建築知識を活かしたガーデンデザインのプロ
久品尚達
Mybestpro Interview
建築知識を活かしたガーデンデザインのプロ
久品尚達
#chapter1
「お客様との初回の打ち合わせで、すぐに絵を起こします。お客様が希望する庭のイメージをその場でつかみやすくするためです」。それも、何枚も描いて見せるのではなく、徹底的なヒアリングをから導き出された、「一発であたりがでる」スケッチを描くのがエクステリアガーデンGreen Officeの得意とするところ。久品尚達代表のスケッチブックには、これまでに久品代表が描いた、“作品”と言ってもよいような鉛筆画がたくさんありました。
久品代表がまず聞きとるのは、「お客様が庭で何をしたいか」です。「庭には、“使いたい庭”と“眺めたい庭”があります。眺めたい庭は手入れが必要です。季節の花を入れ替えたり、雑草取りを頻繁にしたり。でも、いくら庭が好きでも、玄関が泥だらけになるような動線では、庭に出たくなくなります。使いたい庭は、バーベキューなどの設備を整えますが、バーベキューのために掃除から始めないといけないなら、使う気がなくなってしまいますよね」。そこで久品代表らが提案するのが、手入れがしやすいことが大前提の、眺める部分も使える部分も兼ね備えた庭。「たとえば、床材を、バーベキューの油がしみついてしまうウッドではなく、洗い流すだけで済むタイル張りにしたり、無理な姿勢をとらなくていい腰高な花壇にして、腰かけて作業ができるよう縁を広めにするなど。ヒューマンスケールを大切にしています」。そこで実現されるのは、「夢の庭」ではなく、「夢の庭とともにある暮らし」なのです。
(※エクステリア:外構や庭をはじめ、屋外の工作物を含めた建物の外観全体のこと)
#chapter2
久品代表のデザインの根底にあるのは“住む人の価値観が変わるほどの庭づくり”。築5年で3回くらいしか庭に出たことがなかったというご主人が、久品代表がデザインした庭で、バラづくりに魅了された例もあるのだとか。「空間が決まっている家の中と違い、庭には使い方にルールがない。水も泥も使えます。そうなると、楽しくて仕方なくなるんです」。庭で過ごしたい、そう思える庭づくりを提案できるのは、「何よりも、自分自身が庭をつくり手入れをしているからです。それを踏まえて話すから、お客様へよりわかりやすく伝えられるのだと思います」と話します。
また、「決して要望だけを聞き取る“御用聞き”ではなく、お住まいの家が引き立つ庭、そして、家族が楽しみながら一緒に成長できる庭づくりをすること」も大切にしているという久品代表。お客様から、小さな子どもがいて段差のない庭をという要望がでたとしても、「実は、段差があったほうが庭はキレイなんです。お子さんに注意が必要な期間は長くはないので、10年後や30年後も考えた庭をご提案します」。
#chapter3
久品代表は、独立前は住宅メーカーに勤務。約10年間、営業、施工監理、設計に従事した後、エクステリアの担当になりました。「色も形も強度も、エクステリアには多種多様な素材があることを知りました。できることが増え、知らなかったことを知った時、エクステリアの楽しさにはまりました」。今でも、住宅メーカー勤務時に知り合ったお客様が久品代表を探しだし、仕事を依頼してくれるそうです。
望むエクステリアを手に入れるためには、住まいづくりのゼロの段階からエクステリアの専門家を交えたほうが効率的、と久品代表。庭の場所の取り方はもちろん、庭に出やすい動線も、建物の配置や設計に影響されるからです。「住宅メーカーと契約して、そことの打ち合わせだけで進めていると、さあ庭づくり、となった時に資金が足りないということがよく起こります」と言います。それを避けるためには、ローンを組む段階で、外構まで含めた施工計画をすることが大切なのです。そこで久品代表は、「今後、“保険の窓口”ならぬ“住まいづくりの窓口”業務も始めました。お客様の要望に沿って住宅メーカーを選定するだけでなく、エクステリアへのこだわりも最初から盛り込んで頂くことが目的です」。もちろん、新築だけでなく既存の庭のリメイクも多数手がけている久品代表。「庭は家の必需品。感受性を豊かにしてくれるために不可欠な存在ですから」。休みの日は一日家で過ごす―。そんなゆったりとした暮らしが、エクステリアガーデンGreen Officeの庭なら手に入ります。
(2016年8月取材)
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Profile
建築知識を活かしたガーデンデザインのプロ
久品尚達プロ
エクステリアプランナー
エクステリアガーデンGreen Office ㈱グリーンオフィス熊本
お客様の要望にただ形にするだけでなく、眺める部分と使える部分を兼ね備えたガーデンデザインを行う。また、住宅メーカーでの勤務経験から、建築の知識を活かして、家の庭の理想の姿を提案できる強み。
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