電気の使用量と料金削減に強い省エネのプロ難波隆一郎

電気の使用量と料金削減に強い省エネのプロ

難波隆一郎

成果報酬型の省エネ支援。複数の専門資格を生かしてサポート

　電気使用量や料金削減に向けた多彩な提案を行う「エネマネ」の省エネコンサルタント・難波隆一郎さん（岡山市北区今）。企業や店舗、福祉施設、クリニックをはじめ顧客の希望や予算を聞き、実現可能なプランを組み立てます。

　「家電の適切な使い方のアドバイスから設備類の保安点検、太陽光発電システムの導入支援まで、幅広いサービスをワンストップで提供できるのが強みです。加えて、削減が達成できなければ費用をいただかない“成果報酬型”の仕組みも導入しています」

　岡山市のスマートエネルギー機器に関する補助金制度「おかやまスマエネ応援隊」にも協力しており、制度の案内や申請手続きの支援も行っています。

　「太陽光発電に関する正しい情報を届けるため、太陽光発電アドバイザー資格も取得しました。よく『効果を上げるにはパネルの枚数を増やせばいい』と誤解されますが、コストや設置場所の無駄を避けるには緻密な分析が重要です。私自身、30分ごとの発電データをシミュレーションし、効果が見込めない場合は購入を勧めません。導入後も定期的にモニタリングを行い、運用状態を確認します。現在は、売電価格が下がり自己消費型の発電が主流となっていますので、その点も意識して検討いただきたいです」

　難波さんは第二種電気工事士も所有し、環境社会検定試験（eco検定）にも合格。高い専門性を生かし、設備の安全性や環境面にも配慮したコンサルティングを提供しています。

営業向きと言われた一言が転機に。人に寄り添うスタイルで独立を決意

　学生時代、たい焼き専門店でのアルバイトをきっかけに、そのまま同店へ就職した難波さん。将来的な独立を見据え、調理師専門学校にも通ったと言います。

　「すぐに店長を任され、開業して自分の店を構えました。ただ、2年ほど経営しましたが夏場の売り上げが伸びず、小さな町工場に転職しました」

　転職先では、業務用エアコンの部品製造に携わっていましたが、同僚の何気ない言葉が転機に。
　「『難波さんは話が上手だから営業職のほうが向いているよ』と声をかけられ、ハッとさせられました。自分の長所を生かしていなかったことに気付かせてくれ、今でも感謝しています」
　その後、人材派遣会社で営業職に転身し、支店長代理に抜てきされますが、リーマン・ショックの影響で退職を余儀なくされます。

　「営業スキルを武器に電気の総合サービスを全国展開する企業に入社し、この業界に関わるようになりました。今の会社『エネマネ』代表の守屋との出会いもその頃です。やがて2人で『セールスよりもコンサルティングに力を入れる会社を作ろう』と意気投合し、起業に至りました」

　現在創業4年目。守屋代表とは性格も役割も異なりますが、それがうまく機能していると話します。
　「守屋は視野が広く経営面に精通し、私は細部にこだわって技術的な情報に詳しいです。これからもそれぞれの個性を発揮しながら地域に貢献したいです」

設備の追加なしで14％削減、太陽光発電導入で66％の電気代減も。今後は機器のリサイクルも本格化へ

　「電気は見えないからこそ、お客さまが満足するよう数字で可視化するのが私の役割」と難波さん。支援したデイサービス施設では、新たな設備投資は提案せず既存リソースの運用改善のみ指導したところ、1年目は12％、2年目は14％の電気代削減に成功したと言います。

　「事務所の利用が日中のみという物流業界のお客さまは、太陽光発電の採用で66％もの電気代削減効果があり、とても喜んでいただけました。おそらく医療機関なども同様に、省エネコンサルティングによって改善が見込める可能性もあるでしょう。厳しい経営状態にある医療機関も多いと聞くので、まずは現状を共有していただきたいですね」

　今後は、工場で稼働する設備の消費電力を計測器で詳細に調査し、製造効率を落とさずにコスト削減を実現するプロジェクトにも力を入れていく予定とのこと。

　「自社のベルトコンベヤーやコンプレッサーがどれだけ電気を使い、いかに減らせる可能性があるか把握している企業は多くありません。他社との差別化を図るためにも、設備メーカーも交えた対話を重ねながら、一緒に取り組めればと考えています」

　また、顧客に提供した太陽光パネルのリサイクルにも本格的に取り組む計画です。
　「経年劣化した製品を受け取り、ガラスや金属に分別し、再資源化して製造に役立てます。処分に比べて回収費用も抑えられるなど、20年後、30年後を見据えたサービスを強化していきます」

　最後に「地球温暖化は待ったなしの課題」と難波さん。岡山県から中国地方の全域に対応エリアを拡大し、都市部と地方の“電力量格差”の解消にも尽力したいと語ります。

（取材年月：2025年7月）

岡山市など自治体の補助金申請も支援。電気代削減に特化した省エネコンサルタント

成果報酬型の省エネ支援。複数の専門資格を生かしてサポート

営業向きと言われた一言が転機に。人に寄り添うスタイルで独立を決意

設備の追加なしで14％削減、太陽光発電導入で66％の電気代減も。今後は機器のリサイクルも本格化へ

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