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両親の介護を経て準備の大切さを提言。年齢を問わず人生の最終章を自分らしく計画する準備

終活や資産運用、保険の見直しなどをサポートするプロ

稲光祥一

稲光祥一 いなみつしょういち
稲光祥一 いなみつしょういち

#chapter1

個人相談のほか、友人や会社の同僚らグループに向けて終活や資産形成をレクチャー

 顧客の資産運用や家計の見直しなどをサポートする「LAYL(レイル)」の代表・稲光祥一さん。社名は「Look At Your Life」の頭文字から取り「生きることを見つめてほしい」との思いを込めています。

 「人生の“レール”の意味も持たせ、会社のロゴも線路をモチーフにしています。個人や夫婦に向けたアドバイスをはじめ、最近は仲の良い友人同士や会社の同僚といったグループ単位でのリクエストを受け座談会を開く機会も増えました。ご自宅などを会場に、お金の使い方や増やし方について和気あいあいと盛り上がりながら、金融リテラシーを学んでもらっています」

 稲光さんは、自治体の依頼で投資に関するセミナーも開催。特に20代や30代の参加者から、資産運用に対する熱意を感じると言います。

 「退職金や年金に希望が持てないという声も聞こえてきます。銀行に貯金してもほとんど増えませんから運用に積極的ですが、リスクを理解してない人も多く、およそ2割が4年以内に投資を断念するといわれています。若さゆえに、自由にお金を使いたい気持ちも分かるので、上手なバランスの取り方を教えています」

 対して、50代や60代も資産運用でメリットを望めるとのこと。人生100年時代の今、一定の資金を基に積み立てなどを利用すれば、若者よりも好位置からスタートできると話します。

 「あとは私の専門分野でもある保険の見直しです。補償内容はそのままに毎月の保険料をほとんどの方がコストダウンでき浮いた分を投資に回して将来資産を増やすことに充当してもらっていますね」

#chapter2

150年続く郵便局に生まれ局長に就任。顧客との関係づくりを重視し独立

 稲光さんの実家は、日本で郵便制度が始まった翌年の1873年(明治6年)に創設された郵便局。自身も6代目の元局長であり、およそ30年にわたり地域貢献に注力します。

 「小学校の卒業文集で友人たちがプロ野球選手などへの夢を寄せる中、私は『将来は郵便局長になる』と書いていました。さすがに150年も続く家業なので他の職業に就くことは考えられませんでしたね」

 やがて父の後を継ぎ局長に就任。責任ある立場を任され喜ぶも、社員の管理や経営といったマネジメント業務が中心になり、大切にしてきた顧客との関係が薄れていくことに違和感を覚えます。

 「局長になって10年がたち、お客さまとの関係性や組織との方向性のズレを払しょくできず退職を決めました。長く続いてきた家業を絶やすことへの葛藤もありましたが、思いの内を父に相談したところ『お前の人生だから』と快諾してくれました。現在、局長のポジションは後輩に託し、2021年に『LAYL』を立ち上げました」

 顧客との関係を最重視している現在は「何かあっても、あんたがいるから安心や」と言われるのが一番の励みになるとのこと。人生全般の相談相手として、再び地域貢献できていることを誇りに思っています。

#chapter3

人生のゴールを思い描くことで、やりたいこと、欲しいものが見つかる

 最近は終活コンサルタントやエンディングノート講師としても活動を始めた稲光さん。両親が同時期に病気になり、在宅介護をした経験が背景にあります。

 「初めは『親だから懸命に世話をしないと』と臨んだものの、次第に肉体的にも精神的にもつらくなり、仕事もままならず収入も激減。生活もガラりと変わり、父母への思いが薄れていく自分にも腹が立ち、非常につらかったですね。父は病に伏したまま意思疎通が困難なまま亡くなりました。母は現在高齢者住宅へ入所しています」

 仕事柄相続は完璧に把握していましたが、「最も肝心な『気持ち』を理解できなかった後悔が原動力になっている」と語る稲光さん。住居、墓などを残したかったのか、手放すつもりだったのか、生前に意思を確認することが大切だと痛感。万が一の際に備えて思いを形にすることが必要だと認識します。

 「分かりやすいので暫定的に終活やエンディングという言葉を使っていますが、実際は“人生を振り返り、未来に備える準備”だと捉えています。人生の終わりに目を向けることで『ずっと欲しかったものがある』『あの場所を訪ねてみたい』『あきらめた習い事に再開させたい』などの夢に気付いたりしますよね。“スタート”や“チェンジ”といったネーミングのほうがぴったりで、ぜひ若者にも取り組んでほしいと考えています」

 今後は税理士や弁護士などの士業と連携し、税務、法務も含めた包括的なサポートを展望。個人の顧客を第一に、自治体や企業への協力も惜しまないと力を込めます。

(取材年月:2024年12月)

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