シングルマザーの生き方・働き方を応援する心とキャリアの専門家津守梨々子

シングルマザーの生き方・働き方を応援する心とキャリアの専門家

津守梨々子

「それでも人生に負けたくない女性のために」心とキャリアの両サイドからサポート

　「一人の人間として尊重され、自身を信頼し、日々明るい心でいられることを“しあわせ”と呼びたいもの。あなたにとってのしあわせを探してみませんか」
　
　さまざまな事情で離婚を選択し「それでも人生に負けたくない女性」へ向けて呼び掛けるのは、横浜市にある「華心Darya（はなこころだりや）」の心理＆キャリアカウンセラー・津守梨々子さん。

　「離婚を迷っている人、シングルマザーなどの悩みや葛藤に耳を傾け、将来にわたって心理的経済的に安定した生活を築き、その人らしい“しあわせの形”を見つけられるようサポートしています」

　自治体のひとり親自立支援機関に12年間在籍し、就業や子育て支援に携わったのは4000人以上。豊富な知見を元に地域の支援制度や子育てサービスなどの情報を提供し、課題解決の糸口を探ると同時に、もう一歩踏み込んだアプローチを展開しています。

　「混沌の中にある心細さや社会での生きづらさは、想像以上に根深く複雑です。当面の生活や癒やしだけではなく、現実を直視し理解する力や未来へつながる学びなどをトータルで整えていかなければ、失った気力や自信はなかなか取り戻せるものではありません」

　近年ビジネスや教育、スポーツなどの分野で、パフォーマンス向上や良好な人間関係構築に活用されているNLP（神経言語プログラミング）心理セラピーに基づいたセッションを実施。
自己回復力を強化するメンタルトレーニングやコミュニケーション力、感情コントロールスキルなどを身に付ける場も用意し、心とキャリアの両サイドから働きかけ、足元からしっかりと支えています。

苦境を生き抜いてきたレジリエンス実践者の一人として、その人らしい暮らしを応援

　津守さん自身もまた、苦境を生き抜いてきたレジリエンス実践者の一人。国際結婚による海外生活で長女を失い、離婚を経て帰国。経済的自立と子育ての両立、職場での人間関係やパワハラ・セクハラに見舞われた波乱の半生でした。

　「多くのものを失った離婚直後には、大切な2人の子ども以外に何もない状態。生きるためにハローワークに通い、さまざまな仕事をこなす日々でした」
　
　前職のひとり親自立支援機関の支援員としてのスキルは、現場で相談者と向き合う中で「共感だけでは本当の意味で力になれない」と認識してから学び始めたそう。
　心理学やキャリアカウンセリングの体系的な知識を得て以降、職場内で「よろず相談の窓口」とやゆされたレベルから、アドバイスの内容もより的確なものに。数多くのシングルマザーの背中を押していきました。

　「せっかく歩み出した方が、再び窓口に相談に来られるケースも散見されるなど、現実の厳しさも突きつけられましたね。『その人らしい暮らしを応援する』という本来の在り方が問われているような思いでした」

　さらにコロナ禍で、自立を促すこと自体が難しい状況に。職務の範囲でしか動けないことにもどかしさを感じる中で「自分らしく誇りを持った活動ができているのか」と迷いを覚えます。
　
　「長いスパンで心からの自立を支えていくために、困難を力に変えてきた自分だからこそ、できることがあるのでは」と管理職に就いて3年後に独立。再び一人からの挑戦に乗り出したのです。

「しなやかな生き方」のヒントを伝える取り組みを、自分らしく生きようとする人の力に

　一人でも多くの女性が逆境に負けず “自分らしい華”を咲かせるように、メンタルケア、ビジネススキルのトレーニングに励み、理念を継承するトレーナーの育成にも尽力する津守さん。継続的に調整する“メンテナンス”ともいえる取り組みにも目を向けています。
　
　「私たちをとりまく社会も家族と自分のライフステージも変化し続けていますし、取り戻した自信は、ふとしたことで失くしかねない不確実なもの。マンツーマンでの支援とは別に、もう少し力を抜いて参加できる少人数の交流の場やオンライン講座なども検討中です。地方にも足を運び、自分らしく生きようとする人の力になりたいですね」

　苦境にある女性が人生をしあわせなものに変える独自のメソッドは、国際機関の教育・訓練賞を受賞するなど、外部からも評価されています。

　津守さんにとってメンタルアップの時間とは、10代の頃に没頭したフラメンコを地元の子育てサークルやビジネス交流会などで指導することだそう。不自由な海外暮らしの中で、現地の人々との交流を助けたツールでもあります。
　
　「これまでしてきたことの多くは、一見無駄に見えるかもしれません。でもどんな体験が人と人をつなぐ縁になるかは分からないものです。人生に無意味な出会いや経験はないのかもしれませんね」

　何度も立ち上がり、勇気をもって行動してきた津守さん。
　「しなやかな生き方」のヒントを、リズミカルに床を踏みしめる靴音の響きのように、力強く伝えています。

（取材年月：2024年11月）

一人の人間として尊重され、日々明るい心で暮らし続けるために、苦難を力に変えるメソッド

「それでも人生に負けたくない女性のために」心とキャリアの両サイドからサポート

苦境を生き抜いてきたレジリエンス実践者の一人として、その人らしい暮らしを応援

「しなやかな生き方」のヒントを伝える取り組みを、自分らしく生きようとする人の力に

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