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ホームインスペクションで目に見えない劣化や不具合を洗い出し、売主と買主双方の不安を取り除く

住宅の不具合やリスクを診断し、中古住宅の売買を円滑にするプロ

澤田亮

澤田亮 さわだりょう

#chapter1

20年以上にわたり培った知見を基に、法規上のトラブルを防ぎ、将来的なリスクの可能性も洗い出す

 「中古住宅を売買する上で気になるのは、目に見えない所に潜む不具合や問題でしょう。取引後に発覚し、トラブルに発展するケースも少なくありません。売主と買主の双方が安心して契約できるよう、ホームインスペクション(住宅診断)を実施することは有効な方法です」

 そう語るのは、熊本市で衛生商品卸売業を営む傍ら不動産事業も展開する「株式会社熊本有恒社 さわだ不動産事ム所」取締役の澤田亮さん。宅地建物取引士・ホームインスペクター(住宅診断士)の有資格者として、ホームインスペクションや不動産の売買仲介を行っています。

 ホームインスペクターとは、目視で屋根、外壁、室内、屋根裏、床下などの劣化状況を第三者の立場から診断する専門家。いわばホームインスペクターは「住宅のかかりつけのお医者さん」です。

 宅地建物取引業法の改正により、住宅診断制度が導入されたのは2018年のこと。澤田さんは、それ以前の2005年から中古住宅の買取再販会社に勤め、物件購入前の不具合チェックやリフォーム企画・現場管理にも携わってきました。時には不具合に気づかず、引き渡し後に顧客から指摘を受けたこともあったといいます。
 「そのたびに業者と原因を追究し、リフォーム工事にも立ち会いました。その経験を重ねるうちに、家の状態を見るだけで、ある程度の不具合を推測できるようになったんです」

 ある住宅では、屋根の一部が複雑な形状をしていたそうです。「屋根が複雑な形状をしていると、継ぎ目などに何らかの問題が生じることが多く、怪しいと思って調べてみたところ、やはり屋根に小さな亀裂が見つかりました」と話します。

#chapter2

「お客さまが中古住宅を安心して売買できるように、自分の不動産売買の経験がお役に立てばうれしい」

 澤田さんによると、不具合の中でも特に多いのが雨漏りと床の傾き。天井の雨染みや、ドアや窓を閉めた時の隙間は、そのサインだといいます。また、増築した住宅では既存部分との接合部に構造や素材の違いができ、ひび割れや段差、隙間、雨染みなどが発生しやすいため、注意深く確認する必要があると付け加えます。リフォームの予算立てや現場監督も行い、これまで購入からリフォーム、売却まで携わった物件は600件を超えます。

 「長年不動産売買の現場で培った経験があるため、買主、売主、仲介会社、リフォーム会社と、関わる全ての人の気持ちを理解しています。不具合についても、優先して直すべき箇所、今すぐでなくてもよい箇所を報告書に明記してお伝えします。ホームインスペクションは買主が計画的に修繕費を準備するお手伝いになると思います」
 一方で売主にとっても、トラブル回避のため「最低限ここだけは修繕しておくべき」という判断材料にもなるそうです。

 ホームインスペクションの認知度はまだ高くないと澤田さんは指摘します。その背景には「新築住宅は安全・安心」という価値観が根強く、新築志向が強いことがあるといいます。

 「きちんと手入れをすれば中古住宅でも快適に暮らせます。私自身も当時築30年の住宅を購入しリフォームして、10年以上暮らしています。建築資材の高騰などで新築価格が上昇している今、中古住宅への需要は今後さらに高まるでしょう。取引の際には、ホームインスペクションの活用を検討してほしいですね」

#chapter3

空き家に関する相談にも対応。安易に壊さず、生かす道も探る

 澤田さんは熊本市の空き家相談員としても活動。不動産取引の専門家として、空き家の売買・賃貸・相続・解体・管理などに関する相談を受けています。
 「空き家を解体したい」という相談を受けた際も、すぐには解体を勧めず、まずは再建築可能な物件かどうかを確認。建築基準法では、建物を建てるには原則として幅員4メートル以上の道路に接していなければなりません。その物件は幅の狭い生活道路に面していたため、基準を満たすかどうか、澤田さん自ら熊本市役所に出向き、確認を行いました。

 「まだ結果は出ていませんが、再建築ができる土地だと分かれば、建物付きで売ることも、更地にして売ることもできます。もちろん解体すること自体は可能ですが、不動産として価値があるかどうかを見極めるまでは、安易に解体しない方が賢明だと考えたのです」

 空き家を売買する場合は、法的確認や権利関係の整理も必要です。契約前には、宅地建物取引士でもある澤田さんが綿密な調査を基に重要事項説明書を作成し、物件の状態を正確に伝えることで、売主と買主が安心して取引できるようにしています。

 「今、日本には多くの空き家があります。古い住宅は現行法に適合していない場合や、見えない部分の劣化・不具合がある場合もありますが、私が細かく調査をすることで、安心安全な中古住宅の取引や活用をお手伝いしますので、ぜひお気軽にご相談ください」

(取材年月:2025年9月)

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澤田亮

住宅の不具合やリスクを診断し、中古住宅の売買を円滑にするプロ

澤田亮プロ

中古住宅の売買、ホームインスペクション(住宅診断)、不動産売買の重要事項説明書作成代行

株式会社熊本有恒社 さわだ不動産事ム所

中古住宅の買取再販業に約20年従事した知見を生かし、目に見えない部分の不具合や将来のリスクを的確に指摘することで、購入後のトラブルを防ぐことができます。また、リフォームのえアドバイスもいたします。

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