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偶然が生み出す色と模様を楽しむ「フルイドアート」で、自由に創作するひとときを

年齢や経験を問わず楽しめるフルイドアート体験で人をつなぐプロ

小川亮太

小川亮太 おがわりょうた
小川亮太 おがわりょうた

#chapter1

フルイドアートで、オリジナルのフィギュアを制作するワークショップを開催

 「子どもも大人も心を解き放ち、自由に創作するひとときを過ごしてほしいですね」と話すのは、高知市の中心部・帯屋町で「ラクガキアートプロジェクト高知店」を主宰する小川亮太さん。「フルイドアート」で、自分だけのフィギュアを作るワークショップを開いています。

 「フルイドアートとは、アクリル絵の具など液体が流れ動く流動性や、混ざり合う特性を活用したアートのこと。偶然によって唯一無二の模様が生まれ、色の選び方や流し方、塗り方の違いで多彩な表情を見せます」

 絵の具はピンクやブルー、イエローなど約20色。フィギュアはクマやウサギ、ネコ、恐竜などをそろえ、サイズは大中小。インテリアタイプのほか貯金箱型もあり、キーホルダーも追加できます。

 「好きな色をコップに入れてかけ、上からラメを吹きかけたり、筆で色を足したり、指先ではじいて散らしたり、世界に一つだけのオリジナルができます。手ぶらで気軽に参加できるうえ、シンプルな工程で決まりごともないので、小さいお子さんからシニアまで幅広い層がお越しになっています」

 制作時間は約60~90分。乾燥後7~10日ほどで希望の住所に発送されるため、帰りの荷物も増えません。観光客の来店も増え、英語版の説明書を用意するなどインバウンドにも対応しています。初対面でも作品を見せ合って話が弾み、いろんな人と触れ合えるのも魅力です。

 「大事にしているのは、『うまく作る場所』ではなく『楽しむ場所』であることです。思いがけない色合いに驚いたり、参加者と会話を交わしたり。一つ一つの体験が価値だと感じています」

#chapter2

地域全体がひとつの大家族「高知家」らしさを守り、起業でふるさとに恩返し

 高知市で生まれ育った小川さん。鮮魚店に精肉店、雑貨店や飲食店などが軒を連ね、地元の人も観光客も集う屋内市場「ひろめ市場」の和気あいあいとした雰囲気や、アットホームな近所付き合いなど、ひとつの大家族「高知家」として高知県がPRしてきた“家族のような温かさ”が身近にありました。

 高校卒業後は千葉県で働き、折に触れてふるさとに帰る中で、空き店舗の増加など中心街の変化に寂しさを覚えるように。

 「地元を盛り上げる方法はないかと思案していた時、妻に誘われたのがフルイドアートでした。事前に色をかける順番や、縦から横からと流し方を細かく考えていましたが、いざ始めると、絵の具が思わぬ方向に広がり、まったく予定通りにいきませんでした。“予想外”の展開が面白く、届いた作品を自宅の玄関に飾ると空間がぱっと明るくなり、心が躍りました」

 色が織りなす世界観にワクワクした小川さん。「フルイドアートには失敗がなく、絵が得意でも不得手でも、誰もが夢中になれるのではないか」とひらめきます。

 四国にはまだフルイドアートの体験施設がなく、年齢や経験に関係なく楽しめる点、高知らしい軽やかなコミュニケーションが生まれやすい点に、可能性を見いだします。

 「家族で協力しながら運営できることも後押しとなり、2024年に法人を設立。地元に住む弟夫婦とともに店舗を立ち上げました。多くの人でにぎわう場所をつくり、高知に恩返しがしたいという思いが私たちの原動力になっています」

小川亮太 おがわりょうた

#chapter3

学校や企業、施設など、アートを通じて多様な人々が交流する地域社会へ

 ラクガキアートプロジェクトでは、フルイドアートを通して、地域の学校や企業、住民と親睦を深めています。学校のバザーでは、子ども向けにキーホルダーの色付けを実施。完成品を手にした子どもたちのうれしそうな笑顔が、「いい思い出になった」と保護者からも好評だったそう。

 「愛媛県の塗装会社からは、従業員を対象に『色彩に関する研修』をご依頼いただきました。数日間にわたりチームごとにフルイドアートに取り組んでもらい、色の組み合わせを探る工程が『創造性や探究心を育むプログラム』として評価されました」

 夏には、小川さんが目標の一つとしていたよさこい祭りへの協賛も実現。地域の文化に根ざした活動として手応えを感じていると言います。

 「高知の伝統ある催しで、当方の事業を知ってもらう機会を頂戴できたことがありがたく、地域貢献の一環にもなりました。今後は、アートを通じて多様な人々が交流する場をつくりたいですね」

 高齢者・障がい者施設でレクリエーションをしたり、保育園・学童と共同で制作したり。街なかに巨大フィギュアを置いて行き交う人が色を重ねるワークショップを開催するなど、各種企画を構想。みんなで仕上げた作品を地域の施設に飾り、街のあちこちに彩りを届けることも検討しています。

 「高知に来る理由を増やし、活気を取り戻すきっかけになればと考えています。偶然が生む表現を楽しむアート体験で人と人がつながり、街全体にぬくもりあふれる人の輪が広がる未来を目指します」

(取材年月:2025年11月)

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小川亮太

年齢や経験を問わず楽しめるフルイドアート体験で人をつなぐプロ

小川亮太プロ

アート体験教室運営

ラクガキアートプロジェクト高知店

高知市を拠点に、年齢や経験に関係なく子どもから大人まで夢中になれるフルイドアート体験を提供。偶然に広がる色や模様が魅力で、完成までのプロセスそのものを楽しめる点が支持されています

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