依頼者に寄り添い迅速に対応する遺品整理・片付けのプロ
松本恭介
Mybestpro Interview
依頼者に寄り添い迅速に対応する遺品整理・片付けのプロ
松本恭介
#chapter1
「親御さんなどが逝去されると、ご家族はご実家の片付けをどのように進めたらいいのか途方にくれるのではないでしょうか。私どもがお手伝いしますので、お声掛けください」
そう語るのは、長崎県諫早市を拠点に活動する「リメイン」代表の松本恭介さん。「身の回りを整理する手助けになれば」と、生前・遺品整理のほか、ゴミ屋敷・空き家の清掃、お墓参りの代行と掃除など、地域の人に寄り添うサービスを提供しています。
最近増えているのは、県外に住む遺族からの案件です。
「親元から遠く離れた場所で住んでいると、ご葬儀のあと、地元に通って不用品などをまとめるのは大変です。当方では、立ち合いなしで作業することも可能です。お客さまのご要望に応じて遺品の供養も承っております」
料金は部屋の広さや荷物の量で決まります。現地訪問により無料で見積もりを出し、追加請求は発生しません。女性スタッフも在籍し、「男性スタッフだけでは不安」といった声にも配慮しています。
さらに、亡くなった時に周りに親族がいない場合などのように、通常の業務では回復できない状態の住居は特殊清掃を施します。
「日常生活では目にしない光景を見ることもあり、精神的なダメージを受けることもあります。誰にでもできる職務ではないだからこそ、プロとして、なすすべもなく困っている方々のお役に立ちたいのです」
松本さんらは、「お客さまに感謝される仕事」として誇りを持ち、厳しい場面でも自分たちの頑張りどころと心得て取り組んでいます。
#chapter2
松本さんは古物などのオークションを通して、会場に出入りしていた際に亡くなった人の家財を扱う現職について知りました。
「初めは興味本位でしたが、遺品整理士協会で学ぶうちに、ご遺族に故人の思いを届けることにやりがいを見いだしました」
遺品整理は、法規制に沿って物を処分するだけではありません。土地や家の権利書、受け継がれてきたアクセサリーなど、重要品や形見を探すこともあり、一つ一つ丁寧に仕分けます。
「可燃と不燃に分ける以外に、貴重品、書類、写真、現金など6〜7種類に分別します。確認を要するものはお客さまに報告して、判断を仰ぎます」
事前に「残したい物は特にない」と言っていたケースでも、記憶がよみがえる品には目を潤ませて「手元に置いておきたい」と申し出ることもあるそうです。
「ぬいぐるみを抱いた写真が出てきて、そのぬいぐるみも見つけたことがあります。お客さまにお伝えしたところ『懐かしい』と幼少期の思い出を語り始めたんです。『探してくれてありがとう』と言ってくださり、私も温かい気持ちになりました」
故人のプライベート空間では、職業や趣味、生きざまに触れることもあります。
「仕事に関する資料が残っていたり、この方は映画が好きだったんだな、旅行によく行かれていたんだな、とか。生前のご様子に思いを巡らせながら作業をしています。限られた時間の中ですが、できるだけその方が生きてきた証しを感じ取ることを大切にしています」
#chapter3
大事な人がこの世を去り悲しみに暮れる中、早急に住まいを明け渡さなければならない場合もあります。また、相続で必要な書類が見当たらないといった状況も出てきます。
「弊社に発注するかどうかに関わらず、専門業者としてアドバイスをしますので、一人で抱えずお問い合わせください」と力を込める松本さん。
例えば、特殊清掃の現場では、作業員は防護服を着用して、消毒を徹底します。
「お部屋に立ち入ることも、素手で触れるのも避けた方がいいことがあるんです。ご自身で対処するにはリスクが伴いますので、適切な処置が欠かせないことをご説明しています」
また、依頼者の経済的な負担を軽減するために、家財道具の中でリサイクルできそうな物を買い取り、見積もりから差し引く工夫をしています。家具、家電、キッチン用品や食器、楽器、宝飾品、着物など査定の対象は多岐にわたります。
「極力費用を抑えたいと考えていますが、自治体ごとに廃棄物の回収方法が違っていたり、廃棄物の収集運搬は地域を超えて行うのが難しかったり、やってあげたいのにできないジレンマがあります。高齢者の一人暮らしやゴミ屋敷が社会問題になっているので、もっと臨機応変に対応できる法整備が進めばと願っています」
まずは「困った時に相談できる業者がいることを多くの人に知ってほしい」と呼び掛けます。
(取材年月:2023年8月)
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松本恭介プロ
遺品・生前整理
リメイン
依頼者の気持ちに寄り添い、故人の遺品を丁寧に分別。できるだけ買取に応じるなど、費用負担を少なくする体制を整える。遺品整理や片付けに悩む人に情報やアドバイスを提供。特殊清掃にも応じている。
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