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ドローンやLiDARなどを駆使した測量と現地での徹底調査、豊富な経験で土地トラブルを防ぐ

徹底した調査で土地トラブルを防ぐ、土地家屋調査のプロ

高橋功

高橋功さん
高橋功 たかはしこう

#chapter1

不動産の表示に必要な所在地や面積などを調査・測量。土地の境界特定にも親身に対応

 「土地・建物の相続や名義変更、売却、取得にあたって、対象物件の所在地、形状、面積などが不明、不確実であれば明らかにする必要があります。不動産の表示に関する、これら物理的状況を調べるのが、国家資格である土地家屋調査士です」

 そう話すのは、大崎市の「土地家屋調査士高橋功事務所」代表の高橋功さん。県北部を中心に、多様な案件に向き合っています。

 「特に地方では、国土調査は完了したが図面がない、現地の境界杭がないなど、土地の境目があやふやなままになっています。どこまでが自分の所有地で、どこからが隣地なのか。はっきりさせないと、隣人とのもめ事に発展する恐れがあるので、注意してほしいですね」

 2017年に開業して以来、200件以上の境界立ち合いに携わってきた高橋さん。現地では、ドローンやLi DAR(ライダー)といった先端機器を用い測量を行う一方で、「目印となる杭があるはず」と言われ、数メートルの穴を自ら掘って探したことも。

 「実際に、地中の奥深くから石杭が出てきたときは驚きました(笑)。不思議なもので、泥くさく必死に取り組むことで、結果的にご納得いただけることが多いんです」

 土地の境界トラブルを防ぐためには、調査から得た数字の結論を示すだけではなく、関係者への丁寧な説明やコミュニケーションも大事だと力を込めます。
 「境界が定まらないときは、裁判をするほか、弁護士会と協力して調停により解決を目指す制度もありますが、当方ではこれまで紛争に至ったケースはありません。わだかまりをなくし、関係者が無理なく合意できるよう細やかにサポートしています」

#chapter2

震災を機に出身地に戻ることを決意、測量技術に関する職業訓練指導員の免許も取得

 もともと、東京の不動産会社で営業をしていたという高橋さん。2011年に発生した東日本大震災をきっかけに、大きな被害を受けた出身地の大崎市に戻る決意をしました。
 「全半壊した住宅がたくさんあって。みなさんの生活の場でもありますし、次世代につないでいく大切な財産を守る一助になればと、一から勉強することにしました」

 東京にある職業訓練校の測量科に通い、数年かけて資格を取得。故郷で事務所を立ち上げます。しかし、地元には土地家屋調査士が少なく、実践的なノウハウを改めて学ぶ場所がないことに不安を覚えたと振り返ります。
 「お手本として習う機会もなく、どうしても我流にならざるを得ない環境でした。自分自身の研さんと、この仕事に興味を持つ人がいた際にしっかりと技術を伝えたいという思いから、測量の職業訓練指導員免許も取りました」

 同業が身近にいないこともあり、独立して以降、途切れることなくオファーが舞い込み、実務に磨きをかける日々。インターネットで高橋さんの存在を知り、問い合わせをする人のほか、宮城県北部に土地を持つ東京の企業など、全国各地から連絡が来るそうです。

 「県内の同業者は不動産会社に属する形態がほとんどで、拠点も仙台市に集中しています。私のように、県北で活動しているのは珍しいんです。依頼を受けて仙台からここまで調査に来るのは大変ですし、お客さまも費用面で負担がかさむからでしょうか。ありがたいことに数多くご用命をいただいております」

#chapter3

相続登記が義務化。いざという時に慌てないよう不動産の困り事は早めに相談を

 高橋さんは、国や地方の官公署から受託した業務を行う公共嘱託にも従事しています。一定エリアに対し、複数の調査士と協力して公図を作っていく過程に、チームならではの面白さを感じると言います。

 「当方は、一筆の土地を精査するのに数カ月かけますが、公図だと何千筆という単位で一気に調査、測量します。一軒一軒回ってインターホンを押して境界を確認し、目印の杭を入れて、というように、正確かつ、各戸のあるじ全ての同意がある状態にするんです。ダイナミックで、普段は味わえないやりがいや喜びがありますね」

 また国は、所有者不明土地の増加を背景に、2024年4月から、土地や建物の相続登記を義務化。故人から不動産を受け継いだ場合は、3年以内に申請をしなければならず、正当な理由なく怠ると、過料が科されます。
この度の法改正を受け、未登記の物件がある人は、早めに土地家屋調査士に相談してほしいと、高橋さんは訴えます。
 「本来、相続に関わらず不動産は登記しなければならないのですが、古い建物などは未登記のものがたまにあります。いざその時を迎えると、相続人が増えたり、関係者に連絡がつかなかったりして、同意を得るにも相当の手間がかかります。売りたい時に売れないなどの不都合も生じてしまうんです」

 専門家として培った知見をもとに、確かな仕事を心掛ける高橋さん。「宮城県の土地家屋について困ったことがあれば、個人法人問わず、気軽に声を掛けてください」と呼び掛けます。

(取材年月:2023年2月)

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土地家屋調査士高橋功事務所

ドローンやLiDARなどの新しい機器を使用した正確な測量と、現地へ足を運ぶ誠実な徹底調査が強みです。地域に根差した土地家屋調査士として、境界確定や相続、売買などにおける土地トラブルを防ぎます。

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