労務管理の支援を通じて企業の成長を支えるプロ戸小台沙智

労務管理の支援を通じて企業の成長を支えるプロ

戸小台沙智

給与計算や就業規則の作成・改訂、社会保険、助成金などの手続きをサポート

　「“新しいメンバーが入ったので入社の手続きをお願いします”といったご用命を受けると、手応えを感じます。事業が安定的に伸展している証しですから」

　こう話すのは、盛岡市の「社会保険労務士戸小台事務所」の代表・戸小台沙智さん。岩手県内の企業を中心に、労務分野を幅広く補助。働き手のニーズが多様化するのに伴い就業規則を作成・改訂したい、法人にするので届け出をしたい、深夜労働や割増賃金が絡み給与計算の仕方が分からない、助成金を申請したいなど、さまざまな困りごとに親身に対応しています。

　「毎月の給与計算や社会保険の手続きなどは思った以上に複雑で、正確に行うのは想像以上に大変だという声をよくお聞きします。特に立ち上げから間もない企業は、事務を担うバックオフィス業務に人手を割くのが難しいでしょう。事業主が本業に集中できるよう、当方が作業面をお手伝いします」

　業業種を問わず請け負っていますが、なかでも医療や介護などの福祉関連や建設業者、運送業者からの依頼が多いとか。

　「人材確保に課題があり、事業主なのに本業以外の事務作業に追われている事業所が多いのが共通点です。経営者の役目は、会社の方針を考え決断し、かじ取りをすることではないでしょうか。本来の責務を果たしていただけるようアシストするのが私の役割であり、創業時から継続的に伴走し、一緒に成長していけたらうれしいですね」

　常に誠実であることを心掛け、クライアントとともに未来を切り開く戸小台さん。キャリアアップ助成金や業務改善助成金等、人材育成や雇用促進に役立つ制度を案内し、申請をフォローしています。

従業員のやりがいを引き出し、企業の利益にも貢献できる勤務制度を提案

　厚生労働省が設置する「働き方改革推進支援センター」でアドバイザーも務める戸小台さんは、従業員のやりがいを引き出す勤務制度の整備にも注力しています。

　「誰もが働きやすく、なおかつ企業が利益を上げていくにはバランスが大切です。会社の現状や経営ビジョン、個々人の背景などを考慮しながら、事業主と従業員にメリットのある仕組みの策定をアシストします」

　ある企業で、子育てとフルタイムでの仕事の両立が厳しいという女性社員がいました。経営者は当人の能力を高く評価していて勤続を望み、本人もできれば働き続けたいと希望していたことから、短時間正社員制度の導入を提案。双方が納得できる勤務形態を実現しました。

　「社員に生き生きと働いてもらえるようフレックスタイム制を取り入れたいという企業さまでは、従業員の要望と事業主の懸念点をヒアリングし、試験的な導入から正式採用までを支援しました。試行時も就業規則を改訂して法令順守に努め、現在も定期的に状況を伺うなど、サポートを続けています」

　戸小台さんは、クライアントと長く付き合いながら、事業活動に伴う手続きやアドバイスをしていきたいと話します。

　「経営者さまに率直に胸の内を話していただき、助言を受け入れていただくには、お互いの信頼関係が必要です。特に労働問題はデリケートで、100社あれば100通りの解決方法があると考えています。法律面だけの話をしても、当事者は納得しないでしょう。相談者さまの意向を丁寧に確認しながら進めてまいります」

金融や労務の知見をもとに、年金制度やハラスメント対策の研修も多数実施

　戸小台さんは、生命保険会社に入社し営業を担当していましたが、結婚を機に退職。子育てが落ち着いた折に銀行に再就職しました。保険会社時代に培った社会保険や年金に関する知識と営業経験を買われ、ライフプランや事業資金計画などの相談業務に従事するように。

　「家計などを伺う中で、経営者からは『雇ってもすぐ辞めてしまう』、労働者からは『育児休暇などが取れない』といった悩みが寄せられました。労使双方のお役に立ちたいと思い、社労士に興味を持ったのです」

　資格取得後は、労働基準監督署に勤めて実務経験を積み、2021年に開業。「いろんな方と出会い、それぞれの人生に寄り添ってきたことが当方の強み」と力を込めます。

　金融や労務の知見を糧に研修講師としても活動。内容は、年金制度や資産運用、ハラスメント対策、人事労務管理など多岐にわたります。

　「多種多様なハラスメントが注目される時代となりました。問題が起きると事業活動に大きなマイナスとなってしまいますので、起きない環境を作るにはどうすればいいかという視点が大事です。受講者からは、『すぐに実践できそう』『具体例を知りたかった』との声をいただいています」

　企業や働く人のために尽力する戸小台さん。コーポレートマークは方位磁針をイメージし、デザインに込めた思いについて語ります。

　「どちらに進めばいいんだろうと迷ったときに、ポケットから取り出せば進むべき方向を示してくれる。そんな存在でありたいですね」

（取材年月：2025年3月）

企業と伴走しながら労務管理をアシストし、さらなる成長に貢献

給与計算や就業規則の作成・改訂、社会保険、助成金などの手続きをサポート

従業員のやりがいを引き出し、企業の利益にも貢献できる勤務制度を提案

金融や労務の知見をもとに、年金制度やハラスメント対策の研修も多数実施

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