快適な暮らしを追求する水回りリフォームのプロ妹尾千昭

快適な暮らしを追求する水回りリフォームのプロ

妹尾千昭

「自分の家のように」誠実に向き合い、プロ目線のより良い提案がモットー

　「いずれの現場でも、常に自分の家だと思って誠実に向き合っています。私自身がしてもらいたいと思える、細部まで徹底的にこだわり抜いた施工をいたします」

　そう話すのは、「せのお設備」（岡山県津山市国分寺）の代表、妹尾千昭さん。岡山県内で、水回りのリフォームや給排水管の敷設・交換といった水道設備工事を手掛け、戸建てやマンションなどの集合住宅をはじめ、店舗、商業施設、オフィスビル、工場などに赴いています。

　「狭いお風呂を広くしたい、温水洗浄便座に取り換えたい、古くなった洗面台を新調したい、おしゃれなキッチンにリニューアルしたいといった声に応えています。毎日使う水回りをきれいにすることで気持ちも上がりますし、防汚性があって掃除がしやすい、機能性に優れ料理がはかどるなど、使い勝手がよくなることで生活の質も上がります」

　妹尾さんは顧客の要望を尊重しつつ、プロの目線から提案することを大事にしていると言います。「例えば器具を交換したいという場合、私から見て修理した方が安く済むならそうお伝えします。私がもうかるよりも、お客さまの負担が減るのが一番ですから」

　「水漏れが発生した」「排水管が詰まって水が流れない」といったトラブルへの対処も、妹尾さんの出番。緊急性が高い場合、たとえ営業時間外の夜間であってもできるだけ早く駆け付けることを心掛けています。

　「フットワークの軽さも当方の強みの一つです。お客さまに喜んでいただけることがやりがいですので、困りごとがあれば遠慮なくご連絡ください」と呼び掛けます。

自動車整備士や青果の卸売業、設備工事会社などを経て2017年に独立

　妹尾さんは1969年に津山市で生まれました。地元の津山工業高校を卒業後、自動車が好きだったことからディーラーへ就職。整備士として1年間勤務したものの、翌年からは京都に移り住み、青果業に転身します。

　「正月休みの間、京都にいる知人を訪ねたとき、八百屋さんを紹介され手伝ってみたのです。いただいたお給料は当時の整備士の倍で驚きました。その会社の社長さまにも気に入ってもらえたので、思い切って正社員として働くことにしたのです。社長さまにはアパートの手配までしてもらい、大変お世話になりました」

　野菜の卸売りを一から覚え、「京都の伝統ある料理屋について詳しくなかった分、臆することなく営業ができた」と振り返ります。高級料理店に一人で飛び込み営業を敢行し、見事契約を結んできたときには、周囲が一様に驚いたそうです。

　結果を出し、充実した日々を過ごしていた妹尾さんでしたが、京都暮らしも5年目を迎えたある日、地元に残してきた父親の体調が悪化したという連絡を受けます。後ろ髪を引かれる思いはあったものの、帰郷を決断。故郷に戻って父親の面倒を見つつ、ガス配管工事の会社に入りました。

　その後、水道設備や土木工事にも約20年にわたって従事し、1級管工事施工管理技士や1級土木施工管理技士の資格を取得。50歳を目前に控えた2017年、培ってきたノウハウを生かし、自分の技量で事業を営んでみたいという意志が強くなり、独立して「せのお設備」を立ち上げました。

地域密着で活動し、後進の育成にも尽力。若手とともに地域の活性化を目指す

　創業した当初、取引先の当てはほとんどなく、友人・知人に声を掛けるほか、ハウスメーカーへのアプローチを重ね、地道に顧客を開拓してきた妹尾さん。一つ一つの現場に誠意を持って臨み、隅々まで丁寧に仕上げる仕事ぶりで信頼を勝ち取り、今では依頼が途切れることなく舞い込むようになりました。

　2024年3月には土木、水道、管工事業など各種専門工事に関する建設業許可を取得。大規模な案件を請け負う体制を強化しました。

　さらに、後進の育成にも尽力。製図から施工、経理関係まで全て一人でこなしていましたが、2023年10月からは20代の職人を雇うようになりました。

　「彼はある大手企業に勤めていた子で、現場で何度か顔を合わせていたのですが、前の職場を退職したというので声を掛けました。真面目で“自分”というものを持っている若人で、良い家庭を築いてがんばっているので、将来的に独立を望むのであれば、ぜひ応援してあげたいですね」

　生活に欠かせない水を不備なく供給し、入浴や食事の準備など快適な暮らしをかなえる住宅設備を整えるべく、自らも腕を磨きます。「50代になると引退を考え始める人もいますが、私は若手と一緒に汗を流し、『そろそろご隠居を』と言われるまでは続けるつもり」と笑顔を見せる妹尾さん。地域密着で活動し、生まれ育った津山への思いも明かします。

　「残念ながら街を見ても活気があるとは言えません。若い方とつながり、何か地元を盛り上げる取り組みも展開していけたらうれしいですね」

（取材年月：2024年7月）

水回りのリフォームや水道設備工事を手掛け、水漏れなどのトラブルにも対応

「自分の家のように」誠実に向き合い、プロ目線のより良い提案がモットー

自動車整備士や青果の卸売業、設備工事会社などを経て2017年に独立

地域密着で活動し、後進の育成にも尽力。若手とともに地域の活性化を目指す

専門家プロフィール

Other Interview