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人生の節目に選ばれ、大切な思い出とともに「お守り」にもなる印鑑を提案

美しい印影にこだわり長く愛用できる印鑑を作成するプロ

奥野将樹

奥野将樹 おくのまさき
奥野将樹 おくのまさき

#chapter1

印鑑をはじめ印刷物やアクリルグッズを、用途・予算・希望に合わせて作成

 「印鑑において、技術やセンスは印影の美しさに表れます」と語るのは、「コラボ」の代表・奥野将樹さん。岡山県岡山市中区浜に「ハンコ卸売センター岡山店」を構え、印鑑をはじめ、印刷物やオリジナルアクリルグッズなどの作成・販売を行っています。

 「印鑑は、重要な契約ごとや手続き、書類の確認などで用い、個人の証明となります。威厳や風格を備えるために字のバランスを調整し、不自然な空白を埋め、押したときににじまないよう工夫しています」

 奥野さんのもとでは主に機械彫りを受注していますが、要請があれば手彫りも請け負っています。

 「当方では熟練の伝統工芸士にお願いしています。人の手で刻んだ印影には味わいや温かみがあり、人間味を感じられるのが魅力です」

 また、運気が良いとされる書体「印相体」を使用した「開運印相彫り」も受託。印鑑の外枠に広がる開運八方位は、名声・出世運、愛情・仕事運などの運勢があり、各方位に文字が接するように字入れします。

 「実印や認め印など種類が分からないという方は遠慮なくお尋ねください。用途や予算、印材の希望などをお伺いして適切な商品をご案内します」

 伝票や封筒といった紙ものに関しても、顧客の要望をくみ取るためヒアリングを重視し、文字のサイズや配置などデザインの提案も行っています。名刺などは社内で印刷し、スピード感のある対応も心掛けています。

 「アクリルグッズは、キーホルダーやスタンド、ゴルフマーカーなどがあり、会社のノベルティにご活用いただけます。今後はハンドメイド向けのパーツを手掛けることも考えています」

#chapter2

成人のお祝いなど印鑑作成を通して顧客の人生の節目に関われるのがやりがい

 25歳のときに独立して中古車査定業務をメインとする「黒豆自動車」を立ち上げた奥野さん。
 「印鑑のお店を始めたのは、黒豆自動車のお客さまから『岡山のハンコ屋さんで閉めるところがあるんだけど、引き継いでもらえないか?』と連絡をもらったのがきっかけです。挑戦をおもしろいと思うタイプなので、そのお話に引かれ、引き継ぐ決意をしました」

 2022年に「ハンコ卸売センター岡山店」を継承タイミングで、「コラボ」を設立。中古車査定会社も経営しつつ、新しい業界に足を踏み入れました。

 「従業員も経験豊富な人材がそろい、信頼できる仲間と一緒に働けるのはありがたいですね。商品開発や、業務効率化に関するアイデアを出し合ったりする中で、新たな発見にもつながります」

 日々の業務の中では顧客の声を聞くことが多く、こだわりの印影が「かっこいい」と言われると特にうれしくなるそう。また、初めて通帳を作るときに銀行印、成人のお祝いに実印、起業の際に法人印など、印鑑づくりを通して顧客の人生の節目に関われることも、仕事の醍醐味だと言います。

 「過去には、プロポーズの贈り物として印鑑を作成したいという依頼や、祖母の印鑑を形見として継いでいきたいので掘り直ししてほしいという依頼もありました。ご家族の大切な思い出とともに印鑑が受け継がれることに、やりがいや喜びを感じます」

奥野将樹 おくのまさき

#chapter3

連綿と続く印鑑や印章制度を日本の伝統文化として次代に残していきたい

 今後もジャンルや枠にとらわれず、さまざまなことに挑んでいきたいと意欲を見せる奥野さん。テイクアウト専門店を開く計画も立てているとか。
 「小さい頃、喫茶店を営む祖父の姿を見ていたので、昔から飲食業に興味がありました。いつか飲食店をやりたいと思っていたので、形になるのを楽しみにしています」

 また、電子化の流れで薄れつつある印鑑の慣習を残していくことも、奥野さんのチャレンジの一つです。多くの人に親しみや興味を持ってもらえるよう、オリジナルキャラクター「ハンコ戦隊インカンジャー」を生みだし、SNSなどで発信しています。

 ハンコは古くから世界中で使用されていますが、役所への登録制度が現在も残っているのは、日本と一部の国・地域のみだそうです。

 「日本酒の製造技術がユネスコの無形文化遺産に登録されたと聞き、同じように印鑑や印章制度を日本の伝統として残していけないかと考えるようになりました。印鑑を研究している有識者にも相談しながら、判を押し、意思を表すという営みを次代につなぐ取り組みを進めていきたいと思っています」

 いにしえの時代から連綿と続く習わしを存続するため力を尽くす奥野さんは、こだわりを持って印鑑を選んでほしいと呼び掛けます。

 「特に実印は役所に届け、土地や家の売買などで契約を締結する証しになります。一生に一度しか作らない人も多く、自分を守ってくれる守護印とも呼ばれますので、納得がいくものを選んでほしいですね」

(取材年月:2025年1月)

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奥野将樹

美しい印影にこだわり長く愛用できる印鑑を作成するプロ

奥野将樹プロ

印鑑、印刷物、オリジナルアクリルグッズなどの販売

株式会社コラボ

使用用途や予算といった希望をヒアリングし、顧客の要望に合った印鑑や印刷物を作成します。デザインや文字バランスの提案のほか、運気が良いとされる「印相体」での印鑑作成も可能です。

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