矯正歯科治療のプロ
野村聡
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矯正歯科治療のプロ
野村聡
#chapter1
治療に時間が掛かるし、矯正装置を付けると見た目も気になる。歯列が悪いのは気になるけど治療を始めるのはちょっと…。
こんな風に考えて、歯の矯正治療にしり込みしている人は多いのではないでしょうか。「歯の矯正は、その人の見た目を良くすると同時に正しいかみ合わせを得るための治療でなくてはなりません。人前で口元を気にすることなく、楽しく笑っておしゃべりをし、健康な歯で生涯おいしく食事をする、といった、生活の質向上のための医療であることを知ってほしいと思います」
こう話すのは岡山県倉敷市昭和で矯正歯科専門診療所「のむら矯正歯科」を営む院長で歯科医の野村聡さん。
きれいな歯並びの一番のメリットに予防面が挙げられます。野村さんは「きれいに整った歯列は歯の汚れを落としやすく、また、正しい噛み合せはものをかむ時に歯にかかる力が適正になるため、虫歯や歯周病などのリスクが少なくなることが期待できます。何らかの理由で歯を失った場合でも、残った歯の歯並びやかみ合せが良ければその部位の治療がとてもシンプルになり、治療部位が長持ちします」と言います。
また、見た目の美しさも大事なメリット。
「近年、対人関係の希薄化が問題と言われますが、他人とコミュニケーション取ることの重要性は失われません。むしろ、今後さらに増すことでしょう。矯正歯科治療によって美しい歯並びと口元のバランスを得ると、患者さんは自分に自信が持てます。対面で話す時に好印象になりやすい点も見逃せません」
見た目の改善というと、私たち日本人は何となく抵抗感を持ってしまいますが、矯正歯科治療は、よくかめて健康な生活を送るための機能改善を第一としていますので、他のいわゆる美容整形とは一線を画すものだそうです。
#chapter2
初めて訪れた患者さんに対して、野村さんがまず行うのは〝顔を見ること〟。「横顔から見て口元の輪郭のバランスはとれているか、無理に力を入れることなく自然に上下の口唇を閉じることが出来るか、さまざまな角度からチェックを行います。次に頭部全体と歯のレントゲンや歯型によって、上下のあごの骨や歯のサイズと位置関係を調べた上で治療方針を決めます。原因を正しく見抜かなければ適切な治療はできません。実際の治療を始める前の診断が肝心です」
成長期の子どもはもちろん、成人、お年寄りの場合でも刻一刻と歯並びは変化します。「矯正歯科治療を行う上で一番大切なことは、いかにして生涯安定する歯列を作り上げるかということ。矯正歯科治療は患者さんにさまざまな負担を強います。治療のメリットが負担を上回るためには、何よりも治療後の長期安定性が重要なのです」
特に永久歯が生えそろう前の子どもたちに対しては、治療開始時期に対する正しい診断が大切。治療の長期化や永久歯が生えそろった後の再治療を避けるため、永久歯が生えそろう時期まで治療を待った方が良い場合も少なからずあるそうです。
患者の立場で、良い矯正歯科医を見分けるのは難しいのではないかと尋ねると、野村さんは「まず、治療開始前に必要かつ丁寧な説明があるか。料金体系や具体的な治療の進め方。また、矯正歯科治療にはさまざまな患者さんの協力が必要で、合併症のリスクもあります。これらを事前にキチンと説明し、患者さんの納得と同意の上で治療を始める医師でなければなりません。次は、正しい診断のための必要な検査を行っているか。現時点では頭の骨全体のレントゲン『頭部X線規格写真(セファロ)』を使用しての診断は必須です」とアドバイスしてくれました。
#chapter3
統計によると間違いなく歯列矯正を受ける患者さんは増えています。一方で、 地元の小中学校へ歯科検診で出向いた時、歯列矯正の必要性を感じる子どもが未治療であるのを見るたびに、更なる啓発をしなければと、野村さんは思いを新たにするそうです。
矯正歯科治療は、治療技術に重きが置かれる外科治療のような側面と、生活習慣病の治療のように、患者さんと緊密なコミュニケーションを取りながら日常生活に対しての指導を行う内科治療のような側面を併せ持ちます。そのため、患者さんの協力も不可欠です。「矯正歯科治療は時間が掛ります。通院頻度は少ないものの、『歯科医に押し付けられたから』という意識では良い結果は望めません」
矯正歯科は特に患者さんの協力が大切な診療科。「『つらい矯正期間』ではなく、『健康へのステップとして楽しむ矯正期間』へと常識そのものが変わっていくよう、倉敷のこの医院から情報発信を続けていきます」と野村さんは思いを新たにしています。
(2013年6月取材)
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野村聡プロ
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医)のむら矯正歯科
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