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ドイツ整形靴技術+健康靴で、 足の骨格のゆがみ・痛みを改善し、足の健康を守る

足の健康を守る“足と靴のアドバイザー”

小黒健二

主役は“足”。靴は足を守るための道具
足の痛み、からだの不調を抱える方は相談を

#chapter1

主役は“足”。靴は足を守るための道具

 「靴っていうのは、足を守るための道具なんですよ」と語るのは、足と靴の相談室・有限会社ロビンフットを経営する小黒健二さん。店内には、日本人の足を考え、解剖学・医学的根拠に基づいて開発された健康靴が並びます。
 顧客の大半は50歳代以上の女性。足の痛みを解消して、健康な体を取り戻したいと、駆け込み寺のように店を訪れるといいます。
 「女性はつま先の細い靴やパンプスを履く人が多いでしょう。長年、足に合わない靴を履き続けると、体に負担がかかり、足や膝、腰の痛みとなってあらわれます。生活習慣病のようなものですね。とくに50歳を越えたころから顕著になってきますから、不調を感じて初めて、“足と靴との関係を考えなきゃいけない”と意識されるんじゃないでしょうか。整形外科で診てもらっても改善せず、困り果てて来店される方もいらっしゃいますよ」
 それぞれが抱える足と靴の問題点を探るため、50分間の足のカウンセリングを実施。フットプリントで足跡を採取し、その形状から足底にかかる圧力や指先、アーチ、かかとの状態を読み取ります。骨盤の傾き具合や関節についてもチェックし、結果をもとに、健康靴や足底板(靴の中敷)、インソールなどの改善プランを提案していきます。

 実際に小黒さんに足を診断してもらうと、「しっかりした足跡だなあ。以前、スポーツをやっていたでしょう?」「かかとが外側に倒れているね。気をつけないと膝を痛めますよ」と的確な診断とアドバイスが続きます。
 足のカウンセリングをもとにドイツ整形靴技術によって補正調整した健康靴を履いてみると、その歩きやすさにびっくり。つま先部分に十分なゆとりがあるので、それまで靴の中で縮こまっていた足指が解放され、大地をつかむ感覚が伝わってきます。

#chapter2

足の健康を考えるなら、パンプスではなく健康靴を

 足の健康を考えると、足指を窮屈に閉じ込めてしまうパンプスは薦めないとか。また、足への負担を減らそうと、軽い靴や靴底のやわらかい靴を選びがちですが、それは大きな間違いだと小黒さんは指摘します。
 「足は体の土台骨ですから、しっかり安定させなきゃならないんです。クッション性のありすぎる靴だと、足や足首、体が安定しません。足の筋力の低下や骨格のゆがみは、自分の履いてきた靴の影響を受けた結果です。だから、不調や痛みの原因をちゃんと突きとめて改善していかないと、靴箱に履けない靴が増えていくばかりですよ。足の健康を意識するなら、足が喜ぶ靴を選ばないとね」
 日ごろ見た目重視で靴を選んでいる人にとっては耳の痛い話です。でも、小黒さんの漫談家さながらの軽妙な語り口、そして温厚な人柄ゆえ、すんなりと受け入れられます。
 最初は健康靴に抵抗を示す人もいるようですが、アドバイスに従って靴を選び、歩く習慣を身につけることで痛みから解放されるとか。そして、健康靴を履き続けてしばらく経った後に診断を受けると、改善状況が足跡にはっきりと表れるそうです。衰えていた筋力が回復し、健康を取り戻している証拠です。

足の痛みの原因を調べて、改善する靴を提供

#chapter3

足の痛みの原因を調べて、改善する靴を提供

 履物問屋を営んでいた家業を継ぎ、時代の流れとともに靴店へと転向。その後、現在の営業形態へとシフトし、青葉台から長津田に店を移しました。
1998年には足と靴について学ぶため、ドイツの整形外科靴マイスターのカールハインツ・ショット氏に師事。整形外科靴マイスターとは、足に障害を抱えた人を対象に、靴の製作・販売、アドバイスなど、足と靴に関わる多様な技術を提供する靴職人で、ドイツでは厳格な試験を経て認定される国家資格です。
 ショット氏は日本における整形外科靴技術の普及と教育に貢献した人。小黒さんは来日中だったショット氏から、足の解剖学や構造、カウンセリングの手法、ドイツ整形靴技術の基礎を学んだといいます。説得力ある説明は、そういった経験に裏打ちされたものなのでしょう。

 「私の仕事は、足の痛みの原因を調べて、それを改善する靴を提供することです。お客さまにいろいろうるさく申しあげるのは、いつまでも健康な足で歩いてほしいからこそ。中には説明を聞いて、“今まで私は何をやってきたの…”と悔やんで涙される方もいらっしゃいます。また、90歳になるお客さまは十数年前にかかとの骨に不調を抱えられていたのを機に来店され、今もお付き合いが続いています。元気に歩いていらっしゃる姿を見るとうれしいですね。体に不調を感じている人も、そうでない人も、いま一度、自分の足元を見つめ直してみてはいかがでしょう」
 
(取材年月:2011年2月)

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専門家プロフィール

小黒健二

足の健康を守る“足と靴のアドバイザー”

小黒健二プロ

シューフィッター

有限会社ロビンフット

足のトラブルの原因は様々ですが、病気や事故が原因でなければ、多くの場合が生活習慣による足の筋力の低下によるものです。「足のカウンセリング」は、生活習慣の見直しと運動による自己管理もアドバイスします。

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