環境や人に優しく、短時間かつ低コストで壁を再生するプロ世持侑也

環境や人に優しく、短時間かつ低コストで壁を再生するプロ

世持侑也

壁紙の上から染色剤を塗布する新しいリフォーム方法「クロスメイク」を提案

　「部屋の壁が年月を経るごとにくすんできて、室内の雰囲気もなんだかどんより。きれいにしたいけれど費用も時間も抑えたい」

　そんな声に応えるのは、「石垣島クロスメイク」の代表、世持侑也さん。壁紙をはがさずとも実現できるリフォーム術で、内装の美観を保ちます。

　「当方は、社名にも掲げている『クロスメイク』という新たな工法を提供する、石垣島で初めての正規代理店です。キズや穴などをきちんと修復した後、壁紙の上に水性の特殊な染色剤を塗布することで、以前のようなクリーンな状態を取り戻します。表面を塗りつぶしてしまうことはなく、素材の質感はそのまま残すことができます」

　張り替えをしないため、廃棄物がほとんどなく、「ゴミゼロ」を目指せる環境に配慮した取り組みとしても期待されています。染色剤には、シックハウス症候群の原因にもなる揮発性有機化合物のホルムアルデヒドなどは含まれていないため、人にもペットにも優しいのも特長です。

　「抗菌性や防カビ性のほか、消臭性も備えているので、ペットやタバコのにおいなども和らげることができます。塗料にありがちな刺激臭もなく、施工時ほのかにラベンダーの香りが広がりますが、それも数時間で消えて気にならなくなります」と世持さん。

　さらに、工期の短縮とコストカットを図れるのが大きなメリットだと言います。
　「例えば1LDKのアパートの場合、1日で作業は完了します。これは、張り替えるのと比べて3分の1程度の日程です。また新しい壁紙が必要ないため、費用も半分ほどで済みます」

大変な張り替え作業から一転、シンプルな工程できれい仕上がることから事業化を決意

　もともとは、エアコンのクリーニングや取り付けなどを主業にしていたという世持さん。業務を拡充していく中で、ハウスクリーニングも行うようになりました。
　「アパートの退去時などにご利用いただくのですが、その際に大変なのが壁紙のメンテナンスでした。石垣島では専門業者も少ないことから、弊社で引き受けることも多く、現場で手を取られていたんです」

　タバコのヤニによる黄ばみや日焼け、シミなどに対処するには、張り替えが基本。しかし時間もお金もかかり、物件オーナーなど依頼主に不便や負担をかけることになります。「もっと効率のいい方法はないか」と考えていた時に出会ったのが「クロスメイク」でした。

　「まず、壁紙に溶剤を施すだけという手軽さに驚きました。専用機器でコーティングするというシンプルな工程で、下積みすることなく簡単に技術を身に付けることができるし、すごく画期的だと思いました」

　仕上がりの美しさも含め需要があると判断した世持さんは、自社の新事業にしようと決心。現在ではアパートのほか、一戸建て住宅も手掛けています。
　
　「お客さまの反応も上々です。張り替えを経験したことのある方は、なおのこと利便性の高さに喜んでくださいます。今ある物を生かす、『再生』という視点もお客さまの心をつかむ、大きな理由になっているようです。処分する物を減らし、エコロジーに貢献できる『クロスメイク』は、昨今のSDGs(持続可能な開発目標)の波に後押しされ、広がりを見せています」

壁にパステルカラーを施すプランも用意。部屋のイメージチェンジにもおすすめ

　2019年からクロスメイクを取り入れ、数々の案件を請け負ってきた世持さんですが、残念に感じることもあるそうです。
　「湿気などで壁紙自体が傷んでいる場合は、張り替えることにもなってしまいます。ダメージが進む前にご相談いただきたいですね」と呼び掛けます。

　汚れに対するカバー力を実感していることからも、「見てもらえば、納得してもらえるはず」と胸を張ります。
　「以前、あるお客さまから、お子さんが壁に落書きをしたのでどうにかしてほしいとご連絡をいただきました。実際に見てみるとかなり濃く描かれていて。正直、元に戻すのは難しいだろうと思っていたのですが、施工によりかつての白さがよみがえりました。これには私も感動しました」

　他にも、「コロル」といってカラーペイントのプランも展開しており、子ども部屋などにおすすめだとか。
　「赤・黄・青の原色以外なら、優しい色合いのパステルカラーを中心にさまざまな色を作ることができます。微妙な調整もできますので、お好みの色をかなえることができるはずです」

　世持さんのモットーは、顧客からの問い合わせや依頼にできるだけ早く対応すること。困りごとに耳を傾け、それぞれに応じたサポートをしていくことで信頼関係につながると確信しています。
　「大切なわが家のお手入れに役立つ、クロスメイクの良さをもっと知っていただきたいですね。まずは、気分転換で壁の色を変えてみるなど、気軽に試していただければと思っています」

（取材年月：2023年3月）

壁紙の困りごとに迅速対応！決め手は、新技術「クロスメイク」

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