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悩みや困難を単に癒やすための課題にとどめず、「自分自身になろうとする力」の流れと捉える

「あなたらしい生き方」をサポートする臨床心理士

明石郁生

1_明石郁生様
2_セミナー

#chapter1

心の課題とは、変化の機会。森や海や音楽のように。

 現代は“心の時代”と呼ばれ、精神的な豊かさを求める生き方が広まる一方で、自己を見いだせず、生きづらさを抱えている人々も増えているといわれています。
 自らも大病を患い、AC(アダルト・チルドレン)としての困難をくぐり抜けた経験を持つ、臨床心理士の明石郁生さん。神奈川県茅ヶ崎市を拠点としながら、湘南エリアや横浜、東京、東海エリアへも足を運び、ACや家族トラウマ、複雑性PTSD(家族由来のトラウマ後遺症)、依存症、心身症状を抱えるご本人とその家族、あるいは中小企業の経営者を対象に、カウンセリングやグループワーク、コンサルテーション、コーチングなどを行っています。

 明石さんが実践しているカウンセリング活動で特徴的なのは、ご依頼者のニーズを尊重した、言わばオーダーメイドで心理療法を組み合わせた“統合的アプローチ”。「悩みや症状、問題には必ず意味と目的がある」と全肯定し、「自分自身になろうとする力」のプロセスとして重視します。
 「例えば、ACという言葉は診断名や差別用語、レッテルではなく、自分を探求する人が自分を自覚するために使うための一つのコンセプトです。悩みや苦しみ、身体症状などは変化するための大切な課題と捉え、自身が本来持っている『力』を見つけるために使うものです。悩みや苦しみを単に癒やすだけにとどまらず、その過程で自分自身や家族、ひいては組織や共同体が変わっていく流れであり、社会がより健全になっていくことにもつながると言っても決して大げさではありません」

 全てのサービスにおいてアメリカカウンセラー協会(ACA)、アメリカ心理学協会(APA)、日本心理臨床学会の倫理基準を順守しているため、安心して受けられることも、アメリカの大学院(日本校)で学んだ明石さんならではの配慮だといえるでしょう。

#chapter2

これからの日本でますます必要とされる臨床心理士の役割

 欧米では、悩みや心配、対人関係の課題、心身のマネジメントへのカウンセリングに加えて、メンタルヘルスケアやビジネスでの決断に際し、経営者やリーダーなどがプライベートカウンセラーを持つことが今や常識。ところが日本では、カウンセリングを受けることは“大変な状態である”という先入観やハードルの高さを感じている方々が多いのでは、と明石さんは危惧しています。
 例えば、商品やサービスに誇りのある経営者が、自身のプレッシャーやストレスの状態に早く気付き、カウンセリングを受けることで内面に備わっている力が発揮され、職場や家庭がより良い環境になれば、日本経済にとってもプラスになるはず。臨床心理士の役割は、これからますます重要度が増していくでしょう。

 「ともすると“ネガティブなもの”として捉えられがちな心や身体の課題ですが、『この困難のプロセスとは、私にとってどのような意味があるのだろう?』『これから自分らしく、どのように生きていけばいいのだろう?』と自分自身に取り組む姿勢と勇気が生まれた時、人は初めて純粋な『生きる力』を持ち始めます。私はご依頼者から語られるそれらの言葉に注意深く耳を傾けると同時に、心の底から感銘を受けるのです」

3_明石様

#chapter3

医療・教育機関とのチーム連携した心の援助活動に向けて

 生きづらさ、夫婦や対人関係の問題、共依存などの関係性依存状態は、医療機関で治療が必要な“病気”と言えないけれども、仕事や生活に大きな支障を伴うケースがあります。これらのケースは医療機関のみで対処することが難しく、心理専門家とのチーム支援が必要です。
 また、昨今の日本では、引きこもりや不登校のケースが数多く報告されるようになり、心のケアを行うカウンセラーと教育機関がチームとして連携する取り組みの構築が急務とされています。明石さんはこれら包括的なチーム連携に着目し、今後の活動をさらに展開していきたいと考えています。
 「引きこもりや不登校などは、周囲からのいじめの問題がきっかけであることが多いのです。それにもかかわらず、親は教育の観点から、お子さんをむやみに学校へ行かせようとする。しかしカウンセリングを進めていくと、夫婦(両親)の不仲を何とかしようとする行動の表れであるケースが少なくありません。そのことをご本人や家族と共に考え、時には親に対してアプローチを試みながら、一緒に歩んでいくのです」

 開業臨床心理士としての長いキャリアで培ってきた経験を踏まえ、執筆活動も旺盛な明石さん。より多くの人たちが「自分自身になろうとする力」を自覚し、“自分の専門家になってほしい”という願いを込めて、近い将来、新たに一冊を上梓したいと抱負を語ってくれました。

(取材年月:2019年10月)

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明石郁生

「あなたらしい生き方」をサポートする臨床心理士

明石郁生プロ

臨床心理士・カウンセラー

家族とAC研究室

統合的アプローチでは、家族、人間関係の問題、共依存、依存症、身体症状などを変化や成長のための大切なプロセスと捉えてカウンセリング・コンサルテーションを実践します。

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