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省エネと快適な室内環境を両立させる設備設計で、脱炭素化やサステナブルな社会へ貢献

省エネと快適な建築設備環境を両立させる設備設計のプロ

花畠玲

花畠玲 はなばたけあきら

#chapter1

30年以上のキャリアで、建築設備をトータルで考えソリューションを導き出す

 年々深刻さを増す地球温暖化。産業革命前より平均気温が1.5度以上上昇すると、異常気象や海面上昇など、人類に多大な影響を与えると言われています。

 「地球環境に配慮し、脱炭素化社会に貢献できる建築を推進するのは、現代に生きる私たちの責務です」
こう話すのは、「みどりデザイン」代表の花畠玲さん。那覇市を拠点に、共同住宅や宿泊・商業・娯楽施設、オフィスなど、省エネや環境を考慮した建築設備を設計しています。

 「人間に例えると、意匠が外見、構造が骨格で、設備は臓器や神経のようなもの。設備設計は建物に命を吹き込む仕事と言えます」

 人間が活動するのに必要な水や電気をどう建物に引き込むかを考え、建物の用途に合わせた温熱環境や光環境、音環境を創出。ただ、近年は異なる視点も求められていると花畠さんは指摘します。

 「従来は単純に機器の性能や室内環境のことだけを考えれば良かったのですが、これからの時代は脱炭素化を念頭に置く必要があります。建築基準法にも、二酸化炭素の排出量を減らすための法規制があり、守らないと建物が建てられないのですが、 その基準が年々厳しくなっています。いかにエネルギーを使わずに快適な空間に整えていくか、幅広い知見とアイデアが求められています」

 花畠さんは、一級建築士の中でも特に設備設計に専門知識を持つ設備設計一級建築士をはじめ、エネルギー管理士、技術士(電気電子部門)などの国家資格を保有。30年以上のキャリアで建築設備をトータルで考え、ソリューションを導き出せるのが強みです。

#chapter2

大手ゼネコンや省エネコンサルタント会社などでキャリアを積み独立

 花畠さんは1987年に大手総合建設会社の竹中工務店に就職し、一貫して設備設計に従事。学校の先生から勧められるままに入社したとのことですが、次第に設計のおもしろさを感じるように。

 「建物は、建てるだけではただの箱です。そこにどんな価値や機能を付加していくのか、建物の用途や施主の要望を踏まえて具現化するのはとても難しいですが、だからこそやりがいがある。一つとして同じ設計はなく、勉強になりましたし視野が広がりました」

 約20年間勤務し、大阪本店、東京本店、九州支店、シンガポール支店で、商業施設や文化ホールなど多様な建築に携わりました。
 その後、これからは建物の省エネがより重視される時代になると考え、仲間とともに省エネコンサルタント会社を設立。全国で100棟以上、沖縄県内でも20施設以上省エネ診断を実施。ホテルや病院など沖縄県内では9施設で国庫補助金を活用した省エネ改修工事の設計・施工を行いました。

 沖縄県内の現場を多く手掛けたことで、地場の老舗ゼネコンから声が掛かり、2014年に転職。在職中に総合病院の移転新築工事の設備統括を担当しました。

 「敷地内にある地下水脈に着目して電気代・水道代の削減を目指すなど、さまざまな工夫をしました。100億円の受注額は、当時の会社の売り上げを考えると社運をかけたプロジェクトでもあり、竣工した時は達成感がありました」

 大規模案件を成功に導いた花畠さん。設備設計を通してサステナブル(持続可能)な社会を実現したいと、2018年に独立しました。

#chapter3

省エネと創エネのZEBにも精通し、設計施工から補助金の申請代行まで一貫して対応

 花畠さんは、経済産業省と環境省が推進する「ZEB」にも精通しており、「ZEBプランナー」として登録しています。ZEBとは「ネット・ゼロ・エネルギー・ビル」の略で、一つの建物で省エネと創エネを行い、快適な室内環境を維持しながら、年間のエネルギー消費量を差し引きゼロにするという考え方です。

 「自社の建物をZEBにすると、災害で停電が起きたときも、太陽光発電システムなどがあればBCP(事業継続計画)の点でも有利ですし、脱炭素化に積極的に取り組む姿勢は、取引先や消費者といったステークホルダーへのアピールにもなるでしょう」

 2021年に当時の首相が、2050年までに温室効果ガスの排出を実質ゼロにする旨を宣言。目標を遂げるには、2030年までに46%削減(2013年度比)しなくてはならないとされています。
 「しかし、現状では道のりは険しいと言わざるを得ません。二酸化炭素を減らせないと炭素税が現実味を帯びてきますから、先延ばしにせず、今行動に移す必要があります」

 ZEBのメリットとともに重要性を説く花畠さんは、ZEBに適応した設計、施工から補助金の申請代行まで一貫して請け負います。

 「脱炭素化社会に向けて、再生可能エネルギーに転換していくことを『グリーントランスフォーメーション』と言います。設備設計を通して、地球に優しい未来を創造したいという思いを『みどりデザイン』という社名に込めました。省エネと快適性を両立させた建築設備をかなえますので、ぜひご相談ください」

(取材年月:2024年6月)

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花畠玲

省エネと快適な建築設備環境を両立させる設備設計のプロ

花畠玲プロ

一級建築士

株式会社みどりデザイン

大手ゼネコンをはじめ、設備設計に30年以上従事した知見をもとに、省エネと快適な建築設備環境の両立を実現。ZEBにも精通し、ZEBに適応した設計、施工から補助金の申請代行まで一貫して請け負います。

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