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「テントから広がる上質な空間の創造」をテーマに、テント・シートの製造・施工を一貫

顧客の真の思いを形にするテント製作・イベント会場設営のプロ

中山陽介

中山陽介 なかやまようすけ
中山陽介 なかやまようすけ

#chapter1

店舗や事業所、住宅向けのテントを手掛け、イベントの企画・設営も受託

 「お客さまのご要望を丁寧にくみ取った上で、長年の経験をもとにご提案します」と話すのは、高知市の「マエダテント」代表の中山陽介さん。「テントから広がる上質な空間の創造」をテーマに、店舗や事業所、住宅向けにテントやシートの設計・製造・施工を手掛けています。

 「テントは透光性のある生地を用いることで明るさを確保しつつ暑い日差しや紫外線を遮って優しく日陰を作ったり、防水性・撥水性を生かして雨露をしのいだりすることが可能です。また柔らかい生地の特性を活かした曲線的なデザインも可能ですし、天候に応じて開閉できる機能を持たせるなど、他の素材にはない多くの特性があります」

 基本的に全てオーダーメードで、用途や設置環境を詳しく聞き取った上で素材などを選定。白・黒・赤・青・黄・緑といった基本色からグレー・オレンジ・ピンクといった中間色までカラーバリエーションも豊富です。

 「漠然としたイメージしかお持ちでない方も多いため、事前のヒアリングを重視しています。あるお客さまは、自宅のベランダに雨や日よけのオーニングテントをご希望でした。見栄えにも強いこだわりをお持ちで、石積み風の外観にマッチするよう形状や素材・色の打合せ・提案を重ねた結果、『おしゃれな雰囲気で屋外にもリビングができた』と喜ばれました」

 また中山さんのもとでは、各種イベントの企画・設営・運営も行っています。特に、地鎮祭や起工式、竣工式といった建築式典関連を数多くこなしてきました。

 「県内各地の催しなども請け負っています。安全祈願といった神事であれば祭壇や祭具をご用意し、お祭りであればステージや出店ブースを配置し、イベントの内容に合わせて会場をプロデュースいたします」

#chapter2

システム開発会社での勤務を経て32歳で帰郷し、3代目として家業へ

 1979年に高知市で生まれた中山さん。早稲田大学政治経済学部を卒業後、東京にある大手システム開発会社に入社。開発や運用に関わる各分野を統括するシステムエンジニアリングや品質管理、プロジェクトを遂行するマネジメント業務に従事します。

 「『マエダテント』は母方の祖父母が1967年に立ち上げ、父が2代目社長になりましたが、幼い頃から、一度も後を継いでほしいと言われたことはありませんでした。両親にすれば、先代からの地盤があるとはいえ事業を営むのは簡単なことではないため、無理強いせず、進路については私の意思を尊重してくれたのかもしれません」

 キャリアを積み、東京でサラリーマンを続けるつもりだった中山さんが帰郷したのは、2011年、32歳のときです。「会社を畳もうと考えていた両親が銀行に相談したところ、『大きな借金があるわけでもないのにもったいない。信用もあるし、誰か後継者はいないのですか』と言われたそうです。事業承継を提言されたことを親から聞き、私がやるしかないと実家に戻ってきました」

 3代目当主となるため家業に入る決断をしましたが、最初の数年は「後悔することもあった」と本心を明かします。「企業勤めをしていた時は空調が効いた快適な部屋でパソコンに向かう日々だったのが、屋外で額に汗してカラダを動かす生活に変わったからです。慣れるまでは戸惑いもあり大変でしたが、跡取りとして1日でも早く独り立ちできるように、現場に足を運んで仕事を覚えました」

中山陽介 なかやまようすけ

#chapter3

創業から五十余年のテント屋として、理想のデザインで彩り豊かな空間に

 2015年に、中山さんは父親の義生さんに代わって社長に就任。以来、少しずつ社内改革を進めてきました。

 「おかげさまで、リピーターさまからのご用命や、お客さまの紹介で引き合いがあります。現状に甘んじることなく進化したいとの思いから、近年は製作工程などのデジタル化やSNSを通じた情報発信に力を入れています。祖父母が始めた会社をさらに発展させていくためにも業務を効率化して生産性を上げ、認知度を高めて新規のお客さまを獲得したいと考えています」

 事業を成長させていく上で鍵となるのは人材育成で、従業員それぞれの実務力や対応力を磨いていきたいと言います。「これまで現場主義を貫き、各案件を主導してきましたが、私のキャパシティー以上に業績を伸ばせていない感覚がありました。作業を円滑に進めるためにも個々に裁量を委ねていく必要性を感じています。従業員が存分に本領を発揮できる体制を整え、どんどん権限委譲して責任ある仕事を任せていきたいと思います」

 創業から50年余りの歴史を持つ自社を率い、精力的に活動する中山さん。業界を盛り上げるべく日本テントシート工業組合連合会に所属し、高知県テント・シート工業組合では青年部会長を務めています。

 「『シンプルに』『ポップに』など、色とりどりの生地で建物にアクセントを施し、イベント会場などを彩るのが私たちの役目。これからもテント屋として皆さまのリクエストに応え、理想のデザインをかなえていきたいですね」

(取材年月:2024年9月)

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専門家プロフィール

中山陽介

顧客の真の思いを形にするテント製作・イベント会場設営のプロ

中山陽介プロ

製造業

有限会社マエダテント

テント・シートの製作やイベント会場の設営を手掛ける。顧客の直接の要望に応えるだけでなく、長年の実績と経験を生かし、顧客がまだ気づかない「さらに良い選択」を提案。常に一歩先を行くサービス提供を重視する。

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