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精密で美しく、ぬくもりある素材を適材適所に用い、気候風土になじむ心豊かな空間を創出

資材の販売から施工まで一貫して手掛ける内装のプロ

具志堅克政

具志堅克政 ぐしけんかつまさ
具志堅克政 ぐしけんかつまさ

#chapter1

内装資材の販売から施工まで手掛け、用途や環境に合わせて木材を選定

 「精密さと美しさ、ぬくもりを兼ね備えた素材を適材適所にあしらい、心豊かな空間をかなえます」と話すのは、沖縄市の「樹創(きそう)」で工事部長を務める具志堅克政さん。内装工事用の資材を販売から施工まで一貫し、特に住宅の現場で豊富な実績を持っています。

 特にこだわっているのは製品の質。例えば木材は、水分量や木目のそろい、節の有無までチェックし、良質な状態のものを採用。住宅で用いる木材は含水をチェックし天然乾燥を行い施工するよう心掛けています。

 「まず、水を含んだままでは腐食を招きます。乾かすことで収縮し、狂いや割れが生じにくくなるうえ、繊維同士が強固に結合して強度が増し、耐久性の向上が見込めるのです。品質のためには手間を惜しみません」

 使用する木材の種類も幅広く、フローリングなどの下に張る床下地には防水性を備えたスギ、和室の床柱や鴨居には抗菌・防虫性のあるヒバやヒノキ、洋室の床には高級感があり硬質なケヤキなど、用途に適した樹種を選定。他の資材も同様に、立地や目的に応じて提案します。

 「先日携わった恩納村のある現場では、当初お客さまがご希望されていたのは地域環境に合わない建材でした。再検討してもらうため、設計事務所と連携して別の材をご案内したところ、『気候風土になじみ良いものができた』と喜ばれました」

 現在は社員6人と専属大工を抱え、安定した施工体制を確保。紹介や口コミによって次々と舞い込む案件に取り組んでいます。

#chapter2

誠実な仕事をモットーに工事費用を詳細に算出し、コスト面を透明化

 1984年に那覇市で生まれた具志堅さん。10代の頃から鉄筋工事に従事し、その後も内装や木工事など、建設業におけるさまざまな現場で経験を積んできました。

 同社へ入ったのは2021年です。2019年に独立して「樹創」を立ち上げていた現代表の上原正樹さんに、入社を直談判したと言います。

 「上原とは幼なじみであり、もともと別の材木店で一緒に働いた同僚でもあります。私は木を加工して組む木工事が好きで、この先も職人として道を究めたい一心で連絡したところ、快く迎え入れてくれました」

 子どもの頃から多くの時間をともに過ごし、大人になってからは同じ職場で切磋琢磨した二人は気心が知れる間柄。自分たちが果たすべき務めや顧客に対する考え方も似ているそうです。

 「2人でよく話すのは、『お客さまの目線に立って誠実に仕事をしよう』ということです。例えば、お見積もりの際、木材は体積計算するのが一般的ですが、当方では設計図書を見せてもらってから、必要な木材の種類やサイズ、本数を出した上で1本当たりの金額を提示します。正直に言ってかなり労力を要しますが、詳細に算出することでお客さまにお安く提供したいと思っています」

 図面をもとに工事費用を計算する積算について正確性を期すことに注力。コストマネジメントで透明化を図り、クライアントと信頼関係を築いています。

#chapter3

図面を読み取り、資材を選び、奥が深く楽しいものづくりを次世代へ

 具志堅さんらは、ものづくりにおいても精度を追求。複雑なデザインも持てるスキルを発揮して具現化に努めています。

 「社会全体で労働力が減少していますが、お客さまの期待に応えていくにあたり、人材不足は私どもにとっても大きな課題です。熟練の職人によって支えられてきた技術をいかに次世代へとつないでいくか。会社の未来を左右する重要なテーマです」

 現在、材料の買い付けや加工、品質チェックまで人の手で行っていますが、作業の一部を機械化できないか熟考。クオリティーの維持・向上に力を投入するためにも、人がやらなくて済む工程がないか探っているとか。

 「若い人に興味を持ってもらえるように、私たちの活動内容を知ってもらうことも必要です。建設業は『3K』と呼ばれ、大変そうといった印象が先行しがちですが、図面を読み取り、適切な資材をえりすぐる過程は奥が深く飽きることがありません。自分たちの手で作り上げるのも楽しく、完成したときの達成感は格別です」

 仕事の魅力を発信するため、2024年に自社ホームページをリニューアル。スタイリッシュで現代的でありながら、職人がノミやカンナを扱う手元をビジュアルに使うなど、企業としての姿勢や哲学を伝える内容へと刷新しました。

 「鉄骨で骨組みするノウハウもあるので、今後はRC(鉄筋コンクリート)造りの住宅も請け負っていきたいですね。資材の調達から仕上げまでを手掛ける総合建設業として多様なニーズに応えるべく、挑戦を続けていきます」

(取材年月:2025年5月)

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専門家プロフィール

具志堅克政

資材の販売から施工まで一貫して手掛ける内装のプロ

具志堅克政プロ

内装業

株式会社樹創

扱う資材の質には徹底してこだわり、木材の含水率まで細かく管理。耐久性に優れた木材を取りそろえるほか、木目や節の有無といった細部まで丁寧にチェック。現場の環境や条件に応じて適した資材を提案します。

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