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保険の正しい普及に向け、保険を販売する保険代理店と保険を購入する保険契約者を伴奏者として支援

保険の正しい普及に向けた保険代理店の経営コンサルタント

木下聡

木下聡 きのしたさとし

#chapter1

社内規定や各種マニュアルの策定およびその実践等、保険代理店の体制整備を実践的にコンサルティング

 「会社までの道のりをみても、ケガや死亡に備える傷害保険、第三者の人や物に損害を与えた場合に備える賠償責任保険等、さまざまな『保険』が介在しています。社会を支えるインフラでもある保険に関わる者として、保険業務の質を高めていく必要があると感じています」

 こう話すのは、「Accompanist(アカンパニスト)」の代表・木下聡さん。保険代理店に特化したコンサルティングで保険代理店組織力(業務品質・募集品質)の強化を図っています。

 「2016年の改正保険業法により、保険商品の募集や保険契約時の意向把握や情報提供などが義務付けられました。保険代理店は、個人事業主からスタートしていることも多く、自社の組織作りが後回しになっている現状を鑑み、保険代理店業務の質の向上に向けた体制整備の構築に重きを置いています」

 Accompanistでは、保険募集や法令順守、情報セキュリティーなどに関する社内規定や各種マニュアルの策定をサポート。さらに、それらが適切に運用されているか、経営理念が代理店運営にどのように生かされているか、PDCAの全般をフォローします。

 「お客さまと直接会う保険代理店は、苦情も含めさまざまな声を聞きます。いただいたお客さまの声を社内で共有するのはもとより、なぜお客さまからお叱りを受ける事になったのか、その本質的な原因を探らなくては、その後の保険代理店経営にプラスとなりません。課題に正面から向き合うことが体制整備の基本です」

 保険業界に大変革を求める社会の厳しい声の中、先を見据えた経営に今から一歩一歩取り組む必要があると力説します。

#chapter2

保険会社と保険代理店双方の業務に精通。保険代理店の日々の活動の相談事に対応

 木下さんは、損害保険会社に36年間勤務。営業の第一線で保険販売や保険代理店の支援に携わり、定年を機に広域保険代理店を経て独立しました。

 「会社員生活のちょうど半分、18年目で勤務先が合併しました。カラーの全く異なる企業同士の合併で、当時は驚きの声も多くありましたが、保険に対する考え方や組織作りなどそれぞれの文化に触れることができ、大きく視野が広がりました。保険会社と保険代理店双方を経験したことも、今の仕事で非常に役立っています」

 木下さんのもとには、「保険会社から要求されている内容が分からない」「対応する時間がない」「研修や社員教育のやり方が分からない」等、多岐にわたる相談事が寄せられ、日々の代理店業務の在り方についても親身に応えています。

 「保険契約をするだけのことを考えれば、インターネット上の手続で一般の保険代理店での契約より安い保険料で契約することができます。しかしながら、保険契約は保険料が安い高いといった問題より、いざという時にどう保険が活用できるかが重要です。契約時に対面で説明したり、煩雑な請求手続きをアドバイスしたり、人が介在することで安心感を提供することができる、そこに保険代理店の役割があります」

 近年、中小規模の保険代理店を大規模な保険代理店に集約する動きが加速していることも懸念しており、規模が小さくとも地域で頑張っている保険代理店が置き去りにされていることに大きな危機感をいだいています。

 「スーパーで買い物をしたい人もいれば、地域に密着した商店街が良いという人もいるでしょう。多様な保険代理店があってこそ、お客さまのニーズに応えられるのではないでしょうか」

#chapter3

事業活動に必要不可欠な中小企業のリスクマネジメントについての支援

 「社名は『伴奏者』という意味です。主役であるお客さまが輝けるようサポートしたいですね」と木下さん。自社のリスクマネジメントに不安がある中小企業の経営者も相談してほしいと呼びかけます。

 「事業を維持・発展させていくには、リスクを察知して対策を講じていかねばなりません。損失の大きさを考えてリスクを伴う事業活動そのものをやめるか、発生する頻度を低減させるか、第三者に移転するか、自己資金でその損失を補うか、を考えます。この中で第三者への移転が保険の活用です」

 保険加入に際しては、自社にとってのリスクの顕在化が第一歩。ヒトやモノなど経営資源を精査すれば、どのような補償が適しているか見えてくると言います。

 「保険は入る時には本当の姿が見えず、万が一の時に効力を発揮する特殊な商品であり仕組みです。万が一の時が訪れなければ、無駄に感じるかもしれません。また、保険はリスクの一部を補填する仕組みのため、補償の対象外の場合もあります。もしもに備える意義を理解し、カバーできる範囲を保険契約者として把握しておくことがとても大切です」

 保険に対する不信感をなくすには、保険代理店のサービス力の向上、保険契約者の保険リテラシーの向上が必要です。保険を売る側と買う側の双方にはたらきかけることで「保険が正しく社会に普及していくことを目指します」と語ります。

(取材年月:2025年2月)

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木下聡

保険の正しい普及に向けた保険代理店の経営コンサルタント

木下聡プロ

経営コンサルタント

株式会社Accompanist

保険会社と保険代理店双方の業務に精通、各種マニュアルの策定およびその実践や社員教育等、今求められている保険代理店の体制整備をサポート。また保険活用に不安のある中小企業の経営者のご相談も応じます。

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