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人と人のつながりを紡ぎ、住まいの困り事全般に応えるライフホームアドバイザー

高齢者と家族の思いに寄り添う住まいのプロ

佐野和樹

佐野和樹 さのかずき
佐野和樹 さのかずき

#chapter1

電球1個の交換から、フルリフォーム、そして空き家の解体・買取りまでワンストップ対応

 「小さなお困り事から地域のお客さまの心に寄り添ったサポートを提供します」と話すのは、住環境作りを専門とする「住まいる工房」代表の佐野和樹さん。高松市を拠点に高齢者住宅の小さな修理から、空き家の処分・解体まで大小を問わず幅広い困り事に対応しています。

 人と人のつながりを何よりも大切にしている佐野さん。顧客の住まいに足を運び、確かな信頼関係の構築を通じて、継続的な依頼へとつなげています。「ご高齢者のお住まいは、物資が不足していた時代に懸命に働いて得た努力の結晶です。住まいに込められた思いをくみとり、思いに寄り添った新しい価値を生み出せる企業でありたいと考えています」

 同社の顧客の多くは、一人住まいの高齢者や老老介護に取り組んでいる家庭です。若い人で簡単にできる「電球1個の交換」も、体力が衰えた高齢者には大きな負担になると佐野さんは言います。同社に持ち込まれる、「体が思うように動かないので高いところの修理ができない」「どこに頼んだらいいのかわからない」といった困り事一つ一つに耳を傾け、時には縁側に座って世間話を楽しむこともあるのだとか。

 「『趣味で写した写真を部屋の壁に飾ってほしい』というご依頼がありました。30cmの高さの踏み台に上がることができずお困りだったので、すぐに駆けつけてお手伝いしました。こうしたどこに頼んでよいかわからない小さな修理こそ、弊社の強みを生かせるご依頼なのです」と笑顔を見せます。

#chapter2

多職種連携を強みとする不動産会社を設立

 首都圏の建築業界で経験を積み重ね、40歳を機に生まれ育った香川県に帰郷した佐野さん。やがて「住宅や店舗建築などの仕事で得た知見を生かして、地元の高齢者のお手伝いをしたい」という思いで、2012年に同社を設立しました。当初は、手作りのチラシを1軒1軒ポスティングして、雑草抜き・庭木剪定といった建築以外の依頼にも丁寧に応え続けるところからスタートしたと振り返ります。

 大切な住まいの修理の依頼で駆け回る日々の中で、昨今増えてきた生前に住み手のいなくなる今の住まいや身の回りを整理しておきたいという切実な声に応えるかたちで、2019年に不動産の売却・買い取りに特化した「綴るパートナーズ」を設立。生前整理・遺品整理の普及活動に力を入れており、住み手を失った空き家の管理や、売却・改修にも対応。必要に応じて解体まで引き受けています。

 さらに、弁護士や司法書士などの士業ネットワークを構築して、専門家との交渉や手続きに関する相談窓口を一本化。「少子高齢化の加速に伴い香川県内でも空き家が増えています。空き家の売却や解体、家財の処分は、煩雑な手続きや届け出を要するので、個別に依頼するとコストなどもふくらみ時間もかかりますし、もしも生前に対処しないまま放置してしまうと、残されたご家族の負担にもなってしまいます」

 病院や介護老人福祉施設など病院・施設などとも連携して、多様化するニーズに柔軟に対応。介護保険を利用した住宅改修工事をはじめ、自宅で快適に過ごせて、介護がしやすくなる福祉リフォームにも取り組んでいます。住環境福祉コーディネーターと建築士が、専門知識に基づいた提案を行います」

佐野和樹 さのかずき

#chapter3

超高齢社会における住まいの課題と向き合いたい

 創業間もないころ、ある高齢の顧客から、庭木の手入れや、水回りの保守点検などの管理を一任されていた佐野さん。6年後の一昨年、顧客が亡くなり住み手のいなくなった家の処分をご遺族から相談を受け売却、そして、買い主からは、リノベーションにつながったそうです。

 「故人やご家族の思い出が詰まった家を解体処分せずに次世代の方へと活用できたことをご遺族の方々にとても喜んでいただけました。また、買い主様も手入れの行き届いた良質な住宅を購入できたと満足されていました。このような誰もが笑顔になれるワンストップ対応こそ、わたしたちが目指すサービスの姿です」

 時には、「流し台の扉のつまみが壊れたことを業者に相談したら、流し台丸ごとの入れ替えを提案された」と佐野さんのもとに駆け込んできた高齢者もいたのだとか。「住宅設備に不具合が発生した場合、修理ではなく新しい製品をすすめる業者も少なからず存在します。しかし、住まいに不便があっても大規模なリフォームになれば高額となり踏み切れないのが実情です。弊社は、設備を交換せずに使い続けていただくために可能な限り、修理でのご提案を心掛けています」

 近年は、顧客からのご紹介などで大規模なリフォームや店舗の改装なども多くなったそうですが、「ありがとう」「助かった」という言葉を心に刻み、超高齢社会における住まいの課題と向き合いたいと力強く話す佐野さん。これからも、より良い住環境の整備に力を尽くし、解決への道筋を示すことで地域の人々に貢献したいと話してくれました。

(取材年月:2021年5月)

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佐野和樹

高齢者と家族の思いに寄り添う住まいのプロ

佐野和樹プロ

ライフホームアドバイザー

有限会社住まいる工房

「人」と「人」のつながりを重視し、確かな信頼関係を築き継続的な依頼へとつなげている。住宅の小さな修理やリフォーム、空き家の処分・解体などに幅広く対応。生前整理・遺品整理の普及活動にも取り組む。

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