「木を活かす技術」で快適な暮らしを支える断熱リフォームのプロ栁澤直樹

「木を活かす技術」で快適な暮らしを支える断熱リフォームのプロ

栁澤直樹

古紙を再利用し、人と環境に優しい断熱材「セルロースファイバー」を採用

　「底冷えして体の芯から冷える」「夜も気温が下がらず暑くて寝苦しい」といった声に応えるのは、長野県を拠点に断熱リフォーム事業などを展開する「テオリアランバーテック」。広報を担当する栁澤直樹さんは「『さむい』『あつい』の悩みを解消し、心地よい日常をかなえます」と呼び掛けます。

　「断熱材を施せば、冬の冷気や夏の熱気が入り込むのを防ぎ、室内を満たした冷暖房の空気が逃げるのを抑えることができます。当方は、新聞紙など古紙を使った『セルロースファイバー』を採用しており、天然素材で人に優しく、資源を再利用することで地球環境にも配慮しています」

　木材を原料とする紙を用いたセルロースファイバーは、繊維1本1本の中に空気胞が存在し、熱や音を伝えにくいのが特徴。湿気を吸ったり、放出したり、木が持つ調湿性も備え、適度な湿度を保てると言います。

　「殺菌・殺虫に有用なホウ酸を含むホウ素系薬剤で防燃処理をしているので、燃えにくいうえ、カビ、シロアリやゴキブリが発生しにくいのもメリットです。マット状の資材は継ぎ目に隙間ができ、熱が逃げたり、温度差により結露が生じたりするのが課題でしたが、ふわふわと綿のような形状で住まいをすっぽりと包み込みます」

　スタッフが小屋裏や床下に入り、専用の機器で建物の隅々まで充填。天井や壁をはがす必要がないため、工期が短いのも利点だとか。

　「断熱材は、寒暖差を原因とするヒートショックの予防にもつながります。目に見えない家の裏側をケアし、毎日を快適に、健やかに過ごしていただくことが私どもの願いです」

断熱性能を可視化するツール「JJJ断熱診断」を導入し、省エネを実感

　工事に際し、温度分布を解析する赤外線カメラやセンサーで断熱材の有無や隙間を確認。データに基づいて改善点を説明し、それぞれの住宅に応じてプランニングしています。

　「当方は、断熱性能を“見える化”するツール『JJJ断熱診断』を導入しています。2日間かけて室内の温熱状況を計測し、どの部分が、どれぐらい熱を通しやすいか数値で表します。見えない部分だからこそ、数字で分かりやすくお伝えすることで実感がわき、納得度も高まると感じています」

　改修後に冷暖房のエネルギー消費量がどれほど削減できるか、また光熱費の目安なども提示。顧客からは「こんなに違いがあるんだ」と驚かれることが多いそうです。

　「省エネにつながる住宅改修においては、国や自治体が実施する補助金や助成金を利用できる場合もあります。費用面のご負担を減らすため適宜ご案内し、申請も代行しています」

　栁澤さんらは、既存の床の下側に床暖房を設置し、セルロースファイバーも入れることで保温性をアップ。足元から暖かい住まいづくりも提案しています。
　
　「お家をまるごと施工するフル断熱プランや、キッチン、リビング、トイレ、脱衣所といった1階のみ、寝室や子ども部屋など個室を対象にした2階のみと、ご予算に合わせたプランを用意しています。ピアノのような楽器の練習室やシアタールームなど、防音を兼ね備えた断熱リフォームも承ります。現地調査とお見積もりは無料ですので、気軽にお問い合わせください」

信州産の素材を用い、木材の風合いに満ちたウッドデッキやフェンスも製作

　「私どもは『木を活かす技術』で住環境を整え、自然とともにある心豊かな暮らしをお届けしたいと考えています」と栁澤さん。

　木製エクステリア事業も手掛け、自社工場でウッドデッキやフェンスを製作。素材には、厳しい寒さの中で育ち、強度が高く耐久性にたけた信州産のスギやヒノキなどを活用。地産地消で植林や伐採のサイクルを回し、林業再生や森林保全にも取り組んでいます。

　「お手入れの手間を軽減するため、防腐剤を加圧注入により木材の内部まで浸透させ、腐りにくく加工しています。品質を保証するJIS（日本工業規格）やJAS（日本農林規格）で規定された工法であり、使用する薬剤は歯磨き粉と同じ成分で、安全性にも考慮しています」

　無垢材は肌触りがよく、はだしで歩くと柔らかい風合いが体感できるのが魅力。「子どもやペットがのびのびと遊べるアウトドアリビングがほしい」といったリクエストを受け、三角形や台形など建物や庭の形状に合わせてオーダーメード。高低差がある別荘地でも施工できるそうです。

　また、幼稚園や学校、公園に木製の竹馬ラックやプランターを提供するなど、地域貢献に力を入れています。

　「大事なお住まいを守る一環として、シロアリ防除も請け負っています。土台などが浸食されないよう防蟻対策を講じ、保証期間内は点検にも伺います」

　1988年の創業以来、“住まいを陰から支える縁の下の力持ち”として家族が集う家が末永く住み継がれるようメンテナンス。地域に根ざし、信頼を積み重ねていきたいと語ります。

（取材年月：2025年7月）

冬の寒さ、夏の暑さを和らげる断熱リフォームで、心地よく健やかな暮らしを提案

古紙を再利用し、人と環境に優しい断熱材「セルロースファイバー」を採用

断熱性能を可視化するツール「JJJ断熱診断」を導入し、省エネを実感

信州産の素材を用い、木材の風合いに満ちたウッドデッキやフェンスも製作

専門家プロフィール

Other Interview