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借地・底地など複雑な権利問題を解決に導き、不動産の価値を取り戻す

借地・底地など権利調整に強い不動産コンサルティングのプロ

黒島誉乃

黒島誉乃 くろしまあやの
黒島誉乃 くろしまあやの

#chapter1

不動産の権利調整業務に特化したコンサルティングで豊富な実績

 「土地を人に貸している」「一つの物件を兄弟姉妹で相続した」など、複数の権利者が絡む不動産は、売買などの取り扱いが困難です。沖縄市にある「エージェント」代表取締役の黒島誉乃さんは、旧法借地権や底地、共有不動産など、権利関係が複雑な事案に特化したコンサルティングを行っています。

 「借地権」とは、土地を借りた人(借地人)が住居を建てるなど土地を利用する権利のこと。借地権が設定された土地が「底地」です。1992年に施行された借地借家法以前の旧法では、正当事由な理由がない限り半永久的に契約更新され、一度決めた地代は簡単には改定できず、借地人の権利が守られています。

 特に借地・底地の案件で多くの実績を誇る黒島さん。売却や買い取りの希望、それまでの経緯などを丁寧にヒアリングし、方向性を見いだした上で権利調整を図ります。   
 「法規や権利が複雑な不動産は扱っていないところもあり、『どうしたらいいか』と途方に暮れる方は多いです。私どもは経験知をもとに問題点を見極め、解決の道筋を描けます」

 ある地主からは「戦後からの付き合いで地代の値上げができず、固定資産税が上回って赤字になる」と相談されました。
 「そこにお住まいの複数の借地権者に土地の買い取りを提案しましたが、高齢や資金面から難色を示され、約1年かけて交渉しました。最終的に同時売却という方法で第三者が立ち退き料を支払い、借地権者の引っ越し資金も十分確保できました。それぞれ地主にもマイナスの資産を解消できたと喜ばれ、借地人の方々からも『将来を考えるきっかけになった』と感謝されました。〝三方良し〟の結果を導けるとうれしいですね」

#chapter2

相続・贈与対策から、軍用地や民泊など不動産投資まで、幅広く対応

 黒島さんのもとでは、不動産の相続や生前贈与などのサポートも手掛けます。税金対策では税理士、権利者同士のトラブルに発展しそうなケースでは弁護士など、各専門家とも連携します。

 収益マンションを夫から妻に譲りたいという相談では、税理士と共に解決を導きました。
 「マンションを複数所有され、相続か贈与かで悩まれていました。算出された贈与税が高額だったため、夫婦間で物件の売買契約を結ぶことに。妻の資金力不足を解消するため、金銭消費賃借契約もあわせて結び、家賃収入から返済する形を提案。大きな節税が果たせ、喜ばれました」

 不動産投資では、1棟アパート・マンションの売買や、沖縄の米軍基地が使用する土地を購入し、借地料などを得る「軍用地投資」に精通。海外投資家や金融機関とのネットワークもあります。
 「収益不動産の売却では、収支のシミュレーションなど投資の判断材料となる資料を作成し、海外投資家との人脈を生かして、高値の売却を目指します。最近は、特に台湾からのニーズが高まっていますね。必要書類や送金スケジュールなどが異なる海外の対応もお任せください」

 さらに、黒島さんは個人で民泊も運営しています。
 「インバウンド需要の高まりで、県外や海外の投資家から注目される不動産投資の一つですが、民泊だけは経験がなかったため挑戦することに。始めてみると稼働率や、光熱費といった経費の考え方など、ほかの不動産投資とはまったく異なるノウハウが必要だと身をもって実感しました」

黒島誉乃 くろしまあやの

#chapter3

不動産業界で約9年の経験を経て、真に顧客の役に立ちたいと独立

 黒島さんが不動産に興味を持ったのは、小学生の頃の出来事がきっかけでした。
 「卒業の4カ月前に、突然引っ越しにより転校を余儀なくされ、子ども心に納得いきませんでした。きちんと理由が知りたくて、大学生のときに宅地建物取引士を勉強することに。父が第三者の保証人として借金を背負い、抵当権により自宅が差し押さえられたことが原因と、腑に落ちました」

 就職活動でも不動産業界を志し、福岡の会社に入社。賃貸や売買、不動産管理などに約5年携わりました。その後、大学時代に参加したインターンシップ先から誘われ、不動産コンサルティング会社へ。
 「相続や借地・底地など不動産の権利調整を中心に、今につながる業務を約4年経験しました。お悩みをお聞きする中で、会社側の利益となる売却や土地活用が、必ずしもお客さまのメリットとならないケースもあって。目先の利益を追うのでなく、真にお客さまの立場で柔軟に対応できるようにと独立を考えました」

 不動産のことで長年悩んでいる人は多く、「話すだけでも整理できた」「胸のつかえが取れた」と安堵の声がよく寄せられるとか。
 「人間関係が複雑に絡まった問題でも、順序よくひも解いていくと、意外とスムーズに解決できるかもしれません。また、不動産はタイミングも大事です。『いつか』と後回しにせず、気になったときにご相談ください」と黒島さん。権利者同士の間に立つ〝エージェント=仲立ち人〟として、新たなご縁をつなぎます。

(取材年月:2023年3月)

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専門家プロフィール

黒島誉乃

借地・底地など権利調整に強い不動産コンサルティングのプロ

黒島誉乃プロ

不動産コンサルタント

株式会社エージェント

不動産業界で10年以上の経験をもとに、借地・底地、共有不動産など、複数権者が絡む不動産の権利調整業務を得意とします。相続や贈与のほか、軍用地投資や民泊など沖縄の特色を生かした不動産投資にも精通。

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