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1988年に創業、「ペットのお世話」のプロが高齢犬の介護に悩む飼い主をサポート

老犬・老猫の介護・お預かりのプロ

菊池信惠

菊池信惠 きくちのぶえ
菊池信惠 きくちのぶえ

#chapter1

大切にしているのは、飼い主の気持ちや事情も一緒に預かること

 仙台市青葉区八幡で、ペットホテルやペットシッターサービス、トリミング、通院の付き添いなどを行っている「ディライト ニャンワンクラブ」の代表・菊池信惠さん。最近では、高齢犬の一時預かりから看取りも含めた中長期のサポートをはじめ、具体的な世話の方法を飼い主に伝えるなど、高齢犬のケアに注力しています。

 菊池さんが仕事をする上で大切にしていることは、ペットを預かるときは飼い主の気持ちや事情も一緒に預かるということ。「預ける理由や普段の接し方など、背景を理解することでペットへの声掛けも変わってきます。これがとても重要です」と菊池さん。

 また、依頼を受けた際、決して思い込みで話をしないことも心掛けているそう。「ライフスタイルや育て方も各家庭で異なりますので、相手の思いを受け止め、飼い主もペットも不安にさせないような気配りをしています」

 ペットの世話を専門にするようになって30余年、今まで数多くのペットが菊池さんのもとにやってきましたが、中でもここ20年ほどで高齢犬が増えたと感じています。多くの高齢犬に接してきた菊池さんだからこそ、飼い主である家族の人たちにメッセージがあるそうです。

 「高齢になると、犬も人間と同じように体に痛みが出たり、食が細くなったりするものです。工夫を凝らした手作りの道具やサプリなどを用いることで、症状の改善を目指すことも可能です。方法次第で高齢犬介護の負担を減らすことができるので『決して諦めないで』と言いたいですね」

#chapter2

長年培った経験を生かし、飼い主の悩みに寄り添う

 両親が酪農家に飼料や肥料を販売していたこともあり、幼い頃から動物に触れ合ってきたという菊池さん。両親の仕事の関係で、取引先のペットを預かることもあり、喜んで世話をしていました。

 もともと動物が好きだったため、趣味の延長のような感覚で引き受けていましたが、ある時「これは金銭を受け取るべき仕事だね」と言われたそう。それがきっかけで現職に興味を持ち、プロとしてペットをケアするにはどうすればいいのかを考え、独学で勉強を続けました。

 「まずは自宅でペットを預かるペットシッターから始め、25年ほど前には自宅を改装しペットホテルを開始するなど徐々に規模を広げ、現在のような施設となりました。幸い幼い頃から親しくしていた人の中に、動物病院を開いている人がいたため、助手のような形で動物に関わることができました。そこで得た知識がとても役に立っています」

 菊池さんの強みは、長い経験から培った知識や知恵です。特に高齢犬に関しては、さまざまな場面で飼い主を救ってきました。

 犬が高齢になった場合、介護をする人の負担はかなりのもの。「犬がつらい思いをしているのではないか」「鳴き声が原因で周囲から苦情が出るのではないか」などの心配が尽きず、飼い主自身も眠れないことがあるため、「昼間だけでも預かることができれば負担軽減になるのでは」と菊池さん。ただ預かるだけではなく、飼い主の悩みに寄り添い、解決策を提案することで、ペットと飼い主双方の心身を支えたいと話します。

菊池信惠 きくちのぶえ

#chapter3

さまざまな病気の予防についても伝えていきたい

 飼い主から「あなたに出会えてよかった」「いろいろ聞いてもらえて助かった」など、感謝の言葉を掛けられるのが何よりのやりがいであり、今後もペットを通して人の輪を広げていきたいという菊池さん。

 「私がお世話をしてきた一匹一匹が、命をもってたくさんのことを教えてくれました。それを次に伝えていくことが『命をつなぐ』ということだと思っています」

 飼い主もペットも、共に健康であることが大切だと語る菊池さん。特に高齢犬のケアに力を入れている今は、犬にどんな病気があるのか、その病気の背景や食事のバランスなどについて飼い主に説明するようにしています。

 「犬種で多い病気、年齢的な病気、食事が原因となる病気など、いろんな犬を見てきたからこそ分かることがあります。今後は、予防についてもお話ししていけたらいいですね」

 近年は動物病院も細分化されており、整形外科や腫瘍外来など得意分野があるとのこと。菊池さん自身は病気に関する科学的な見地や専門的な知識を持っているわけではありませんが、これまで学び得てきたことを共有したり、適した病院を案内したりすることで、飼い主にできるだけ明るく高齢犬介護をしてほしいと願っています。

 ペットの寿命も延びてきている昨今、「初めて飼った犬が高齢になり、介護の仕方が分からず悩んでいる人たちのお手伝いができればうれしい」と話す菊池さん。「高齢犬を世話した経験を生かしながら、飼い主の気持ちに寄り添いたい。これからも、ペットと飼い主を幸せにしていきたい」と思いを語ってくれました。

(取材年月:2021年3月)

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菊池信惠

老犬・老猫の介護・お預かりのプロ

菊池信惠プロ

ペットシッター

有限会社ディライト ニャンワンクラブ

30余年の経験から得た知識と知恵で、高齢犬猫と暮らす飼い主をサポート。さまざまな道具やサプリを使うことで、介護の負担を軽減。老いを諦めず、愛犬・愛猫と明るく楽しく暮らす方法を伝えていく。

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