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他にはない、世界に一つだけのオリジナル品をプレゼントや記念品、インテリアに

唯一無二の看板・表札・レリーフを作る機械彫りのプロ

木原章次

木原章次 きはらしょうじ
木原章次 きはらしょうじ

#chapter1

企業や店舗の看板、個人宅の表札、写真などを施すレリーフアイテムを製作

 「素材を削り成形する機械加工と製缶の技術で、ご希望の品をオーダーメードします」と話すのは、熊本県上益城郡の「村上鉄工」で機械課の課長を務める木原章次さん。企業や店舗の看板や個人宅の表札、レリーフを中心に手掛けています。
 
 「スマホなどで撮った画像をもとに写真を施したり、ロゴやイラストをあしらったりデザインは自在です。漢字、平仮名、カタカナ、アルファベットの書体も既存のフォントではなく、お客さまの要望に合わせて作ります」

 圧力をかけて研磨するラッピング加工ではなく、木原さんのもとでは彫ることにこだわり、彫刻のごとく絵柄を描き出します。

 「家族の誕生日や結婚式ではフォトフレーム型、部活動を卒業する生徒に向けた記念品ではメダルをご用命いただきます。リアリティーを追求し、洋服の柄や髪の質感などを細やかに調整しますので、愛犬や愛猫をはじめペットの毛並みも細工できます」

 銅・真ちゅうやアルミといった金属、ケヤキなどの木材、アクリル板と、さまざまな素材に対応。サイズも直径7センチ以下の小さなものから、横6メートル、縦2.5メートルの大きなものまで作製しています。つややかな光沢を放つほか、くすみを加えるいぶし処理でアンティーク感を演出し、アクリル板をLEDライトで赤や青、緑に光らせることも可能です。

 「レリーフは紙と違って丈夫で劣化しにくいのはもとより、見る角度によって趣が変わる良さもあります。世界に一つだけのアイテムを作ることができるので、贈答品やノベルティグッズ、インテリアにもおすすめです」

#chapter2

先代への思いと受け継いだ教えをもとに、機械加工のノウハウをレリーフに応用

 木原さんが村上鉄工に入社したのは2004年頃。以前は営業職に就いていましたが、創業者の村上勝弘さんと出会ったのを機に、まったく違う業種への転職を決意します。

 「当社に入って工作機を目にしたとき、こんなに面白い仕事があるのかと驚きました。自分が指示したプログラム通りに機械が動いて、目的の形状に仕上げる工程にハマってしまったんです」

 入社して以降は、ものづくりを楽しむと同時に、試行錯誤を重ねて工作の精度を高めてきました。

 「材質によって工具や回転数などを変える必要があり、機械を適切に動かすための条件を組むのが難しい場合もあります。どうすればうまく稼働するか思案し、完成度を上げています」

 切削や研削、溶接などの技能を磨く中で、2023年に村上さんが急逝。寝る間を惜しんで、懸命に事業や顧客を支えてきた社長に追悼をささげることに。

 「写真を撮られるのが苦手だった先代の姿を残したいと思い、銅板に彫ったところご覧になった取引先の業者さんなどから好評をいただき、レリーフのサービスへと広がりました」

 木原さんは「他社がしないことにも取り組む」「作れるものは何でも作ろう」という社長の教えを受け継ぎ、創意工夫を続けています。

 「中には難易度が高い案件もあって夜も眠れないほど頭を悩ませることがありますが、苦労してやり遂げた時の達成感は格別です。今こうして、機械加工をレリーフという分野に生かすこともできて、きっかけを与えてくれた先代に感謝しています」

木原章次 きはらしょうじ

#chapter3

バーベキュー用のテーブルやアウトドアに使えるコンロ、オブジェなども展開

 1977年の創業以来、主に建物建設に用いる部材を請け負い、設計から加工、組み立て、塗装、出荷まで一貫。長尺物や大型物件など、同社では顧客のニーズに応えるべく体制を整えてきました。

 「オリジナル品については、会社に出入りされる方が受付に飾っている作品に興味を持ち、注文してくださることが多いです。たくさんの人に私どもの活動内容を知ってもらうため、2024年からはYouTubeやInstagramで情報発信もスタートしました。製作工程を紹介しているので、ぜひご覧ください」

 バーベキューで活躍するステンレス製のテーブル、キャンプなどのアウトドアで使える真ちゅうのコンロも展開し、時には自転車をモチーフにしたオブジェを頼まれることも。柔軟な発想力と培った技術力でリクエストに応じる木原さんは、新たな展望を描きます。

 「一人でも多くの人に、自分たちが作った品物をお届けすることが目標です。テレビドラマなどでリビングに写真や絵が飾ってあるのを見かけますが、いつかレリーフが飾ってあるシーンを目にする日がくればいいなと夢見ています」

 顧客のイメージを具現化したり、大切な思い出を形にしたり、より良いものを作り上げるため、木原さんは研さんを怠りません。

 「リーズナブルな価格で提供できるように試作を重ねて効率化を図っています。何より、ものづくりに携わる者としてクオリティーには妥協せず、皆さまに喜んでいただけるものを創作していきたいですね」

(取材年月:2024年10月)

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専門家プロフィール

木原章次

唯一無二の看板・表札・レリーフを作る機械彫りのプロ

木原章次プロ

鉄工業

有限会社村上鉄工

金属や木材を彫ったり削ったりして、趣のあるレリーフや看板・表札を製作。さまざまな素材に対応し、サイズも大小調整が可能。法人、個人を問わず幅広いニーズに応え、サービスを提供します。

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