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暮らしに欠かせない水回りのインフラを支え、地域の衛生環境の保守管理に貢献

浄化槽管理とし尿くみ取りを担う環境衛生のプロ

吉村三佳

吉村三佳 よしむらみか
吉村三佳 よしむらみか

#chapter1

トイレのくみ取りや浄化槽の清掃・点検を手掛け、住宅や各種施設に対応

 「暮らしに欠かせないインフラで不具合が生じないよう、お電話1本で駆け付け、スピーディーに対処することをモットーにしています」と語るのは、「いのえいせい」の代表・吉村三佳さん。吾川郡いの町、土佐市、高岡郡日高村、高知市春野町で、し尿のくみ取りや浄化槽の清掃・保守管理を請け負い、戸建てやマンションといった集合住宅、学校や病院、福祉施設、市役所、事業所、店舗などへ赴いています。

 「浄化槽は、原則年に4回の定期点検と年1回から2回の清掃を行い、汚れや濁りの度合い、消毒による塩素濃度測定など水質検査も実施し、安全な水かどうかを調べます。生活排水をろ過し、きれいな水を自然にかえすことで環境保全にも貢献します」

 バキュームカーで汚泥を吸引したり、槽内の状態をチェックしたりする際は、周囲の道路や建物、敷地を汚さないように細心の注意を払って作業。さらに吉村さんは、現場における接客意識の向上にも力を注いでいます。

 「お客さまの前に立つにあたり、不快感を与えないよう身だしなみを整えることを徹底しています。従業員の応対を褒めていただき、ご新規さまを紹介してくださることも少なくありません」

 地域に愛される企業を目指して細やかに配慮し、足を運ぶ頻度や回収時間の希望にも柔軟に対応。個人と法人を合わせ2000件の顧客を抱え、清潔で快適な環境づくりをサポートしています。

 「お手洗いが使えなければ日常生活に支障を来し、健康面にも影響を及ぼします。ご不安、ご不便をかけることがないよう、皆さまの暮らしに寄り添って活動したいと考えています」

#chapter2

現場での葛藤を経て家業を承継し、従業員を信頼する自立型組織の構築へ

 吉村さんは地元の高校を卒業後、兵庫県内の短大へ進学。卒業と同時に結婚していの町へ戻り、子育てをしながら、実父の幸男さんが1975年に立ち上げた同社を手伝い始めます。

 「当初は事務職として関わり、30代になるとバキュームカーに乗るようになりました。現場についても理解を深める中で課題を見いだしましたが、親子ゆえに遠慮がなく、当時は経営方針や従業員の教育をめぐって父と意見がぶつかる日々が続きました」

 転機となったのは、ある知人からかけられた言葉でした。「社長に対し、従業員としてけじめある態度で臨んでいるか」と指摘され、自らを省みます。

 「家業であることへの甘えに気づき、一人の従業員として、節度を持って社長と接しなければいけないと痛感しました。公私を区別するようになったことで衝突が減り、社内の空気も変わって業務もスムーズに進むようになりました」

 2017年に幸男さんの後を受けて代表に就任。上層部が意思決定して指示を出すトップダウン型から、従業員に現場を任せる自立型組織の構築へとかじを切りました。

 「私は現場に出ないと決め、従業員を信頼し、それぞれの裁量に委ねることにしました。自分がいなくても会社が円滑に回る仕組みづくりに注力したのです」

 当初は反発もあったそうですが、組織を変えようとする吉村さんの熱意に応えるように従業員のマインドも徐々に変化。報告・連絡・相談を通じてチームワークを築き、トラブルなども減少し、依頼も増えたと言います。

#chapter3

「ミセスオブザイヤー」で受賞したのを機に、地域活性化などにも尽力

 吉村さんのもとでは、定期訪問に加え、イベント会場の仮設トイレの整備にも従事。将来にわたり地域の衛生環境を守っていくため、従業員一人一人の実力を伸ばし、組織全体の底上げを図ることを構想しています。

 「個々人の特性やスキルが存分に発揮されるようになれば、サービスの質も上がり、お客さまに喜んでもらえる場面も増えます。メンバーの絆を深めるため、社員旅行や新年会を催し、働きやすい職場づくりにも努めています」

 吉村さんが大切にしているのは、従業員ファーストの姿勢。フレックスタイム制を採用し、従業員が自分のペースで効率よく作業を終え、趣味や学び、家族との時間をしっかり確保できるよう工夫しています。

 「従業員には、『仕事を人生の一番にしなくていい』と日頃から伝えています。人生を楽しく生きるための基盤として仕事をしてほしいと思っています」

 吉村さん自身も自分らしいライフスタイルを謳歌し、2025年には人生にストーリーを持ち、常に挑戦する女性たちをたたえる「ミセスオブザイヤー(Mrs & Mr of the Year)」の高知大会に出場。部門別のグランプリを受賞しました。

 「大人が本気で打ち込めるのは面白いと始めたチャレンジでしたが、今度は自分が誰かの背中を押し、社会のお役に立ちたいという思いが強くなりました。高知県に人が増え、活気のある街になってほしいと願い、地域の人々をつなぐ異業種交流会も主催しています。出会いを生み、可能性を広げるきっかけになれば幸いです」

(取材年月:2026年7月)

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専門家プロフィール

吉村三佳

浄化槽管理とし尿くみ取りを担う環境衛生のプロ

吉村三佳プロ

環境衛生業

有限会社いのえいせい

地域に根差し、し尿くみ取りや浄化槽の保守点検・清掃を提供。個人・法人合わせ2000件の顧客を支え、訪問日時や頻度などの要望にもできるだけ柔軟に対応し、丁寧な接客を心掛けています。

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