取引の仕方まで、細やかにレクチャーしています。「一時的にもうかればいいというわけではありません。長期的に運用できるスキルを養うことで、“お金に強い人”になれます」

　お金をテーマにした情報の発信に努める森さんですが、「稼ぐことだけがゴールではない」という信念を持っています。大切なのはお金を使って、どのような人生を歩んでいくか。お金はあくまでもツールにすぎないと言います。

　「みなさんの価値観や生き方が違うように、どのようなスタイルで、いくら必要なのかも人それぞれ。他の誰でもなく、自分に合った方法でお金を得ていくことが成功の秘訣です」

　基礎から実践まで、長きにわたって学びの場を提供するため、プラカフェでは入会金の6万6000円（税込）のみで、月会費や更新料などがかからない永久会員制をとっています。会員としっかり向き合うために、コロナ禍においても「リアルの場」にこだわってきました。「お金に関して何か困ったことがあれば、いつでも足を運べる場所。プラカフェがそんな存在になれたらうれしいですね」

　実際に、たくさんの会員が新たな一歩を踏み出しています。副業が軌道に乗ったことでパートを辞め、子どもと一緒にいる時間が増えた女性。FXの知見を深め、深夜のバイトをしなくても生活を賄えるようになった大学生などです。「会員さんからのこうした声が私の財産であり、原動力です」と笑顔を見せます。

お金について学べる場を作り、たくさんの人に喜んでもらいたい

　森さんが現在の活動を開始したのは、2013年です。それまでは愛知県名古屋市で薬品メーカーに勤務し、「毎月決まったお給料をもらって、お金について考えたこともなかった」と振り返ります。

　ある時、ふと手にした本に書かれていた「毎朝、ワクワクした気持ちで目覚めていますか？」という言葉がきっかけで、「私もやりたいことをやろう」と退職。知人のアドバイスもあり、お金のことを知りたい、興味があるという人が気軽に集える場所を作ることに。名古屋市にあるマンションの一室で「プラカフェ」をスタートさせました。

　「安定した終身雇用の時代が終わり、誰もが複数の収入源を持ち、自ら備えていく時代がやって来ると感じました。また、少子高齢化が進み、年金だけでは豊かな老後が送れないと言われています。先行きが不透明な今、お金のことを勉強する機会があれば、たくさんの人に喜んでもらえると思ったんです」

　プラカフェの評判は口コミで広がり、開設からわずか2年で会員は約300人に。2016年には、「大好きな沖縄の人たちの役に立ちたい」と、名古屋に次いで那覇市にも拠点を設けました。

　コロナ禍において、失業したり、予定していた手取りがもらえなくなったりする事例が出てきて、「お金について、真剣に考える人が増えています」と森さん。「厳しい状況ではありますが、お金についての正しい知識を得ることで、活路を見いだすことができます。私たちが力になりますので、ワクワクする未来を切り開いていきましょう」

（取材年月：2021年11月）