特許や商標など知財のトータルサポートで中小企業等の支援プロ
伊藤寿浩
Mybestpro Interview
特許や商標など知財のトータルサポートで中小企業等の支援プロ
伊藤寿浩
#chapter1
知財という言葉を御存じでしょうか? 知財とは知的財産権を意味し、特許(発明)や実用新案(考案)、意匠(デザイン)、商標(マーク)、不正競争防止法、著作権などの総称です。なお、特許・実用新案・意匠・商標は、「工業所有権」とも称されます。
しかし、実体がないため模倣や盗作などの被害にあいやすく、それらを防ぐために権利-知的財産権-は法律で規定・保護されています。
伊藤寿浩さんは弁理士として出願人本人に代わり、特許庁に特許出願や商標登録など知的財産権取得のための申請手続きを行うほか、経営戦略上からみた知財に関するあらゆる業務に精通したスペシャリストです。
大手特許事務所で副所長を務めていた前職時代も含め、今年で弁理士登録14年目を迎えました。
日本弁理士会東海支部と愛知県の共催で設立され、中小企業経営者を対象として知財を活かした経営戦略等について協議・検討する「知的経営サロン」の実行委員をはじめ、2015年には知財経営コンサルティングのスキルを持った弁理士が企業を訪問支援する「知財キャラバン」隊員として活躍。ご当地グルメの商標権侵害や不正競争防止法違反に対しての法的対応機関である「地域ブランド監理監視機構」でも対策委員を務めるなど、地域支援や知財の保護にも尽力しています。
#chapter2
伊藤さんは三重県生まれで三重育ち。関西大学工学部卒業後、大手の食品メーカーに入社しますが、ほどなく退社。その後の再就職を考えた際、資格の必要性を感じ、頭に浮かんだのはメーカー時代に知った弁理士という職業でした。
「法律家というと文系出身者がほとんどですが、弁理士は理系出身の法律家という言葉に惹かれました。発明者に代わって特許などを申請するわけですから、その技術が理解できないと仕事になりません。理系出身の自分としてはやりがいもあるし、すごくおもしろいと思いました」
三重県で弁理士試験の勉強を始めましたが、地元では弁理士試験に関する予備校の授業種や情報量が乏しかったため、再び単身大阪へ。試験勉強を始めた一年目は、試験浪人としてバイトで生活費を稼ぎながら半ば独学で基礎を徹底的に詰め込み、弁理士試験対策として行政書士試験にも合格。翌年からは特許事務所で実務を経験しながら勉強し、約二年の勉強期間で見事に早期合格を果たします。
大阪の特許事務所で働いた後、2006年には名古屋に戻って大手の特許事務所に入所。大企業を中心に様々な案件を扱い、2011年に副所長に就任してからはさらに幅広い業務を担当することになりますが、心の中で葛藤もあったようです。「大手特許事務所では大企業からの依頼が中心です。大企業は専門の知的財産部があるため仕事効率は良く、依頼件数も安定して多いです。一方、中小企業は発明の纏め方などに慣れておらず依頼件数も不安定なので、大企業からの依頼と比べるとどうしても手薄になる傾向がありました。しかし、このように知的財産に慣れていない中小企業こそ、もっと力を入れてサポートすべきではないかとの葛藤がありました。」
中小企業の案件を担当した際、その経営者や担当者らの人間味あふれる人柄を知るうちにその思いはますます強くなり、自らの経験や実績をもっと中小企業に役立てたいと考えるようになった伊藤さんは、2016年ついに独立。「I.T.O.特許商標事務所」のIはInvention(発明)、TはTrademark(商標)、OはOwnership(所有権)の頭文字を表し、伊藤さんの名前にも掛けています。事務所名は、「発明発掘から商標登録など工業所有権を含む知的財産権のトータルサポ―ト」ができることを表しています。
#chapter3
中小企業は知財に対する認知度がまだまだ低く、知財という言葉は知っていても、専任担当者がいるわけではありません。経営戦略上、知財をどんなふうに活かしていったらよいかわからない会社も多いため、伊藤さんはとても頼りになる存在。「企業さんと顧問契約を結び、密接なお付き合いをさせて頂くうちにその経営状態や内部事情も把握できるので、知財のみならずいろいろな相談を受けます。特許も必ずしも出願することがベストではなく、時には出願しない方が良いケースもあるよとお話ししています」と伊藤さん。
またふるさと三重県に対する思いも殊の外強く、独立してから地元の商工会に登録に行ったところ、とても歓迎されたそうです。「実は三重県は東海地域で他県に比べ、弁理士の数が少なく、知財の相談をしたくても県内には窓口が少ないことに困っている企業さんがあるとのこと。経営上名古屋に軸足を置いてはいますが、今後はぜひ、地元三重の企業さんのお役に立ちたいですね」と答えてくれました。
(取材年月:2017年6 月)
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特許や商標など知財のトータルサポートで中小企業等の支援プロ
伊藤寿浩プロ
弁理士
I.T.O.特許商標事務所
豊富な実務経験を通して、特許や実用新案だけでなく、意匠や商標の出願、鑑定、契約、係争など知財全般に精通し、また幅広い活動を活かして知財戦略を構築し、中小企業や各種団体を中心にトータルでサポートできる。
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